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今、自分が出来ること。やれること。それを精一杯やっていかなくちゃ!!

コラム記事【4/30~5/4】

2024年05月04日 08時03分47秒 | マリーンズ2024
≪4/30≫


ロッテOB清水直行インタビュー 前編
今季の佐々木朗希について

 今季、ロッテの佐々木朗希は4試合に先発し、2勝1敗、防御率2.08(4月29日時点、以下同)。QS率(クオリティ・スタート率。先発投手が6回以上を自責点3以内に抑えた場合に記録される)は75.0と及第点のピッチングを続けている。
 長らくロッテのエースとして活躍した清水直行氏に、ここまでの佐々木のピッチングや昨季との違いについて聞いた。

【過去4年と「別人」な部分とは?】

――今季の佐々木投手のピッチングをどう見ていますか?

清水直行(以下、清水) 4試合とも球数は100球前後で、2試合目以降は7イニング投げています。球数やイニングに関しては先発ピッチャーとして順調だと思います。

 あと、いい・悪いは別として、過去4年と比べると「別人が投げている」と言ってもいいくらい違います。出力を抑え、真っすぐは150km台中盤(平均球速155.2km)でスライダーが多めですね(約22%)。

――技術的な部分はいかがですか?

清水 技術的な部分で見るべきポイントは、真っすぐの球速と球質、それとフォークボールの3つだと思います。

 まず真っすぐの球速は、先ほども話したように出力を抑えていますが、「1試合100球以上」の球数で、ローテーションを守って1年間投げ切るための取り組みでしょう。僕の憶測ですが、昨季までは105球ぐらいまでが上限だったのが、今季は115球ぐらいまでと見ているんじゃないかと。120球だとちょっと多いと思うので。
 
 ふたつ目のポイントである真っすぐの球質ですが、僕はここが一番の問題だと思っています。出力を制御していることが影響しているのか、今季は投球フォームがよくない。それが、球質にも影響しているでしょうから。

――どういった部分がよくないのでしょうか?

清水 150km中盤のボールでもバットに当てられることが多く、140km台のフォークボール(平均球速142.6km)も簡単に見極められたりしているので、バッターからボールが見やすくなっているんだと思います。ボールが手から離れる時に左肩が落ちて一塁側に倒れていますし、体が早く開いてしまっているので、ボールの出どころが見やすくなっているはずです。

【今季の佐々木の課題】

――なぜ、そうなってしまっているのでしょうか?

清水 今季からスライダーを多投していることが関係しているかもしれません。縦ぎみに変化させるスライダーも投げていますが、縦の変化(フォークボール)を主体としてきたピッチャーが、それまであまり多くなかった横の変化の軌道をイメージすると、体が早く開いてしまうのかなと。

――ボールの見やすさに関わるとなれば、体の開きは直したほうがいい?

清水 あれだけのボールを投げていてもバッターに見切られているので、直したほうがいいと思います。ベンチから見ている小野晋吾投手コーチがどう感じているかわかりませんし、実際にバッターボックスに立ったわけではないのではっきりとは言えませんが、僕の見立てではやはり直したほうがいいんじゃないかと。

 投球フォームもそうですが、佐々木にとって何よりも大きな課題は「シーズンを通してローテーションを守り、規定投球回(143回)に到達すること」。今季にそれを達成したら、それを何年続けられるのか。結局、先発としての評価はそこです。それを果たすためには、やはりピッチングを覚えていかなければいけないと思います。

――具体的に、どんなことを覚えなければいけないでしょうか。

清水 真っすぐとフォークでガンガン投げていたのを、出力を落としてスライダーも交えたピッチングスタイルになり、以前のように三振を狙わなくなっています。実際に奪三振率も下がっていますしね(奪三振率9.35。昨季は13.35)。「そうしなければ体力的に1年間は投げられない」と考えて取り組んでいると思うのでいいのですが、たとえばインコースをしつこく攻める場面や、変化球などでかわす場面など、状況判断を的確にすることも必要です。
 
 また、右バッターに対しては、外一辺倒ではなくインサイドを"狙って"投げることも必要です。ここまでは、左バッターのインサイドには強い球を投げられるのですが、右バッターのインサイドにはあまり投げられていない。そこも課題だと思います。

【「1イニングでも長く」という意志が見える】

――3つ目のポイント、フォークボールについてはいかがですか?

