むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

「NHKは柯三を侮辱した中共史観」というウヨクは、台湾独立派学者の周婉窈と許雪姫を侮辱している!

2009-05-05 18:46:38 | 台湾言語・族群
ウヨクは二言目には、「柯三氏の言っていることの一部だけ使っているのは、中国共産党史観であり、中国共産党の意向に沿ったもの。柯三氏を侮辱している」といっている。しかし、番組は中国共産党や国民党とはおよそ相容れない台湾独立派学者として有名な周婉窈氏が登場し、許雪姫氏が監修に名を連ねている。おそらくウヨクは台湾について勉強不足だから、周婉窈や許雪姫がどれほど中国共産党とも国民党とも距離があるのか無知なのだろう。
しかし、周婉窈氏が登場し、許雪姫氏が監修している番組をとらえて「中国共産党史観」などと決め付ける日本のウヨクは、党外運動時代から活躍してきた周婉窈、許雪姫両氏を侮辱しているし、周婉窈、許雪姫両氏と史観が一致する民進党など現在の台湾主体性史観を侮辱していることになる。

このことを伝えたところ、あるウヨクは「民進党も国民党教育で中国人史観の影があるではないか」などと言い放った。それでいて「日本人はNHK番組を見て、批判的なところがあると反日だと受け取るのだから、まずい」という。

柯三が国民党政権にまったく抵抗しなかった一方で、党外や民進党など戦後世代の民主化勢力は、命をかけて体を張って抵抗してきた。それをも「国民党史観の影響を受けている」と指弾するのであれば、この人は台湾の民主化のために流れた血を何だと思っているのか?
しかも、彼のいう「日本人」が日本統治について批判的側面をいわれると「反日」だと錯覚してしまう誤りについて、日本人側のその偏狭さを問題にしないところもおかしい。
そうした日本人の偏狭な「親日」の定義をただすのが、日本にいる「親台湾派」の責任だろう。それでいて、今の台湾人が「国民党史観に毒されている」問題だけを指弾するのであれば、結局日本人がすべて正しくて台湾人が日本人の趣味や嗜好に合わせて矯正すべきだという傲慢な意識ではないのか?

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