アイスバーグの寝室に飛び込んだルフィとゾロは、そこにロビンの姿を見つけた。
駆け付けたパウリーは、そこに居並ぶ連中の顔ぶれと、床に倒れるアイスバーグさんの姿を見て愕然とした。
これではまるで、ガレーラの仲間達が、アイスバーグさんの暗殺に関わっているようだ・・・!!!
パウリーは仲間の名前を呼ぶが、返事がない。
ルッチが代表して答えた。
「パウリー、実はおれ達は政府の諜報部員だ。
突然で信じられねぇなら・・・、アイスバーグの顔でも踏んで踏んで見せようか!!?」
混乱したパウリーは「てめぇ・・ちゃんと喋れんじゃねェかよ!バカにしやがって!!!」と叫ぶと、得意のロープ技【パイプ・ヒッチ・ナイブス】をルッチに投げたが、ルッチは難なくかわすと【指銃(しがん)】でパウリーの体を突き刺した。
人差し指をパウリーの血で染めたルッチは、冷酷な目で言う。
「おれ達は人界を越える技を体得している。長い訓練を重ね、人体を武器に匹敵させる武術"六式"。これを極めた一人の強度は、百人力に値する」
そう言われても、パウリーの頭をよぎるのは楽しかった仲間との日々だ。
かつての仲間にやられた傷からぽたぽたと流れ落ちる血に、涙が混ざった。
悲しみに涙するパウリーを、ルッチは「悲しいが友よ、どの道消す命」と殺しにかかったのを見たルフィが、ルッチを止めに入った。
だが、ルフィの【ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)】がルッチにまったく効かないばかりか、一瞬で間合いを詰められ、首に【指銃】を突き刺された。
幸いゴムの為に突き刺された首はみょんと伸びただけで済んだが、ゴム人間でなければ即死だった。
ルフィは、隙を見てパウリーを救出して言った。
「おれはこいつと、アイスのおっさんを殺そうとする奴らをぶちのめそうと約束したんだ!!!
あと、ロビン!!!何でお前が政府の人間と一緒にいるんだ!!?出て行きたきゃちゃんと理由を言え!!!」
ロビンは険しい顔で、「私の願いを叶える為!!!あなた達と一緒にいても決して叶わない願いを!!!それを成し遂げる為なら、私はどんな犠牲も厭わない!!!」と声を荒げた。
ゾロが口を挟む。
「それで・・平気で仲間を暗殺者にし立てあげたのか?願いって何だ?」
何も答えないロビンに変わってアイスバーグが叫んだ。
「正気の沙汰じゃねぇ!!気は確かかニコ・ロビン!!!お前は自分が何をやろうとしているのかわかっているのか!!!!」
ロビンは怒りを顕にして「黙っていなさい!!!誰にも邪魔はさせない!!!!」とアイスバーグの腕をへし折った。
その顔は麦わらの一味が知るロビンではなく、ロビンが自分の意志で政府側についている事を思い知らされた。
後から駆け付けたナミはこのやりとりに絶句し、チョッパーは悲痛に叫んだ。
「本当にもう・・・敵なのか!!?ロビーン!!!」
ルッチが言う。
「あと2分でこの屋敷は全ての証拠と共に炎に包まれる事になっている。君達も速やかに屋敷を出る事だ。・・・まぁそれが出来ればの話だが」
それは"麦わらの一味"とアイスバーグ、秘密を知ったパウリーを殺して『CP9』活動の証拠を全て消し、事態を全て"麦わらの一味"の仕業に仕立て上げるという事だ。
ゾロが刀に手をかけながら、ルフィに聞いた。
「ルフィ、お前ロビンの下船にゃ納得できたのか?」
ルフィは叫ぶ。
「できるかァ!!!!!」
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