清水 出力を落としたことによって落ちが悪かったり、それを拾われたりするケースが目立ちます。(4月23日の)ソフトバンク戦では近藤健介をはじめ、何人かのバッターに拾われていました。落ちが悪いフォークボールは、バッターからすると打ちごろの半速球になってしまいますし、痛打されるケースが増えるのかなと。

 しかし大前提として、先発の役割は十分に果たしています。QS率もそうですし、成績的には2勝1敗ですが、全試合勝っていてもおかしくない内容でした。佐々木の場合は、投球の次元が違うので周囲が求めるレベルも高いということですね。

――清水さんは以前、佐々木投手が6、7回に交代する際の吉井理人監督や投手コーチとのやりとりで、「『ご苦労さん』と肩を叩かれて、素直に交代しているように見える」と話していました。今季はいかがですか?

清水 今季は、1イニングでも長く投げようという意志が見えますね。昨季までは球数制限があって、本人も「このあたりで終わりだな」とわかっていたから、「今日はここまで」と言われた時に「やっぱりな」という感じだったと思います。

 しかし今季は、球数の上限を増やしているはずなので、たとえば6回終了時に「球数がまだ残っている」とわかれば、集中力を切らさずに続投する気構えでいる。そこは昨季と明らかに違う部分です。

 繰り返しになりますが、先発ピッチャーとしての評価の基準のひとつは、規定投球回に到達したかどうか。球速や奪三振率は彼の魅力ですが、本人は先発登板の回数を増やし、規定投球回に達することを優先していると思います。バッターの調子にも左右される勝敗数などよりもわかりやすいテーマですよね。今季のピッチングを見ていると、その部分に注力していることは明白ですし、今後も注目していきたいです。

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ロッテOB清水直行インタビュー 後編
議論を呼んだ継投について

 4月28日の楽天戦に勝利するまで7連敗を喫するなど、チーム状態が不安定なロッテ。連敗の発端となった4月19日の日本ハム戦では、終盤の継投策についてファンの間でも意見が分かれた。
 3-1と2点をリードして迎えた7回、先発のC.C.メルセデスから3年目の八木彬に交代。八木はフランミル・レイエスにソロ本塁打を許し、その後も連打を浴びて同点に。9回には、横山陸人が押し出し四球を与えてサヨナラ負けを喫した。
 ロッテOBで、2018年、19年にロッテの投手コーチを務めた清水直行氏は、その継投をどう見ていたのか。

【なぜ勝ちパターンのピッチャーが足りなかったのか】

――議論を呼んだ日本ハム戦では、いわゆる"勝ちパターン"のピッチャーを起用せず、試合後に吉井理人監督は「今日は勝ちパターンのピッチャーで何人か使えない投手がいたので。あと、ブルペンも若い子を育てていかなければいけない」とコメントしました。清水さんはどう見ていましたか?

清水直行(以下、清水) 八木を起用したことに言及するのであれば、「八木には荷が重かったかな」という話になると思いますが、僕が疑問に感じているのはブルペン陣の運用プランです。

 前日は試合がなく、この日本ハムとの3連戦は週末の3連戦だったので、月曜日の22日も試合がなかったですよね。それで「勝ちパターンのピッチャーで何人か使えない投手がいた」という状況になるのが疑問だったんです。6連戦や9連戦で日程が詰まっていた、シーズン終盤でリリーフ陣が登板過多になり肩に違和感がある、といった状況でもなかったでしょうし......なぜ勝ちパターンのピッチャーが足りなかったのかと。

――同試合でベンチ入りしていたのは、八木投手と横山投手のほかに、8回に登板した澤村拓一投手、西村天裕投手、中村稔弥投手、澤田圭佑投手、二保旭投手、国吉佑樹投手でした。今季11試合に登板し、無失点を継続している鈴木昭汰投手はベンチから外れていました。

清水 ブルペン陣の顔ぶれを考えると、経験と実績で劣る八木をあの場面で登板させたのは、期待の表れであり、現場での評価に基づいての判断だったと思うんです。「成長してほしい」という期待を込めての起用だったのでしょうが、裏目に出てしまいましたね。

 それと、たとえ打たれるにしても、"誰が打たれるか"というのはすごく大事だと思います。

――たとえば、リードした試合や同点の試合終盤で投げることが多い、西村投手や澤田投手(ともにひとつ前の登板は4月16日の西武戦)らが打たれるのとでは意味合いが違うということですか?

