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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【12/30~12/31】

2023年12月31日 10時20分17秒 | マリーンズ2023
≪12/30≫


 「よくなかったです」。ロッテの中村奨吾は、今季1年間をこう一言で振り返った。今季は2年ぶりにセカンドのゴールデングラブ賞を受賞したが、137試合に出場して打率.220、11本塁打、48打点、52四球、出塁率.299と打撃成績は軒並み前年を下回る数字に終わった。

 苦しい1年に終わった中で、1度も一軍登録抹消することなく、チームトップの137試合に出場。チームキャプテンとして、1年間最前線で戦い抜いた。「キャンプが順調にいっていましたけど、それからいろんなことがあって、いい時期もありましたが、最後まで立ち直るというか、盛り返すことができなかったかなと思います」と振り返った。

 数字が上がらない中でも、無死二塁の場面では右打ちで走者を進めたり、送りバントを決めたり、二塁走者の時には外野フライで積極的に三塁へタッチアップを狙ったりと、数字に表れない貢献度を見せた。

 6月9日の広島戦、0-2の4回無死二塁の第2打席、床田寛樹が1ボール1ストライクから投じたストレートをライトへフライを放ち、二塁走者の藤岡裕大を三塁に進め、山口航輝のセンター前適時打に繋げた場面がまさにそうだ。 

 「調子が上がらない中で最低限の仕事はと思ってやっていましたけど、そういうところももっとできたところもありましたし、う〜ん、全体的にあんまりですね」。

 その中で、今季苦しんだ原因はどこにあったのだろうかーー。

 「そうですね、いろんなことがあって、いろんな修正方法を試してみたり、バッティングコーチと一緒にいろんなアドバイスをもらってやってきましたけど、フィットしなかったというか、あまり続けなかったというのもおかしいですけど、うまくハマってこなかったというのは今年全体通してそういう時期が多かったかなと思いますね」。

 今季はシーズン中、普段使っているオレンジのバットだけでなく、黒茶のバット、白木のバットなど色々なバットで打っていた。それも試す一つだったのだろうかーー。

 「そうですね、自分の体のバランスに合わせて、こういうバットの方が合うんじゃないかと思って試したり、そういうバットを使うことでバランスが良くなったりということがあるので、色々試しながらやりました。よくないシーズンだったからこそ、いろんなことを試していやっていく中で、いいところでいえば引き出しも増えたシーズンだったかなと思いましたし、いろんな考え方も増えていったかなと思いますね」。

 “引き出しが増えた”、“考え方も増えた”、これはポジティブに捉えていいのだろうかーー。

 「まあそういう引き出し、考えが増えたことは、良かったところではありますけど、今にあった引き出しを出して修正していくというところができないと良くないと思うので、そういうところをもう1回状態に合わせて、修正できるようにこのオフ見つめ直してやっていきたいなと思っています」。

 自己犠牲の精神が強く個人よりもチーム、また個人のことをやりながら、チーム全体を見渡さなければならないキャプテンという立場に難しさもあるのだろうかーー。

 「そういうのはとくにはないですけど、チームとして戦って、チームが勝たないと優勝したいと思いでFAせず残留したので、今年出ているメンバーで言ったら、ベテランの野手2人を除いてですけど、一番試合に出させてもらっています。ここ何年も試合に出させてもらっているので、個人の成績を残さないといけないというのはそうなんですけど、チームのことを見ながらというのはやっていかないと。自分のことだけやっていても、という立場でもあると思うので、そういうのを意識しながらやっていました」。

 だからこそ、優勝したいという思いは強い。「打撃の状態があまり上がってこない中で、本当にチームに迷惑をかけることが多かった。自分が良いところで1本、調子が良ければ順位が変わってたかどうかはわからないですけど、状況が変わっていたのかなと思うので、もう1回このオフ自分を見つめ直して鍛え直していきたいと思います」。

