むじな@金沢よろず批評ブログ

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韓国盧武鉉前大統領死去、背景に感じられる米国による「反米」政治家抹殺の意図

2009-05-23 13:05:29 | 韓国・北朝鮮
韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が23日朝、慶尚南道金海市にある自宅の裏山から飛び降りた。重傷を負い、病院に運ばれたが、同日午前9時30分ごろ、死亡した。62歳だった。短い遺書が残されているという。

ノムヒョン氏はクリーンイメージを覆すように、最近、汚職疑惑で捜査を受けていた。NHKはそれで追い詰められての自殺ではないかといっているが、それにしては状況が怪しい。

「登山で自殺」というのは、政治関連の謀殺でよく使われる手口だからだ。

もっとも、ノムヒョンは自殺しそうなナイーブさは持っているし、起訴を免れるために機先を制して自殺した可能性もある。
しかし、それにしては登山で死亡というのは、時期や前大統領であることを考えてもあまりにも怪しいシチュエーションだ。

しかも、「汚職疑惑」はノムヒョン個別の案件ではなくて、陳水扁が同じ時期に同じような疑惑で勾留されていることを考え合わせると、裏には両者を非常に嫌った米国、特に共和党系の陰謀めいた意図を感じる。

ノムヒョンと陳水扁は、民主化運動を主導した陣営による本格的なリベラル・自立志向政権をつくったという意味で、同じような意味を持っている。そしてその自立志向から米国とはしばしば対立し、それが特にブッシュ政権から蛇蝎のごとく嫌われ、政権末期に親米勢力からのバッシングを受け、さらに任期終了後には同じ「汚職」で訴追されるという同じ運命をたどった。
そういう意味では、米国の完全従属国家として戦後長らく反共独裁政権にあった韓国と台湾が、民主化以降にも米国の意向に反すると痛い目に遭うという米国の恐ろしい影響力と意図が、今回の「自殺」からうかがえる。
しかも米国の影響力を跳ね返すことにもつながった民主化の熱気とうねりが、冷めてしまった今となっては、韓国と台湾はしょせんは米国の保護国でしかないのかもしれない。

#ノムヒョンと陳水扁はあらゆる意味で相似形だった。だがおかしなことに、対日姿勢の違いだからか、日本の左右は、この両者の類似性を無視して、左はノムヒョンを評価するくせに、陳水扁を日本の右派ともつきあったとして嫌い(阿修羅アジアにいる児童小説が好例)、右のほうはノムヒョンを嫌って陳水扁を評価した。日本の左右に共通しているのは、韓国と台湾の背後にいる米国の意図と暗躍が見えていないところだ。
だから、ノムヒョン自殺を報じる産経新聞などは、あいかわらずノムヒョンを革新左翼勢力の頭目であるように書いている。ノムヒョンが左翼なら陳水扁はもっと左なのに。これは、韓国国内における線引きを鵜呑みにしたもので、産経新聞は実は典型的に日本人としての自主的な視点がない、韓国および台湾の守旧勢力の御用媒体というべきだ。


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