清水 そうですね。西村や澤田が打たれても、チームは「仕方がない」となるでしょう。また、「この試合は絶対に勝ちにいくんだな」という指揮官からのメッセージが野手に伝わります。それは昨季の実績、現状のピッチャーたちのポジションによるもので、野手やチーム全体もそれを理解しているはずなので。

【重要な「勝負所の見極め」】

――4月19日の日本ハム戦での八木投手は、7回の1イニングを投げて2失点でした。

清水 レイエスに打たれたソロ本塁打は仕方がないとして、その後に繋がれて同点にされている。結果論にはなりますが、追いつかれる前に手を打つべきだったかもしれません。ただ、今季は「ひとりのピッチャーが1イニングを投げ切る」という形でやってきているので、イニングの途中で交代させる準備をしていなかったのかもしれません。そこは、現場を見ているわけではないのでわからない部分です。

 監督や投手コーチは、「このピッチャーをこの試合のここで」とか「この日は休ませて」などといったプランを立てていると思います。でも、ペナントレースは"生き物"なので、プラン通りにいかないことも多々あるでしょう。

――プランの遂行も重要ですが、一方で勝負所の見極めも重要?

清水 勝負所は、前もって設定できるものではありません。「長いシーズンの1試合」と思っていた試合が、シーズン終了後に振り返った時、「あの試合が勝負所だったな」となることも多々あります。なので勝負所の見極めは重要ですし、そういう場面だと思ったらシーズンの序盤であっても、プランを崩して同じ投手を3連投させることもあってもいいのかなと思います。

――吉井監督は日本ハムに3連敗した試合後、「この流れを作ってしまったのは、初戦(19日)の私の継投ミスからだと思う」と話していました。

清水 確かに、悪い流れを作る采配のひとつになってしまったのかもしれません。それと、9回に登板した横山が先頭の清宮幸太郎に二塁打を打たれ、その後に犠打で一死三塁とされた場面。申告敬遠をふたつ出して満塁策をとりましたが、結果は押し出しでサヨナラ負けとなりました。塁を埋めて満塁にすることで野手は守りやすくなりますし、策としてはアリだと思っていましたが、一度相手に傾いた流れを取り戻すのは大変です。

―― 一方で打撃陣に関してですが、チーム得点数68はリーグ5位と得点力不足に陥っています。また、開幕から全試合で先発出場しながら、打率.184、出塁率.215と不振にあえいでいた中村奨吾選手を、4月27日の楽天戦のスタメンから外しました。

清水 中村に限らず、調子が上がらない選手を外す決断をするのであれば「そろそろ......」という時期にさしかかってきましたからね。各チームとの対戦がちょうどふた回りする頃で、今季の選手たちの状態を把握できる時期ですから。

 近い将来を見据えて若手を我慢して使い続ける、といったこともひとつの方向性なのかなと。ソフトバンクでいえば、今季に育成から支配下に登録された川村友斗、緒方理貢、仲田慶介といった若手を一軍のベンチに入れて経験を積ませています。

 ロッテでいえば、友杉篤輝や上田希由翔らがスタメンでの起用に応えてどう成長していくか。戦列に復帰したばかりの安田尚憲がどんな活躍を見せてくれるか。さらに、右膝蓋骨骨折で離脱中の藤原恭大や、右肩の故障明けの髙部瑛斗の復活にも期待したいですし、今後どのようにチームを立て直していくかに注目したいと思います。

文=浜田哲男

【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)
1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

  • 浜田哲男 (はまだ・てつお)
    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
(以上 Sportiva)

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≪4/30≫


 「5イニング投げられるとはあんまり思っていなかったので、大谷コーチに感謝しています」。

 ロッテの育成2年目・吉川悠斗は29日のオイシックス戦、公式戦2度目の先発でプロ入り後最長となる5イニング、71球を投げ、3安打、2奪三振、3与四球、1失点に抑えた。

 前回先発した4月21日のヤクルト二軍戦から中7日を空けての先発となったが、「特にピッチングもしていないですし、大谷コーチからは調整は先発みたいにするんじゃなくて、中継ぎと同じようにしてみようかということだったので、特に変わったことはなかったです」とリリーフと同じような調整で先発のマウンドに上がった。

