荒井山から

札幌は荒井山に家がある。東京-札幌-旭川-富良野-札幌と異動。室蘭を経て札幌へ。江別に行きまた戻った。もうすぐ退社だ。

「マブ」という食い物

2008年08月26日 23時51分24秒 | 

080824_013 「マブ」18日

 よく行くスーパーの「オオゼキ」に売っているのが豆腐のニューウエーブ「男前豆腐店」の豆腐製品だ。今回は「マブ」。器がコップ状になっていて、中身は寄せ豆腐で、結構硬めで、味は濃い。添えられているポン酢をかけるのだが、その名が「ジョニポン」。波乗りジョニーという豆腐もあるのだが、これはそこから名づけたのだろうか。こういう食い方も面白い。ちなみに値段は忘れたが、少々高いけど、たまには贅沢?もいいか。 080824_014

男前豆腐店は京都に本店があるのだが、都内の二子玉川に直営店があるほか、山梨や茨城に工場があるようだ。

HPhttp://www.otokomae.jp/index_jpn.html?1をみたら面白い。いきなりロックが掛かる。夜はボリュームに注意。


ベン・ゲイツ第2作

2008年08月26日 23時11分16秒 | 映画

「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」

26日、新橋文化劇場071220_poster

  リンカーン暗殺001事件の暗殺者ジョン・ウィルクス・ブースの日記から失われた18ページには陰謀が秘められていた。そこには歴史学者で冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)の祖先が、暗殺者の属する秘密結社ゴールデン・サークル騎士団の一員として名を連ねていたという。故意に汚されたゲイツ家の名誉を守ろうと、暗殺者の日記をめぐり、ビルとその仲間たちが再び動き出す。

 シリーズ第2作。前回はアメリカ独立宣言書が題材だったが、今回は自由の女神などが登場。ホワイトハウスの歴代大統領が守り継いできた究極のタブーも絡んでくる。舞台はリバティー島からパ002リ、ロンドン、そしてラシュモア山へと移す。

 ベンの父親役ジョン・ボイト、FBI捜査官役ハーヴェイ・カイテルなど前作に引き続いて出演。ヘレン・ミレンやエド・ハリスも登場。監督はジョン・タートルトーブ、製作はジェリー・ブラッカイマー。

やはりアドベンチャーもののつぼを押さえているというか、謎解き、地下の秘宝、文字の解読など満載だ。ホワイトハウスの執務室の机の引き出しの板なんか、子供たちならとて003もわくわくするだろう。図書館のシーンもいい。奥の奥にボタンがあり…。ニコラス・ケイジって下品にならないのがいい。たれ目で悲しそうなのが何とも周囲の気持ちを解放させるのだろうか。エド・ハリスの描き方が少々よく分からなかったのが、気になったが。   05 


昼、夜と新橋

2008年08月26日 23時08分31秒 | 

080908_001 080908_002_2  「旧月」8月26日、新橋2-8-9 第一吉川ビルB1

 きゅうづき読む。新橋のSL広場に面している。ランチ時間には道路に向けサンプルが置かれているが、隣のサンプルと間違って、この店へ。まあ、せっかく入ったのだから、日替わりの丼定食990円を注文。この日は唐揚げ丼。おろしと紅しょうががあまり気に入らなく、正直いまいちだった。好きな人も多いかも知れないが。そばは良かったのだが、いかんせん少ない。この店はそば、天ぷら、水炊きの店だとか。大きなカウンターがあるほかは結構入り組んで個室もあるみたいで、雰囲気はかなりおしゃれ。ブログを観ると少々高いらしいが、悪くはないようだ。

「とんかつ まるや」8月26日夜、新橋

 夜も新橋。080908_003チェーン店で、ブログなんか観ると新橋駅前の汐留側にある新橋駅前ビルにあるようだが、ここはよく行く新橋文化劇場に近い新橋2号店らしい。聞いたら2カ月前に出来たという。なかなか小ぎれい。接客もなかな080908_004かいい。とても親切です。ロースカツ700円は厚くはないが結構大きめ。これにしそ風味の大根の漬け物がついて、なかなかよい。思わず日本酒400円を頼んだ。「人生 カツを喰(くろう)て人生に勝」というべたな言葉が脱力的な笑いを呼ぶが。


人生は海だ

2008年08月26日 23時04分26秒 | 映画

「ライフ・アクアティック」24日

DVDを見た。D112170167

 海洋探検家兼ドキュメンタリPh4_ph4_lac9795_9177r_01 ー監督のスティーヴ・ズィスー(ビル・マーレイ)。最近ヒットがなく、しかも長年の右腕エステバンがサメに食われてしまった。ズィスーはチーム・ズィスーを率いて、探査船ベラフォンテ号で海へ乗り出す。そこにはズィスーの息子らしい航空副操縦士のネッド(オーウェン・ウィルソン)、雑誌記者ジェーン(ケイト・ブランシェット)、製作資金を融資した銀行のビル(バッド・コート)らもいた。

