「日本文学の革命」の日々

「日本文学の革命」というホームページを出してます。「日本文学の革命」で検索すれば出てきますので、見てください

電子同人雑誌の可能性 268 「コンピュータの本質ー数学とは何か 15 」

2024-05-10 05:22:18 | 日本文学の革命
このような「計算」ー外界を自分の知性によって思うように操作しようとすることーは人間以外の動物たちももちろんしている。大空を翔けまわりながら狩りをしている鷹も、ただ当てずっぽうに翔けまわっているのではなく、人間の狩りなみに緻密な「計算」をしながら狩りをしている筈である。鷹の仲間で海岸で暮らしているトンビなどは海辺に旅行に来た観光客の手から実に見事にハンバーガーやおにぎりを奪い取っているが、その際決して観光客を傷つけたりしない。これはもし傷つけて人間たちを怒らせたらたちまち自分たちが害獣として駆除されてしまうことに気づいており、それを「計算」に入れて行動しているのかも知れない。猫などもしたたかな「計算」能力を持っていて、猫の赤ちゃん言葉でニャーニャー鳴けば人間たちがメロメロになってなんでも言うことを聞くのをよく知っているのである。膝の上に乗ったりグルーミングしたりして甘えたらさらに一層人間を意のままに操ることができる。ある意味猫の方が人間を飼い馴らしていると言ってもいいほどである。カエルは普段はボーとしていて何も考えていないように見えるが、目の前に虫が来たら一瞬の早技で舌を発射して搦め捕って食べてしまう。これを見るとカエルがボーとしているのも自分を岩か何かに見せて虫を引き寄せるための「計算」なのかも知れない

このように動物たちもさまざまな「計算」をしているのだが、人間の「計算」能力はその中でも群を絶しているのである。巨大に発達した大脳、他に類を見ない言語能力、道具や技術の伝承などで人間の「計算」は極めて緻密で大規模なものになり、他の動物たちを遥かに凌駕してしまったのである。そして人間はこの「計算」能力を駆使して外界のすべてを支配したいという野望まで持つまでになった。「計算」によって外界を思うがままに支配できたら、まさに人間にとって夢のような生活が待っているからである。狩りで「計算」を的中させたら獲物を次から次へと獲れることになり、原初の腹ペコで荒野を彷徨っていた人類にとってそれはまさに夢のような生活である。現代でも株や投資あるいはFXや競馬で見事「計算」を的中させて大金を手に入れることができたらやはり夢のようなゴージャスな生活が待っている

外界を思うがままに支配できるようになったらどんなに素晴らしいだろう。命じただけでピザや寿司などのご馳走がたちまち目の前に運ばれて来たら実に嬉しい。行先を告げただけで自動的に目的地まで運んでくれる乗り物があったらまさに魔法のようである。世の中のありとあらゆるものを見聞きでき、どこにでも行くことができるし誰とでも会うことができるような魔法の本があったら夢みたいである。自分の意のままに働かせ、自分に代わって辛い労働を行わせることができる奴隷や召使いがいたらまさに王様気分である。面倒な計算や帳簿作りや文章作りまで代わりに行なってくれる優秀なアシスタントがいたらこれも嬉しい

外界を思うがままに支配し操作することは太古から続く人類の理想なのである。外界という本質的に得体の知れないもの、怖しいもの、死と繋がっているもの、それでいて我々の生存がそこにかかっているもの、それを我々の知的支配下に置き、思うがままに操作できるようにするのである。人間の巨大に発達した「計算」能力を駆使すればそれは可能かも知れない。人間の野望は外界の支配へと乗り出してゆくのである
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 電子同人雑誌の可能性 267 ... | トップ | 電子同人雑誌の可能性 269 ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HAYAISAO)
2024-05-12 21:51:59
太古の昔まで遡れば現代に至るまで幾らでも与太話が書けるもんなぁ。引き伸ばしは死ぬまで出来るね。
よし、奇跡のドアを今すぐ開けてしまおう!その前に…次は何書くの?

コメントを投稿

日本文学の革命」カテゴリの最新記事