 「ピッチング内容的にも要所を抑えて1失点という感じだったので、結果を見たらいい感じかなと思うんですけど、内容を見るとあんまりという感じでした。修正をもっとしていかなきゃなと思います」と、プロ2度目の先発で5回を1失点に抑えたが、投球内容については反省した。 

「先頭の安打、四球というところで、基本的にランナーを置いての投球があったというのと、ヒット、ヒットで連打を止められなかったというのが失点したときにあった。ヒット1本打たれても次を抑える気概というか、そういうスタンスでいけたらなと思います」と振り返ったように、失点した4回は先頭からの連打と四球で満塁のピンチを招き、遊併の間に三塁走者の生還を許した。

 また吉川は「高校生以来5イニングを投げて、だいぶ体力も最後の方もバテ気味だった。体力をつけなきゃなというのもありましたし、無駄な四球、安打を減らしていけたらなと思います」と課題を口にした。

 「バテるというのもあるんですけど、イニングの間、攻撃している時の使い方、休憩するんだったら休憩するし、体を動かすんだったら動かすというメリハリをつけて、次のイニングに繋げられるような時間にしたいなと思います」。前日5回を1失点に抑えた投手とは思えない程、反省の言葉を続けた。

 今後に向けては、「先発をやるんだったら、二軍でローテーションを回れるくらいのピッチャーにならないといけないですし、そのためには5回で疲れたといっているようではダメ。しっかり完投できるくらいのピッチャーにならなきゃなと思います」と、力強く話した。

 「一軍で投げるのが目標ではありますし、それが最終的な目標になるとアレなんですけど、今はとりあえず、支配下に上がって二軍で回って一軍でも投げるという感じでだんだん上に上がっていけたらなと思います」。まずはファームの先発ローテーションで投げられるように、課題と向き合いさらにレベルアップをしていく。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪5/1≫


 「先発をすることに、とても興奮をしている。投げるのが楽しみだよ。フォームを中心にしっかりと見直して調整をすることが出来た。とてもいい状態で投げることが出来る。本当に楽しみだしエキサイティングだ」。

 ロッテのジェームス・ダイクストラが18時から行われるオリックス戦で来日初先発する。

 ダイクストラは12年間マイナーリーグ、独立リーグでプレーし今季からロッテに加入した33歳の右腕。4月4日のソフトバンク(みずほPayPayドーム)で来日初登板を果たし、2回・50球を投げ1失点に抑えた。1-7の5回無死一塁で栗原陵矢に2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた135キロスプリットが良い落ちで、1-7の6回一死走者なしで周東佑京に投じた初球の122キロ見逃しのカーブが良かった。

 同日のソフトバンク戦は3万8969人のファンがみずほPayPayドームに集まったが、ダイクストラは「自分の人生で初めてドームで投げたんですけど、本当にすごいお客さんの歓声で雰囲気よく投げられました。ベネズエラのウインターリーグでも投げたんですけど、その時のお客さんとは比べ物にならないくらいなので、いい経験ができた。とてもいいドームだったなという印象です」と振り返った。 

 レフトスタンドのマリーンズファンからの応援には「レフトから大声援が聞こえましたし、ああいう応援というのは日本独特なものだと僕は感じました。すごいいいことだなと。チャンスの時も一体となって声援してくれるし、僕のコールもしてくれた。すごくいいなという気持ちでいっぱいでした」と感謝した。

 4月5日に一軍登録を抹消されてからは、ファームで1試合に登板。4月20日のヤクルト二軍戦では5回・59球を投げ、3被安打、2奪三振、無失点。「ファームに降格になって、ファームで過ごしている時間帯、しっかり調整して、真っ直ぐも球速を上げるように練習してきたので、その成果が出たかなと思います」。この日は序盤から力強いストレートを投げ込み、2回まで投げた17球全てストレート、3回に初めて変化球を投げたが、3回まで32球中29球がストレートというパワーピッチングだった。「全体的に全て持っている球種をしっかり調整して下で投げ込んできた」と、スライダー、カーブ、スプリットといった持ち球にも手応え。

 「しっかりと任された試合は試合を作って、長いイニング投げられるようにチームに勝ちがつくような投球を心がけてマリーンズファンのために頑張りたいと思います」。ファームで取り組んできたことをしっかりと一軍のマウンドで発揮し、来日初勝利を手にしたいところだ。

(ダイクストラ投手通訳=千葉ロッテマリーンズ・矢嶋隆文通訳)

