ルフィは、海賊とサンジに突然話しかけた。 「よかったなーお前っ!!メシ食わして貰えてなー!!おいコック!!お前、仲間になってくれよ!!おれの海賊船のコックに!!」
このルフィの突然の呼びかけに、二人は興味を持って話を聞いた。
「へぇ、お前海賊なのか。何にしてもこの店に妙なマネしねぇこった。ここの店主は元々名のある海賊団のコックでね、そのクソジジィにとって、このレストランは『宝』みてぇなもんなんだ。」と、サンジは楽しそうにこのレストランの事を説明した。
サンジは、ルフィが何度仲間に誘っても、きっばりと拒否した。 「断る。おれはこの店で働かなきゃいけねェ理由があるんだ。」
ルフィはそれを断固断った。 「いやだ!!!断る!!!お前が断ることを断る!!お前はいいコックだから一緒にやろう!!」
その押し問答の最中、先程の海賊が話を割ってルフィに質問した。
「おれはクリーク海賊団のギンって者だが、海賊なんだろ?目的はあんのかい?」
ルフィは、さも当然といわんばかりに「おれはワンピースを目指している。グランドライン(偉大なる航路)へ入るんだ!!」と答えた。
するとギンは、深刻な顔で「グランドラインだけはやめときな。生き急ぐことはねェ・・・」と忠告したが、ルフィがそんな忠告を聞くはずはなかった。
ギンはサンジに小舟を出してもらい、クリーク海賊団の艦に帰る際、「サンジさん、本当にありがとう、あんたは命の恩人だよ。また食いに来ていいか?」と訊ねると、サンジは「いつでもこいよ」と笑顔で見送った。
その時、甲板の上でコック長の怒鳴り声が響いた。「コラ雑用小僧、そこに居たのか!!」
ギンは、恩人であるサンジが、自分を助けたことでコック長に叱られるのではと心配したが、サンジはギンが使った皿を海に投げ入れて「なーに・・・怒られる理由と証拠がねぇ」と笑ってみせた。
ギンは海賊船へと帰る小舟の中で、土下座してサンジに頭を下げて感謝した。
コック長はギンについては何も言わずに、ただ、サンジとルフィに仕事に戻るよう怒鳴るだけだった。
ギンと別れた「海賊一時休業、海上レストラン雑用ただ働き、モンキー・D・ルフィ」とサンジがレストランの接客に出ると、ゾロ・ウソップ・ナミが客として食事をしていた。
サンジはナミに一目ぼれし、ナミに愛の言葉をささやいた。
「僕は君となら海賊にでも悪魔にでもなり下がる覚悟が今できた。しかし、僕らにはあまりにも大きな障害が!!」
それを聞いていたコック長ゼフが口を挟んだ。 「障害ってのァおれのことだろう、サンジ。いい機会だ、海賊になっちまえ。お前はもうこの店にはいらねぇよ」
その頃、首領・クリークの元に戻った海賊ギンは、クリークに言った。
「案内します。海上レストラン『バラティエ』へ」
首領・クリークは、イーストブルー最強最悪の海賊、50隻の海賊船の船長達を総括する「海賊艦隊」の首領として名を馳せ、恐れられた存在だ。海上レストランに、嵐が吹き込む予兆であった。
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