むじな@金沢よろず批評ブログ

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アラブが民主化してイスラーム主義に流れるなら、日本だけが有利となる事実

2011-02-27 16:56:21 | 世界の政治・社会情勢
アラブ民主化の動きで米国・イスラエル・中国が当惑し、恐れを抱いている中で、ここは日本の出番だといえる。
米国やイスラエルが恐れている「イスラーム原理主義政権が登場する可能性」についていえば、むしろそのほうが日本だけにとって有利だ。イランがイスラーム原理主義化してから、西側諸国で唯一友好関係を保ったのは日本だ。日本には中東やイスラームに対する欧米のような偏見は薄い。
今回体制転覆やデモが起こっているところが、もし一斉にイスラーム原理主義政権になるなら、米国と中国はおよびではなく、日本だけが付き合えることになる。
ただでさえ円が強くなっている日本にとっては、そうなったほうがよい。
そうならなくても、アラブ世界が民主化すれば、反イスラエル、反米色が強まることは確実なので、日本にとっては有利である。
アラブ人は全体に親日である。それは正規軍が米軍基地を正式に攻撃できた唯一の国が日本だからであり、米国によって原爆を投下されて苦しんできた唯一の国が日本だからだ。

だが情けないことに、日本の大手新聞の編集幹部は、米国に洗脳されたアホが多いからか、アラブ革命を日本の国益と立場で考えずに、「米国が困っている」「イスラーム原理主義になったらどうなる」といった「米国の視点」でしか見ようとしないから、そうした報道が多い点が問題だ。
右翼とかネトウヨは日本の新聞を「マスゴミ」とか「売国新聞」と読んでいるわりには、その中身は「中国や朝鮮に売り渡している」というものであって、米国に日本を売り渡す売国行為については指摘しようとしない。(右翼とか保守って親米だからなw)
しかし現在のマスコミの売国は、中国や朝鮮にあるんじゃなくて、あくまでも米国の視点と立場で報道しているところに問題がある。中国経済を賛美する視点もそもそも米国発のネオリベの視点であり、米国の経済界が中国経済を賛美している尻馬に乗っているだけだからだ。

イスラーム原理主義の問題だが、社会が保守的なイエメンやリビアはともかく、社会の世俗化や女性の社会参加が進んだエジプトやチュニジアでは、女性が反米感情から個人の選択としてスカーフをまとうことはあっても、イランのようにそれを法的に強制されることに対しては、たとえ敬虔なムスリマであっても賛成しないのが多数だろう。
そういう意味では米国が「心配」し、日本の大手売国新聞もそれに同調する「イスラーム原理主義登場の恐れ」なるものは、存在しない。
もっとも米国などは、イスラームへの信仰そのものを「原理主義」と同一視する、どうしょうもない偏見というか勘違いをしているから、イラク戦争後に広がった反欧米感情からのイスラームへの傾斜を「原理主義」だとレッテルを貼っているだけなのだろう。
しかし、ムスリム同胞団しかり、ヒズブッラーしかり、イスラームへの敬虔さを自分たちの傲慢さへの反発が根底にあることを自覚できずに、それを「原理主義」などという色眼鏡でしか見れない欧米人の傲慢さこそが問題というべきだろう。

しかし、日本では一部米国に洗脳されたアホやマスコミ以外は、イスラームへの偏見はないか、薄い。これはまた日本にとっての好機である。

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