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪5/2≫


 「一軍に行きたい気持ちも強いですけど、まず一軍で活躍できるようにならないといけないので、そういうふうにできるようにファームで自分の感覚を作り直して、一軍で戦える状態に持っていきたい」。

 ロッテ・髙部瑛斗は現在、一軍を目指しファームで技術を磨いている。

 髙部は22年に盗塁王、外野手部門最多得票でゴールデングラブ賞を受賞したが、昨季は開幕前の3月9日に『右肩甲下筋肉離れ』と診断され、開幕直後の4月29日に『右肩甲下筋損傷』で離脱し、9月1日に『第一肋骨切除術』と故障に泣いた1年だった。

 完全復活を目指す今季に向け、「実戦をやってみないと新しい感覚が出てこないと思う。新しい感覚を常に求めて、2024年だけじゃなく続けてやっていきたい」と意気込みバットを振ってきたが、練習試合の打率は.156(32-5)、オープン戦も打率.000(8-0)で、開幕は二軍スタート。 

 「バッティングは本当にまだまだ良くない。基本に戻ってイチからやらなきゃいけないなと思います」。ファームでもここまで27試合に出場して、打率.223(112-25)。コンスタントに安打を放っているが、3安打以上は1試合もなく、複数安打も5試合と、“固め打ち”が少ない。髙部本人も「固めたいです、そこだけです」とポツリ。

 石垣島の春季キャンプの時に、新しい感覚を作っていきたいと話していたが現在はどのような状況なのだろうかーー。

 「1個良いものが出ても、1個、2個悪いのが出てくるので、そこは調子が良くない時の特徴。調子とかを考えず、技術をもう1回作り直さなきゃいけないという段階です」。

 自身の映像を見たり、打撃コーチと相談しながら取り組んでいるのだろうかーー。

 「そうですね、相談とかもしていますけど、自分の感覚が一番しっくりきていないので、そこをちょっと擦り合わせないといけないなと」。

 日々良い形を求めてバッティングでは試行錯誤しているが、武器である走塁ではイースタン・リーグトップの10盗塁、“1つ先を狙った走塁”を披露している。

 4月23日の楽天二軍戦では1-0の5回に四球を選ぶと、続く茶谷健太の初球、捕逸で二塁へ進み、1ボール2ストライクからの4球目には投球モーションを完全に盗み三塁盗塁成功。茶谷の二塁ゴロで、楽天内野陣は前進守備を敷いていたが、俊足を飛ばしてホームイン。髙部の“足”で1点を奪った。

 「うちのチームがそういうチームなので求められているところもあるので、そういうのをやってみようかなというところでやった感じです」。

 守備でも2月の練習試合から指名打者での出場が続いていたが、3月22日のヤクルト二軍戦で初めて外野の守備につくと、現在は二軍戦で主にセンターを守る。

 外野の守備について「1年間できなかったので、狂いとかは多少ありますけど、試合数も重ねて感覚も良くなっている」とし、右肩も「ほぼ痛みなくできているので、あとは少しずつ強度を上がっていってくれればなという感じです」と語った。

 4月7日の西武二軍戦では、3-3の10回一死二、三塁で滝澤夏央が左中間後方に放った打球を前進守備していた髙部が背走し最後はダイビングキャッチ。抜けていれば2点のところを犠飛の1点に防ぐスーパープレーだった。

 走塁、守備ではらしさを発揮している。あとはバッティングの状態をあげていくだけ。自分の形を見つけ、髙部の調子のバロメーターのひとつである“固め打ち”する試合を増やしていきたい。

取材・文=岩下雄太

(ベースボールキング)

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≪5/3≫


 「きょうは初回から声を出して投げていたね」。ベンチから見守る指揮官にも開幕投手を務めた男の気迫が伝わってきた。7連敗をして迎えた本拠地ZOZOマリンスタジアムでの4月28日のイーグルス戦。先発の小島和哉投手が7回を投げて被安打5、1失点に抑えると打線は15安打、10得点の猛攻。連敗は止まった。気迫あふれる投球でチームを引っ張った。それは試合前から決めていたことだった。

 「声を出していこうと決めていました。やっぱり負けているときって、どうしてもシュンとしてしまう。だから気持ちから入ろうと。淡々と抑えていくのではなくて見せかけでもいいから、そういうのも出していこうと思っていました」

