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ステージに雨を降らせる・・・-Rainin' on the Stage!

2005-01-19 14:48:31 | Michael 04-05 Anyting/Singin
「ステージに雨を降らせる」と口で言うのは簡単ですが、実際に降らせるためには、それなりの設備と準備が必要なんです。今回は、どうやってステージに雨を降らせるのかについてお話しましょう~~♪ (写真は、昨年(2004)12月のヒューストンの劇場での公演で、雨のシーンを演じているMichael君〔マイケル・グルーバー〕です。)

まず絶対に必要なものは、雨用の水を貯めておくためのタンクと、水(というかお湯)を雨のように降らせるパイプです。仕様は、個々の劇場によって違ってくると思いますが、ここでは、昨年(2004)12月に公演が行われたヒューストンの Theatre Under The Starsの設備をご紹介致します。

こちらの劇場には、250ガロン(1ガロンが約3.8リットルなので、約950リットル)貯水できるタンクが2個あります。雨用の水は、このタンクに汲み上げられます。
「雨」は、セットの上方に設置された2本の平行に走るパイプから降ってきます。1本はステージ前方にあり、1列に並んだ穴があります。これによって、セットの前面に雨のカーテンを作ります。もう1本のパイプはステージ後方にあり、シャワーから吹き出る水のように、セット全体に水を吹きかけます。ステージ上に降り注いだ水は、二重になった床の部分に集められ、再び、タンクに汲み上げられます。
ステージ上に雨が降るのは、ドンが雨の中で踊るシーンだけではなく、最後にキャストがそろって再登場する時にも降らせるのですが、最初のダンスのシーンだけで毎回 350ガロン(約1,330リットル)の雨が降り、再登場の時にさらに 100ガロン(約380リットル)の雨が降ります。
またタンクには水を温めるための装置が付いており、これによって華氏130度(摂氏だと54.4度)に温められたお湯が降るわけです。
(1994年のニュージャージー州ミルバーンにあるPaper Mill Playhouseという劇場での公演では、この装置が故障して、最初のテクニカル・リハーサル(技術的に問題ないかを確認するためのリハーサル)では、Michael君の上にとても冷たい大量の雨が降り注いでしまったそうです・・・! かわいそうなMichael君!)

雨の中で歌って踊るシーンのセットには、全て、屋外用の耐水ペイントが使用されています。またステージのビニール加工のダンスフロアは、すべりにくくするために、砂を混ぜ込んだ透明のアクリルビニール製のカバーで覆われています。今回の公演では、初演(プレビュー公演の)の晩にMichael君がすべって転んでしまったので、その後、新たにもう1枚カバーが追加されました。

Michael君: 「まるで、紙ヤスリみたいな感じなんだ。歩道に敷かれたカバーには、砂じゃなくってクルミの殻を砕いたのが混ぜてあるんだよ。車道の方には黒い砂が混ぜてあるんだけど、その方が、歩道には色が合うんでね。」 (Michael君のインタビューより)

映画だったら、失敗があっても撮り直せばいいだけなのでその点は気楽ですが、生のステージではそうはいきません。

Michael君: 「ダンスのステップ自体は、たいして難しくないんだけどね。それ以外の要素が問題なんだよ。車道や歩道と雨を降らせてるパイプの位置関係で、毎回、演技に微妙な影響が出てくるんだ。雨水の重さも、動きに影響を与えるしね。ついうっかり雨の勢いがいちばん激しいところを通っちゃったりすると、傘なんか簡単に壊れちゃうんだよ! ちょうど初演の晩に、壊れちゃったみたいにね。それに、僕が傘を投げあげて1回転させて受け止めるシーンでも、傘の動きが違ってくるんだよ。」 (Michael君のインタビューより)

このシーンは、前半のラストシーンで、前半と後半の間の休憩時間中に舞台装置の入れ替えが行われます。床のカバーも含めて大道具をどかすだけで10分かかり、その後、モップやぞうきんで濡れた舞台を拭かなくてはなりません。
また演じていたMichael君の方も、休憩時間中、わずか15分ほどの間に、髪を乾かして着替えなくてはならないので、とても大変です! Michael君の衣装は、撥水性の生地ではないので、毎回、全身がぐっしょり濡れてしまいます。このシーンで彼がつけているマイクは、濡れないようにカバーが取り付けられています。衣装は、すぐ乾くように、またシワになったり縮んだりしないように、薄いポリエステルで出来ています。1日に2回公演がある日用に、2枚の衣装が用意されました。

Michael君は、昨年(2004)12月の公演で、「Singin' in the Rain」に主演したのは5回目だったのですが、それについて、こう語っています。

「いつだって、とっても楽しいよ。最初の1週間を何とか乗り切れば、スタミナがつくしね。何でもあるがままに受け止めて、出来る限り楽しめばいいのさ。うまくいかなくて落ち込んだとしても、どうにか立ち直って、またがんばるんだ。初めてこの役を演じた時は、僕は28才だったんだよ。だから、僕にとっては、肉体的な挑戦でもあるんだ。40才になった今でも、ちゃんと演じられてるだろ♪」









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