うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

52年目のノスタルジー

2021-10-30 23:59:12 | 日記・エッセイ・コラム

井上陽水の”傘が無い”が流れると、必ず・・・

都会の高校生に翻弄されていた

手に薄ピンクのマニュキアをしたんだって・・ファッション雑誌の事、お酒を飲みに行ったこと・・・・

僕にしたら、ベトナム戦争の事や三島由紀夫や赤軍派の事なんかや、何よりマルクスに心奪われて居たし、そして高校時代には一度も女の子と話したことも無かったし、同級生がマニキュアだのお酒だのって考えられない時代と田舎だったし・・・・

 その、高校生の輝子が僕にくれたんだ。陽水のアルバムを・・・・

そして、僕のアパートに何度か遊びに来たんだ。

何度目かに陽水のアルバムを持ってきて一緒に聴いたんだ、薄ピンクのマニュキアの指や可愛らしい唇にキスをしながら・・・

女々しい歌だと、個人的狭い世界観の曲だと・・・僕には聞こえたんだ

それでも輝子は今一番、井上陽水が好きだと言った

「貴方も好きになりなさいよ」って、そのアルバムを置いていった。

その頃、僕が聞いていたのは、加川良や岡林や高田渡だったし、せいぜい吉田拓郎や南こうせつ位まで、後は上京してから聞き始めたウエスモンゴメリやMJQ、デュークエリントンなどのJAZZだった

 今でも、あの頃のメッセージソングやノスタルジックな神田川などは偶に聞くし、JAZZへの嗜好は深まっている。

そして、今では井上陽水や大瀧詠一や忌野清志郎をアレクサにリクエストしている。

もしかしたら、輝子がアルバムを置いていったのが、アパートに来た最後の日だったのかもしれない・・・

コメント
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