 試合後の小島がそう明かしてくれた。7連敗を喫した前日27日。トレーナー室で治療を行いながら部屋に設置されているモニターで試合の行方をじっと見守った。ゲームは中盤までリードしながらも終盤に逆転負け。試合が終わると車に乗り、帰路に就いた。ハンドルを握りながら考えた。「どうやったらこの流れを変えられるのか?」。行きついたのがグラウンドの真ん中で投げる自分のマウンドさばき、立ち振る舞い。「空元気でもいいので、自分が率先して声を出して元気を出してやっていこうと思いました。それが運転しながら行きついた答え。決めたことでした」と話す。

 前回登板となった4月22日のファイターズ戦(エスコンフィールド)は7回2失点で敗戦投手。「自分の悪いところが出た。際どいところを狙って、カウントを悪くしたり、球数が多くなったり」と反省多き試合となった。

 「先制をされちゃいけないとか、1点もやってはいけないという思いがあると、どうしても窮屈になってしまう。だから1点はいいとバッテリーで話をしました。1アウト三塁の場面でも1点もやってはいけないと思うのではなくて、まずはしっかりと次のアウトを取る。そのことに集中しました。とにかくアグレッシブにグイグイいこうと」(小島)

 2023、24年と2年連続で開幕投手を務めるなど吉井理人監督から高い期待をかけられる男は前日にしっかりと頭を整理しイメージをつくり上げマウンドに上がり、結果を出した。「しっかりと投げてくれた。ストライク先行でチームを引っ張る投球だった」と指揮官も目を細めた。マリーンズは残念ながら4月を月間負け越しと想定外の苦しいスタートとなった。ただ、シーズンはまだ始まったばかり。下を向いているときではない。ここから上に上がるのみ。背番号「14」は、これからも気迫の投球でチームを引っ張っていく。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

(千葉日報)

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≪5/3≫


 開幕から12戦連続無失点中のロッテのリリーバー左腕・鈴木昭汰投手(25)が2日までにスポーツ報知の取材に応じた。20年ドラフト1位で入団し、今年はプロ4年目。今季からパドレスに移籍した松井裕樹投手直伝のフォークにも挑戦中だ。急成長を遂げた左腕が、好スタートの勢いそのままにリリーフ陣をけん引する。(取材・構成=竹内 夏紀)

 覚醒の予感を漂わせる。鈴木は今季、開幕から12試合連続無失点で計15三振を奪うなど、上々の滑り出しを見せている。

 「今年が始まってからは毎日が必死で『1日1日の勝負』という気持ちでやっている。なので、この結果を残してホッとしてるわけでもないし、『焦ってる』というのもまた違う表現ですけど。昨日は昨日、今日は今日、そういう気持ちの切り替えが、抑えていることによってうまくいってる。三振も狙ってるわけではないけど、いい時は三振が取れている。1つ調子のバロメーターとしては見てますね」

 吉井監督も「直球を思うように投げられている」と指摘するように、本人も好調の要因に直球の制球力とメンタル面を挙げた。

 「まっすぐの制球力だったり、変化球の精度が上がってきてるので、そこは1つの要因かなと思うのと、自分の中で投げる前にしっかり頭の中を整理して、何が起きても慌てずにという、余裕を持って投げられている。やっぱり最悪の想定をしておかないと、最悪の時が起きた時に想定外になってしまう。先頭を出した場合とか、チャンスならここに回るとか。頭で考えるだけで、いざマウンド行った時に少し落ち着ける。嫌なことを想像するわけではなく、最悪なことを最悪にしないように考えてます」

 年始にはパドレスに移籍した松井に弟子入りし、自主トレを共にした。チームメイトで前楽天・美馬の紹介で実現。子供時代から憧れる左腕との貴重な時間を過ごした。

 「今年の1月に初めてやらせてもらいました。左ピッチャーの中継ぎでパッと最初に誰もが思い浮かべるピッチャー。しかも中学校時代からずっと目標にしてたピッチャーだった。投球スタイルを真似したりとかもして、近づきたいと思ってやってきたので、自主トレでもすごい僕の感覚と合っていた。松井さんからもらうアドバイスがすごく体現しやすかった。なんか自分の中で『ああそういうことか!』っていう実感がありましたね」