 シーズン終了後に行われた秋季練習のフリー打撃では、「構えが変わったというか、いろんなことを試してみようと思ってやっています」と試しながら打っていた。

 その中でも、右足を突っ立ち気味にリラックスした構えで打っているのが印象的だった。中村は「そういう風に打ったり、オープンにして打ったり、試合がないのでいろんなことを試しながらやっています」と教えてくれた。守備でも10月30日の取材で「サードもやってみようという話もあるので」と、本職の二塁だけでなく、三塁でもノックを受けた。

 マリーンズファンは主力としての活躍を期待しているだけに、物足りないと感じたファンも多かった。熱いマリーンズファンの期待に応えるためにも、結果で見返すしかない。マリーンズで優勝したいという想いを持って残留した。来季はリーグ優勝、そして中村自身も過去最高の成績を残して、来年の今頃は今季があったから2024年の活躍があったと言える1年にしたい。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)

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≪12/31≫


 今季はロッテの勝ち試合の9回に、守護神・益田直也が君臨した。

 昨季は開幕から抑えを務め、前半戦が終了した時点でリーグ2位の23セーブを挙げ、チームも首位と2.5差の4位で終え、リーグ優勝を狙える位置につけていた。後半戦も抑えとして益田にはしっかりと勝ち試合を締めて欲しかった中で、オールスター明けの初戦となった7月29日のオリックス戦で3点リードの9回に同点3ランを浴びると、8月11日のソフトバンク戦、翌12日の日本ハム戦でいずれも失点。8月19日の楽天戦では6-5の9回、益田ではなく、ロベルト・オスナ(現ソフトバンク)が登板し試合を締め、翌20日に益田は井口資仁前監督体制後では初めて一軍登録抹消となった。9月2日に再昇格したが、本来投げるべき場所での登板はなかった。

 20年と21年は11月まで戦っていたことを考えると、久しぶりに長いオフシーズンとなった。

 「結構ゆっくり休めたので、今年は体がいい感じです。休めるということはチーム的には良くないことですが、体的には良かったと思います」。

 シーズンオフは「毎年1年間戦いぬく、バテないような体づくりをするというテーマを変えずにあとは体の強さ、年々体は変わってくると思うので、自分に合った、みんなに合ったトレーニングをしてきました」と1年間戦う体づくりを行ってきた。

 オープン戦を6試合・6イニングを投げ、防御率0.00で終え、開幕を迎える。チームは開幕3連敗スタートでソフトバンクとの開幕3連戦での登板はなかったが、4月4日の日本ハム戦、6-4の9回にセーブシチュエーションで今季初登板。三者凡退に抑え今季初セーブを挙げると、初登板から4試合連続セーブ。4月14日のオリックス戦で、今季初めて抑えではなく、2-0の8回に登板し、6番・中川圭太、7番・西野真弘、8番・若月健矢と続いていく打順を三者凡退に抑えた。

 4月18日の日本ハム戦では再び4-1の9回に登板し、今季初失点も5セーブ目をマーク。3-1の9回に登板した4月21日のソフトバンク戦は、セーブを挙げたが1失点と2試合連続で失点。4月23日のソフトバンク戦は、唐川侑己が柳田悠岐に2ランを浴び、二死後、牧原大成、柳町達に連打を浴びた6-2の8回二死二、三塁と、今季初めて走者を背負った場面でマウンドに上がった。今宮健太を遊ゴロに仕留め、ソフトバンクに傾きかけた流れを止めた。

 この登板以降は基本的に勝ち試合の9回を担当し、5月18日のオリックス戦では本拠地・ZOZOマリンスタジアムで通算100セーブを達成、6月15日のDeNA戦では史上10人目となる通算200セーブを記録した。

 セーブシチュエーションでしっかり抑えていた益田だが、1-1の9回に登板した6月27日のオリックス戦は森友哉にサヨナラ本塁打を浴び、今季初黒星。7月16日の楽天戦も3-3の9回にマウンドに上がるも、浅村栄斗に2ラン、阿部寿樹に2ランを食らい4失点で2敗目を喫した。

