院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

出来る者は出来ない者を嗤ってはいけない

2011-08-01 21:12:57 | Weblog
 今朝の中日新聞愛知県版に72歳の女性が投書を寄せていた。要旨はざっと以下のようなものである。

 「最近の若者は「メチャオモシロイ」、「チョーウマイ」、「カワイイ」で会話を済ませてしまう。携帯メールの影響だろう。ちゃんと読書をしていれば、このようにはならないはずだ」

 この意見には間違いがある。まず若者すべてではないということだ。少なくとも7%の若者は、まっとうな日本語をしゃべり、書けることを私は知っている。彼らがそうしないのは、多数者に合わせているからである。

 言葉は連帯意識をはぐくむ。だから7%の若者は93%と同じ言葉を使って連帯しているのだ。もっと言うと、連帯しないと「空気が読めない」と思われてしまう。

 「国家とは国語である」と言ったのはシオランという人らしいが、名言である。

 もうひとつ、読書をいくらしても苦しいだけで、93%は上手な日本語を使えるようにならない。上手でない日本語によって日本国はなりたっているのだ。

 さらに言えば、この93%は少なくとも中日新聞社の記者にはなれない。なぜ、中日新聞がこのような投書を採用したかというと、自分は7%の側にいて、93%を嗤うためである。

 投書者の口を借りて、出来る者が出来ない者を嗤っているのである。

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