 これまで変化球の持ち球はスライダー、ツーシームだったが、今年は松井から直々に教わった新球種フォークにも挑戦している。

 「やっぱり、真っすぐ、スライダーの他にもう1個武器が欲しかった。僕の課題は変化球でもあったので、フォークがあるだけで違う。(松井さんには)順を追って細かく教えてもらい、自分の感覚と照らし合わせました。あの人のフォークをあの人のように投げることはできないので、感覚、コツを参考にさせてもらってます。(握り方も)そのままそっくりやるのではなくて、動画を見て、もう少しこっちかなとか色々考えた。今は試合で結果を求めながらになるので、進行は少し遅いですけど、フォークは練習中です。それをモノにしたいなと思ってるんですけど、まだまだですね。モノにできたら、もう少し良くなると思いますね」

 法大から20年ドラフト1位で入団。茨城・土浦市出身の巨人ファンで、小学生の時にプロ野球を初観戦した時から、プロ野球選手を夢見てきた。

 「小っちゃい頃、混ぜてもらって楽しかったから野球を始めた。初めて小3か4の時にプロ野球を(球場で)見て、ここでやりたいなと思いました。関東だったので、マリンは1回くらいしかなくて、ほぼ東京ドームに見に行っていた。生で見ると違うじゃないですか。それがすごくかっこいいなって思って、それからずっとプロになりたいなと思っって毎日やってましたね」

 入団当初は“招き猫投法”の元ロッテ・成瀬善久氏をほうふつさせるフォームで話題となった鈴木だが、実は犬派だ。昨年から実家で飼い始めたゴールデンレトリバーのごん汰(1歳7か月)にメロメロ。今春には、実家の庭を“ドッグラン”に改造するほどの溺愛ぶりだ。

 「今年の9月で2歳になります。たまに送られてくる動画とか見て癒やされています。まあ~、かわいいっすよ。(実家の庭がドッグランに?)ドッグランというか、芝生を張り替えて、あとは飛び降りると危ないじゃないですか、腰とか悪くしたら。なので、段差を無くせるようにウッドデッキを作りました。(親孝行?)いや、“犬孝行”ですよ。(実家に)帰る理由が見つかりました(笑い)」

 ◇鈴木昭汰(すずき・しょうた)1998年9月7日、茨城・土浦市生まれ。25歳。小1から野球を始め、土浦霞ケ浦ボーイズで中3夏に全国大会準優勝、ジャイアンツカップ3位。U―15日本代表。常総学院高で甲子園に3度出場し、法大ではリーグ戦通算3勝5敗、防御率3・01。2020年ドラフト1位でロッテ入団。21年4月25日、ソフトバンク戦でプロ初勝利。座右の銘は「不動心」。175センチ、80キロ。左投左打。

(報知)

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≪5/3≫


ゴールデンウイークも後半に差し掛かり、5日にはこどもの日を迎える。それにあたって4月20日に第1子が誕生したロッテ・西村天裕投手(30)に、自身の幼少期の思い出や新米パパの子育てについて聞いた。

西村少年は「野生児」だった。小学生時代は学校が終わり家に帰ると、近くの山中にある神社で友達と鬼ごっこをやる日々。「もう本当にワンパク小僧で時間がある限りは鬼ごっこをやっていたと思います。あとガキ大将だったなと思いますね」と当時を振り返る。

父・文宏さんも母校の県和歌山商高で球児だったこともあり、小学2年から岡崎スマイルズで野球を始めた。他にも書道や水泳を習っていたという。夕方になると宿題をこなしてから、電柱のライトがついている下で父と素振りをやるのが日課。素振りをするたびに厳しい目線で父に「違う」とスイングについての駄目出しを言われ、泣きそうになりながらひたすらバットを振っていたのはいい思い出だ。そのかいもあって、5年時には「4番・捕手」で県大会優勝を成し遂げるまでになった。

和歌山市立東中ではコーチからの勧めで投手に転向。憧れは西武で活躍していた松坂大輔だった。「めちゃくちゃ投げ方はまねしていました。テレビで録画したやつをみて、やっていたと思います。上原浩治さんや田中将大さんとか、いろんな投手の投げ方はひと通りどれが自分にあっているか試しました」。小さい頃からテレビはいつもプロ野球の試合。父と一緒に見ていた時間が今につながっている。 

今年4月20日。第1子の男の子が誕生し、父となった。シーズン中なこともあってなかなか会う機会は少ないが、毎日ビデオ電話して癒しの時間となっている。「ほとんど寝ているのですが、本当にかわいいです。妻に似ているところもありますし、僕にも似ている部分があるよねってよく話をしています」。そこには幸せそうな表情があった。

