なんとかガレーラカンパニーの職人とフランキーから逃げ出したナミとルフィは、ガレーラカンパニー本社社屋の見える建物の屋根の上に留まって、次の行動について話しあった。
ルフィは、アイスバーグさんに直接会って、ロビンの事を聞き出してくる!と言うと、ナミの忠告も聞かずに飛び出していくと、大勢の人がいる社屋ビルの正面玄関上部のガラス窓を突き破って行ってしまった。
当然のことながら、暗殺者の強襲だと、社屋内は上へ下への大騒ぎであった。
その騒ぎはアイスバーグの寝室まで聞こえていた。
アイスバーグは秘書のカリファに頼んで、”麦わらのルフィ”をこっそりと部屋に引き入れ、二人きりにするよう頼んだ。
アイスバーグはルフィの正面突破を、話し合いに来たとわかっていたし、”麦わら”に話があった。
「昨夜、おれはニコ・ロビンをこの目で見た!!彼女はお前の仲間・・・、これが事実だ。
お前をここへ招いたのは、一つ頼みがあるからだ・・・、今からもう一度、ニコ・ロビンに会わせろ」
そう言ったアイスバーグさんの顔は本気で、ルフィはその気迫にたじろいだ。
ルフィは「・・・そりゃムリだ。ロビンの居場所がわからねェ・・・」と言ったところで、アイスバーグさんは持っていた銃をルフィに向けて撃った。
もちろんルフィは逃げたが、アイスバーグは落胆した。
「真相に近づけるかと、くだらねぇ希望をかけた・・・。」
アイスバーグに追い払われて、ナミの元に帰ってきたルフィは、アイスバーグが嘘をついていないことはわかった。
だけど・・・だけど・・・。
「おれは信じねぇ!!!」とルフィは険しい顔で言った。
その頃、ガレーラカンパニーを出たフランキーと双子の妹達は、行きつけの、ウォーターセブン中心街のブルーノの酒場に来ていた。
次の戦いに備えて、コーラの燃料補給が必要だったのだ。
フランキーがふと気づくと、パーカウンターではココロさんが避難ついでに飲んでいたので、フランキーも隣に座った。
ココロさんは「今日はアイスバーグと飲もうと思ってたんらが・・・撃たれたらしいね」とフランキーに聞いた。
フランキーは「らしいな。海賊の仕業だってんで、ガレーラの連中も町民もカンカンだ」と状況を教えたが、ココロさんの反応は違っていた。
「海賊の仕業?んががが、おめェ本気でそう思ってんのかい?
アイスバーグなら・・・ずっと世界政府に付きまとわれてんらろ?世界政府に・・・!!
闇の事件は『CP9』の仕業ら、知ってるかい、ブルーノ!!」と訳知り風だった。
パーの店主ブルーノは酒を継ぎながら「噂ぐらいは・・・」と言葉を濁した。
闇の組織『CP9』の存在は、まとこしなやかに噂で流れる事はあったが、市民の多くは実在するとは思ってはいなかった。
だがココロさんは言う。
「ばからね・・・実在するさ。らが姿は見せねぇ。闇を動く”暗躍部隊”らからね。
いつでも”うわさ”なのが怖ぇところさ。見つからずに人を消すんら、あいつらは。んがががが。」
と言ってまた酒を飲んだ。
いつも酔っぱらっているココロさんの言う事は、どこまでが本気なのかよくわからない。
ウォーターセブン裏町の人目につかない空き倉庫では、その『CP9』とニコ・ロビンが会っていた。
「昨日やるべき事に関しては、上出来だ」
ロビンは「わけないわ」と短く答える。
「大切なのは今夜!!もう一度アイスバーグの部屋に入る。
最悪の場合は全ての証拠を消しても構わん。
元々”それ”を持っていた『トム』という人物の弟子のうち、現在生きているのはアイスバーグ1人。
どこまでシラを切ろうとも、『CP9』の名の元に必ず今夜奪い取る。
これは正義の任務だと、心得ておけ」
と闇の男はロビンに命じた。
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