むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

これは北朝鮮(共和国)の日本文化好きの証明、問題にするほうがさもしい

2007-02-11 19:07:22 | 韓国・北朝鮮
久しぶりに北朝鮮(共和国)関連の話題。そういえば今日は紀元節で、あと5日後は敬愛する将軍同志の誕生日でもあるな(どちらも神がかっている点が共通)。今年はチュチェ96年で、中華民国とまったく同じ年数だから(どちらもフィクションなところが共通)すぐに出てくるんだが、そんなこんなでいろいろと覚えやすい国だw。
で、こういうことを書くと、またぞや、単細胞な反朝鮮の右翼が嫌がらせのトラバなどをしてくる、と。でも、トラバもコメントも承認制になっているから、無駄な攻撃なんだけどね。まあ、アホだから右翼なんかやっているんだろうけどw。

阿修羅という討論板でこういう話題が転載されていた:
「北、絵本パクリ→テレビで放送…その手口とは? (ZAKZAK)」
http://asyura2.com/07/asia7/msg/193.html
もと記事のURL
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007020710.html

元記事では、

>外貨獲得のため、米ドル、タバコ、バイアグラと偽物ばかりを輸出するアングラビジネス国家・北朝鮮。今度は日本への挑発行為といえる「絵本の盗用、改竄(かいざん)」を国家ぐるみで行っていたことが6日、分かった。著作権保護が叫ばれる昨今、堂々と絵本をパクって改竄した上、官製テレビで放送するという暴挙に、版権を持つ出版社も「初めて知った」と驚きを隠せない。
> 絵本が盗用されたのはポプラ社(東京都新宿区)が98年に発行した絵本「世界名作ファンタジー」シリーズの「ぶんぶくちゃがま」や「かもとりごんべえ」といった童話や昔ばなし。北は朝鮮中央テレビの児童向け番組の中で絵本を取り上げた。

>日本のテレビ各局に朝鮮中央テレビを引用した際の使用料を請求したという過去もあるというから、開いた口が塞がらない。

とあって、引用者も

> 韓国が「マジンガーZ」、「UFOロボ グレンダイザー」、「ガンダム」をパクッたと思ってたら(http://nandakorea.sakura.ne.jp/html/robot.html)
>今度は北朝鮮か。
>「日本文化は朝鮮文化のコピーなんだから、日本の方こそ北朝鮮に著作権料を払え!」と言ってくるかな?

などと、いずれもさも「北(南)朝鮮とかだからこんなとんでもないことをする!」と言いたげだが、これはいくらなんでも言いすぎだ。
こんなこと、いわゆる発展途上国では当たり前のことでしょ?貧しいんだからしょうがないのよ。
そもそも、台湾だって90年代初頭まではそうだった。外国のものは平気でコピーしておいて、自分のところのものが無断で翻訳、コピーされると著作者が文句を言う。
中東、東南アジアなどでは今でもそんなことは当たり前。わりと親日的なシリアだって、日本のアニメの海賊版VCDは横行していて、1枚50円くらいで買える。というか、貧しい国が豊かな国のを拝借するのは何が悪い、という感情が世界共通にあるから。だから、逆に彼らのものを先進国が無断でぱくると文句を言う。彼らにとってはなけなしの資源で創ったものだから。

大体、ポプラ社がこれが困るというなら、北朝鮮(共和国)に対していったいいくらの著作権料を要求するの?あんな、食うにも困っている国から、何を搾り取ろうとするの?おそらく5万円も取れないから、そのための交渉料、通信費、銀行の手続き費用だけで優に吹っ飛んじゃうよ。
以前、私も「哈日族」の台湾での翻訳版を出そうかと思い、元出版社に声をかけたところ、「版権料として20万円は出してもらわないと駄目」といわれたので、断念したことがある。
あのね、いくら台湾が準先進国といっても、出版市場は日本より狭いし、所得・経済水準は日本の2-3分の1なんだから、20万円なんて日本でいえば60万円に匹敵する。よっぽど売れ筋の本なら出せるかも知れないが、あんな専門書に近い内容のはせいぜい初刷3000部だろうから、20万円なんて法外な金を出せるわけないでしょ。
幸い「台湾入門」のところは、そこまでの額は要求しなかったが、それでも日本の出版界は、外国での翻訳を出すときには、最低でも8万円程度は欲しがる。しかし、そんな額を先進国以外の国に期待・要求することのほうが、いかに浅ましくてサモシイことか、日本人はいい加減気がつくべきだろう。

だから貧しい国は、先進国の出版物を海賊版で出版する。だって、正式に交渉したら、彼らにとっては法外な額を要求されることはわかっているから。台湾の出版社でも、20万円なんて払えない。ベトナムや北朝鮮レベルだったら1万円も払えない。
それなら海賊版を見て見ぬ振りをするか、あるいは海賊版が嫌なら金を要求せずに契約だけ結ぶというどちらかしかない。
北朝鮮レベルの国に「著作権料を払え」というほうが、よっぽどサモシイと思う。

もっとも、これは出版物など文化芸術に限った話。
これがもし軍事・先端技術関係なら話は別。文化や芸術は広めるほうに意味があるが、先端技術や軍事関係はやはり厳密にルールを適用する必要がある。たとえば中国の産業・軍事スパイと盗用に対しては監視を強化するべきだろう。

★★★

それから、私がこの記事を見たときには、「なんだ共和国って、やっぱり日本のものが好きなんじゃん」と思った。
いくら「日の丸」やひらがななどを消しても、タヌキの絵は明らかにちょんまげで日本式の格好なんだし、「ごんべい」は「コンベエ」になっているわけだから、知っている人間には日本のものだとわかる代物。
しかも、ぱくるのが、ロシアや東欧や中国のものじゃなくて、日本のものをこういう形でぱくっているところにかの国の日本文化に対する深い親近感が現れていると思う。
大体、共和国の革命歌の7割が日本の軍歌のメロディを援用したものだと言われているし、南北朝鮮ともに、表向きに「倭ノム」という罵倒語を使っているのとは裏腹に、実はきわめて日本文化が大好きでたまらないんだということが、今回のこの問題から見て取れる。
そもそも旧植民地と旧宗主国の関係というのはそういうものだ。レバノン人もフランスの経済・軍事介入には反発を示しても、フランスの文物がたまらなく好きだ。

だから、こんなことでいちいち目くじら立てるほうが、世界をわかっていない偏狭な発想だと思う。
それに拉致と違って、人そのものをぱくっているわけじゃないんだし、こうした形でのぱくりは文化的影響を強めるものなのだから、日本・日本人としては歓迎すべきことなのだ。

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