チームの先輩で3人の子を持つ益田からは「他人に迷惑をかけないようにしなさい」と子どもによく伝えていると聞いた。それを受けて「僕もそれだけは伝えたいなと。両親からはあいさつと返事だけはしっかりとしなさいとよく言われていましたね」と教えを思い出した。

夢がある。物心がついたときに野球をやっている姿をみせることだ。「しっかりと鮮明に覚えててくれるまではやりたいなと。それは(プロ野球人生の)通過点でもあります。(息子に)野球をやらせたいというのはないですが、やりたいって言ってくれたらうれしいですよね」。父から教わった野球の世界。今度は父としてかっこいい姿をみせる。(森祥太郎)

(サンスポ)

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 「エラーもあって、バッティングもそんなに打てている方ではない。これからどんどん日々成長していって、いい結果を残せるようにやっていけたらいいなと思います」。

 ロッテの育成2位・松石信八はファームでここまで打率は.145、6打点、失策も10と課題はあるが、開幕からショートでチーム最多の27試合に出場するなど経験を積んでいる。

 打撃面ではイースタンリーグトップの9犠打をマークし、4月6日の西武二軍戦、4月16日のオイシックス戦で1試合に2つの犠打を決めた。打ち取られても打席内で粘ったり、右方向に進塁打を打ったりしている。 

 「小技を使える選手にならないと生きていけないと思っています。バント、エンドラン、チームプレー、サインプレーはきっちりやっていけるような選手になりたいと思っているので、そこは大事にやっていっています」。

 打率こそ1割台ではあるが、4月13日の楽天二軍戦、4月17日のオイシックス戦で2安打し、3日の巨人二軍戦でも適時打を放つなど、徐々にプロの球に対応してきているように見える。

 「タイミングの取り方、トップの作り方、打撃フォームを打撃コーチに教えていただいて、少しずつなんですけど、打球が前に飛ぶようになった。そこはいいことかなと思います」。

 具体的には、「(プロの)球は速いので、タイミングが今まで遅れていていた。タイミングを早く取る方法だったり、ボールが来るまでの待ち方を教えてもらいました」と、プロの球に対応するための打撃技術を学んだ。 

みっちり守備練習

 試合が終わってからも、「試合後は守備の練習がメインなので、試合で出た守備の課題だったりそこを復習して、毎日積み重ねてやっているだけです」と守備力向上を図る。

 三木亮二軍内野守備兼走塁コーチ、小坂誠守備コーディネーターからどんな指導を受けているのだろうかーー。

 「ショートをやったことがなかったので、今は確実に1つアウトを取るところを丁寧に。雑にならないことを重点的にやっています」。

 4月3日の巨人二軍戦の試合前練習ではショートのポジションで長い時間、三木コーチが打つノックを受け、小坂守備コーディネーターが松石の後ろで動きをチェック。時折、小坂守備コーディネーターからアドバイスをもらう場面もあった。松石は昨年12月7日に行われた新入団選手発表会で「守備と走塁は小坂誠コーチのようなスピードのある選手になりたい」と憧れの存在でもある。

 小坂守備コーディネーターからどんなことを日々吸収しているのだろうかーー。

 「体のサイズ感も似たような感じ。動きとかも同じじゃないですけど、似た部分があるので、自分にあった指導をしてくれているので、そこはいいかなと思っています」。

 新入団会見の時に“スピードを活かしていきたい”と話していたが、今は松石自身の中でどのくらいできているのだろうかーー。

 「守備だったら球際の守備範囲を徐々に広げていけているので、練習でも左右に散ったボールを粘り強くやっていっている。少しずつという感じです」。

 高卒1年目からショートという運動量の多いポジションで実戦経験を積む。試合を出場するにあたって、「動けないと何も始まらないので、内野手として。そこの一歩目を速くできるようにダッシュ系だったり、体のキレを出せるように準備していますね」とのことだ。

 「チームが勝つことが一番。それに貢献できるように。サインプレー、バント、自分がやる仕事をきっちりできればいいなと。場面、場面で、そこが一番大事かなと思います」。高校を卒業したばかりの18歳。将来、支配下選手となって一軍でプレーするために、自身の武器を磨いていく。

取材・文=岩下雄太 

(ベースボールキング)
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