29話 坂道

ウソップ達が待ち構える村に入る坂道ではなく、奥まって人目につかない海岸に海賊が上陸したことを知った4人は、大慌てで場所を変えた。走れば3分。
だが、島の地理に疎いルフィとゾロは、目指す海岸へはなかなか辿りつけなかった。

その為ウソップは、たった一人で海賊団を待ち受けることとなる。



始めて見る本物の海賊襲撃、その圧倒的な数・・・。
ビビル気持ちを必死で抑えて、得意のホラで、ナミ達の船にあった5百万ベリーの宝を「それはおれの宝だぁ!!!だがくれてやるっ!!!」と言っても「おれには1億人の部下がいる」と言っても、海賊達は動じなかった。


ちょうどそこに懸けつけたナミは怒った。
「その船の宝は、私のものよ!!!」





ウソップは1人海賊達に襲い掛かり、石斧で頭をかち割られても、海賊の手を離さなかった。
「お前らを通す訳にはいかねぇ・・・・・!!おれはいつも通りウソをついただけなんだから!!!村ではいつも通りの一日が、始まるだけなんだから」


だが、ウソップの意気込みとは裏腹に、海賊達はウソップを横目に通り過ぎて、どんどんと坂道をあがっていく。
村に、カヤの元に行かせるわけにはいかないのに・・・・。


その時、坂道の上に進んでいた海賊達が大挙坂道を転がるように投げ飛ばされ、ウソップは驚いた。
見上げた坂の上にはルフィとゾロが怒りモードで立っていた。
ここに来るまでに、いろいろあったらしい。