消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

大台突入 Part2

2007-04-23 22:33:09 | 消防・救急
昨日も10件。2当番連続2桁出場の大台に乗りました。

しかも昨日は病院から帰署途上に呼ばれてしまう2次出場、3次出場とほとんど署に帰れず。

報告書も6~7件と溜まってしまいました。


昨日は初めてづくしの1当番。

普段は機関員(運転)なのですが、いつも後ろに乗っている上司が昨日はお休み。

消防隊から1人補充で救急隊に回ってもらい、専任救急隊である私が後ろに乗ることとなりました。


後ろに乗るのは仮配属のとき以来。(しかもその時は上司と2人で)

正規の救急隊になって後ろに乗るのは初めて。主訴を聴取したりバイタル測定をするのも初。

そしてCPA(心肺停止状態)事案も初でした。


お昼頃、高齢男性の呼吸苦との通報内容。

資器材一式が入っているバック、携帯酸素ボンベが入っているバックと除細動器(電気ショック)を後ろで準備していたところに第2報が入る。

指令室『本件にあっては呼吸停止した模様。現在CPA状態。消防隊を増隊させてもよろしいか?』

救急隊『了解お願いします。』


現場到着後、隊長は観察開始。私は指示された資器材の準備。

心電図の波形を確かめるべく、除細動パッドを貼る。

波形はフラット。除細動の適応外波形。

間もなく消防隊も到着しPA連携活動開始。消防隊と協力してCPR(心肺蘇生法)を実施しながら、救命士である救急隊長は医師の指示を仰ぐべく救命センターへ連絡して医師の指示を仰ぐ。

救急車内へ収容し、隊長は気道確保すべく救命士に認められている特定行為を実施。(今回は器具を使った気道確保)

機関員は救命センターまで救急車を走らせる。

隊長と私は後ろでずっとCPRを継続。

同乗で乗ってきた奥さんは『お父さん頑張って』と今にも消え入りそうな声でしたが、ひたすら声を掛け続ける。


そして救命センターに到着。私達救急隊にできることはここまで。

医師に引継ぎ、隊長は医師にサインを頂くために処置室へ。

私と機関員で次の出場に備えるべく、資器材の後片付けと準備をする。


しばらくして隊長が戻ってくる。

活動記録表に書かれていた医師の診断は『心肺停止 死亡』。

残念ながら、再び心臓が動き出すことはありませんでした。



数ある出場の中にはこんなのもあります。救急に限らず火災や救助事案に対しても。

この間テレビで放送されていた、表向きの華やかさだけでは無い過酷な現実、人間の暗い部分に入っていかなければならないこともあります。

忘れるわけではありませんが、気持ちを切り替えて次の出場に備えなくてはなりません。


まぁ大体、こんな事案のあとは『これ救急車必要?』ってガックリ来るような事案なんですが・・・


明日はお休み。

前回の休みと同様、のんびりと(ダラダラと?)過ごすことにします