 前半戦はセーブ機会で1度も失敗がなかったが、オールスター明けの8月1日の日本ハム戦で2-1の9回、万波中正、マルティネスに連続被弾で逆転負け。同点の登板で失点はあったが、その後もセーブ機会ではセーブを積み重ねていき、最終的にはリーグ2位の36セーブ。

 同点の登板で失点が目立ちシーズンの防御率は「3.71」だが、セーブ失敗は1回で、セーブ機会での防御率は「2.97」だった。

 また、澤村拓一とともに精神的支柱としてブルペンを支え、小野晋吾投手コーチは「澤村と益田がいい声がけ、若い選手たちも多いのでいい声がけをしてくれていい雰囲気を作ってくれた」と評価した。

 今季は澤田圭佑、横山陸人が勝ち試合の9回を経験したが、益田は勝ち試合の9回を何年も経験し、そのプレッシャーを跳ね除けてきた。益田が34歳という年齢を考えると、次世代の抑えの育成は急務と言われることも多いが、実績だけでなく、抑えで投げ抜く力もある。来季も勝ち試合の9回に益田が締める姿、そして秋に歓喜の瞬間を迎えることを期待したい。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪12/31≫


ロッテの中継ぎ右腕、西村天裕(たかひろ)投手(30)は6年目の今季、心を落ち着かせるため、投球動作に入る前に彫刻として有名な「弓をひくヘラクレス」を連想する独特なルーティンを取り入れ、自己最多の44試合に登板した。脳医科学に基づき、脳の思考のくせを診断するプログラム「ノウセツ」で自身の脳タイプを知ることで完成。「ノウセツ」などを活用してアスリートをサポートする株式会社「actor(アクター)」の赤川嘉基氏に、ルーティンができるまでの過程を聞いた。(取材構成・武田千怜)

ピンチをことごとく抑える。増していく首脳陣の信頼度に比例して、西村が投球動作に入る前に行う独特のルーティンが、ファンの間で注目されるようになった。まるで、世界的な彫刻「弓をひくヘラクレス」のようだ、と。

ルーティンの動きは5つ。❶グラブをつける左手を捕手に向かって突き出す。❷ボールを持った右手で胸の中心を2度たたく。❸胸から弓をひくように右手を右肩の方へ移動させる。❹右腕を上から回して前方へ動かす。❺最後に左脚に体重を乗せてセットポジションに入る。

独特な動きを取り入れた今季は、自己最多の44試合に登板し、4勝0敗、14ホールドで防御率1・25。開幕から21試合連続無失点の球団タイ記録も樹立した。
飛躍の原動力となったルーティンを確立した背景には、昨オフに抱いた危機感がある。5シーズンを終え、防御率は通算4点台と思うような結果を残せずにいた。
「同じことをやっていても通用しない。何か変えて新しいことにチャレンジしないと」

帝京大時代の同級生で、アスリートのサポート事業などを行う株式会社「actor」の赤川氏に相談し、脳医科学に基づき、脳の思考のくせを診断するプログラム「ノウセツ」を試した。 

「ノウセツ」とは脳の取扱説明書の略語。「自分の意見をはっきり言えるタイプか」「積極的に行動できるタイプか」などランダムで表示される80の質問に回答し、自身の脳タイプを診断した。 

赤川氏によると、基本の脳タイプは「左脳3次元」「左脳2次元」「右脳3次元」「右脳2次元」の4つ。分析の結果、西村は右脳、左脳ともに2次元脳が優位に働いており、一つのことをコツコツと続けられるという特徴がある「左脳2次元」と、コミュニケーション能力にたけているという「右脳2次元」の数値が高く出た。

「彼の場合はコツコツできるというところが突出していた。ルーティンをやった方がいいタイプ」と赤川さん。コツコツ続けられるという自身の脳の特徴を生かし、投球に入る前に毎回同じ動きをして、脳に安心感を与えるために弓をひく動作を導入した。「自分を知るデータ」を活用して動きやトレーニングに入れる選手はまだ少ないという。

「僕は投げるときに(捕手までの球筋の)ラインをつくりたいので、グラブを前に出してラインをつくり(胸の中心を)トントンして胸郭を意識し、右腕を回して左脚に体重を乗せる。(投げる際の)体の使い方の確認作業になっている」

昨季までは「ピンチになると『抑えなきゃ』と自分にプレッシャーをかけて肩で息をしたり、呼吸が荒くなったりしていた」というが、「変なことを考えなくなった。自分の体をしっかり使って投げるぞ、といいイメージが持てるようになった。やらないと気持ち悪いくらい」と効果を実感。貴重な救援右腕としてチームを2位に押し上げた。 

〝ヘラクレス西村〟の愛称も「自分のベストな投球をするためにやっていたことなので、(そこが)注目されるとかは考えていなかったけど、これで西村を覚えてくれるならいいなと思う」とお気に入り。脳医科学に裏付けられたルーティンが成長につながった。 

★自身の体分析

西村はルーティンの確立にあたり、「セルフフィットアプローチ」を受講し、自身の体についても分析。体の構造、バランス、力が入るパワーポジションなどを把握した。赤川氏によると「胸をトントンすると(意識するための)スイッチが入る」ことが分かり、最初に胸を2度たたく動作を取り入れた。

さらに、一番力が入る場所のパワーポジションが左脚の股関節にあることが判明。セットポジションに入る前に体重を左脚に乗せる動きを導入した。

株式会社「actor」が、「ノウセツ」などの自分を知るデータを活用し、サポートしているアスリートは他に、西武の育成選手、ジョセフ外野手、ロッテのドラフト1位・上田希由翔(きゅうと)内野手らがいる。

■4つの基本脳タイプ

▽左脳3次元 合理主義派。本質を追求し、過程よりも結果を重視。明確な目標が決まっており、そこに向けたロジックがしっかり組まれている。赤川氏によると「タイトルを獲得する選手はこの数値が高い」。

▽右脳3次元 拡張主義派。人間関係や環境を広げることを重視。独創性にたけ、周囲の人間を巻き込むパワーがある。人当たりがよく、楽観的。新しいことにチャレンジするのが好きで、感覚が鋭い。

▽左脳2次元 原理主義派。細かい作業やルーティンワークが得意。一つのことを突き詰めることができるスペシャリスト、職人タイプ。スケジュールに合わせてきっちり進められる。

▽右脳2次元 温情主義派。人の気持ちを察することが得意で、深い人間関係を構築できる。誰かのために何かをやることに喜びを感じ、力を発揮できる。人の目を気にする。赤川氏によると「日本人に一番多いタイプ」。

■アスリートの主なルーティン

★イチロー(野球)打席で相手投手に向けてバットを立てて構えてから、左手を右肩に乗せ、ユニホームの袖をまくる。

★前田健太(野球)投球前に上体を前に倒し、両腕を肘からリズミカルに回す。〝マエケン体操〟と呼ばれる。

★五郎丸歩(ラグビー)2015年W杯イングランド大会で注目された〝五郎丸ポーズ〟。ボールを回してからセットし、後ろに3歩、横に2歩動く。蹴る位置についたら、右腕を下から上に振り、忍者のように両手を合わせて中腰に。その後、ボールを蹴る。

★内村航平(体操)跳馬の助走前に両手を顔の前に伸ばし、狙いを定めるように交差させる。

■西村 天裕(にしむら・たかひろ) 1993(平成5)年5月6日生まれ、30歳。和歌山県出身。和歌山商高から帝京大、NTT東日本を経て2018年ドラフト2位で日本ハム入団。18年3月にプロ初登板、同年4月にプロ初勝利を記録。23年にトレードでロッテ移籍。今季は44試合に登板し4勝0敗、防御率1.25。通算166試合で7勝2敗1S、防御率3.38。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。既婚。来季年俸4000万円。背番号40。

(サンスポ)

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