監督・製作・共同脚本は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のウェス・アンダーソン。ズィスーの妻役にアンジェリカ・ヒューストンのほか、ウィレム・デフォー、のジェフ・ゴールドブラムらが登場。まじめで、おかしく、しみじみ。不思議な映画だ。監督の奇才ぶりを出演者が支持しているメイキング映像も楽しい。DVDの宣伝文句を借りると、人生は海だそうだが、「広く、深く、そしてショッパイ」ということだ。


50分ぐらいで一気に

2008年08月22日 22時38分55秒 | 

080824_030 「幸味亭」22日夜、吾妻橋2-080824_0291-4

 夜遅く行って、閉店まで一時間もないので急いで注文する。まず中生ビール580円。柿の種がついてきた。おつまみカニコロッケ380円、モツのトマト煮400円。値段は安いが両方ともきちんと作ってあり、きちんとうまい。モツはイタリアンのトリッパだが、なかなかこくがある。ドリア750円、パン250円を追加。デカンタ500ミリリットル820円も注文して万全の体制。トマト煮にパンをつけて食べた。パンはパゲットを切ったものだが、軽く焼かれており、おいしかった。ワインを飲み干し、計3180円也。一人で金曜夜のディナーというか、気軽な洋食ではあるが、おなかいっぱいになった。それにしても急いで飲ん080824_033で食べ、少々せわしなかったなあ。


久しぶりの天丼

2008年08月22日 22時37分37秒 | 

080824_027 「大黒家」22日、浅草

 映画を見終わると、午後3時を過ぎていた。大080824_028 黒屋の本館はこの時間閉まっていたが、別館はやっていた。えび1本などのもっとも安い1470円の天丼を注文。えびのほかにシシトウ、きす、かき揚げがのる。10年ぶりぐらいだが、なかなか美味しかった。まあ、安心して食べられ、外れないという感じ。ぬたや刺身など、いろいろと酒のつまみがあるのでゆっくりしたいところだが、きょうはこの辺で。


今東光原作

2008年08月22日 22時35分34秒 | 映画

「悪名」22日、浅草080820新劇場

1961年、大映。勝新太郎、田宮二郎、中村玉緒、田中徳三監督

 河内の百姓の伜朝吉(勝)は無類の暴れ者。隣村の人妻お千代(中田康子)と有馬温泉へ駆け落ちした。温泉旅館で働きに出るお千代を待つ朝吉は退屈し、彼女が酔客と戯れているのを見て大阪に帰ろうとする。駅で伊勢参りの帰りの友人たちに会い、そのまま遊廓に繰り込む。そこで琴糸(水谷良重)という女に出会う。土地の組員モートルの貞(田宮)たちいざこざを起こすが、朝吉が打ちのめした。貞の親分吉岡の客分として身を預けた朝吉は、博打や喧嘩で強さを発揮し、貞も兄貴と慕うようになった

 「週刊朝日」連載の今東光の同名小説の映画化。同誌の編集長が大映の田中監督の実兄だったため、大映で映画化された。全16作が製作される人気シリーズ。依田義賢が脚色。撮影は宮川一夫。なにしろテンポが良くて、元気はつらつの映画だ。白黒の映像も切れが良い。お絹役に中村玉緒が出て、しっかり妻役 を演じる。朝吉はもてるのだが、お絹に「終生の妻とする」旨の一筆を書かせられるのが現実とだぶるようだ。

「俺たちの血が許さない」1964年、日活

小林旭、高橋英樹、松原智恵子、鈴木清順監督080820_3

 浅利源治(緑川宏)は、縄張り争いがもとで凶刃に倒れ「子供だけは真面目に育ててくれるよう」言い残して息をひきとった。それから十八年、兄の良太(小林)は一度はヤクザの道に入ったものの、今はキャバレーの支配人をする親孝行な青年。弟の慎次(高橋)はサラリーマンで、会社の同僚片貝ミエ(長谷百合)とのにうつつをぬかす一方、ヤクザに憧れをもつ。浅利家に飛田丑五郎(井上昭文)と名乗る男がやってきた。源治を刺した男だった。仇とはやる慎次を、良太はさえぎった。数日後、会社の慰安旅行で慎次は丑五郎と再会する。旅先の暴力沙汰で会社をやめた慎次は、丑松の元に行き浅利組の再興を夢みる。数日後、兄のキャバレーで慎次は兄から諭されたが、ヤケ酒を飲み暴れ始める。

 松浦健郎の原作を竹森竜馬、細見捷弘、伊藤美千子が脚色。58年製作の「明日は明日の風が吹く」のリメイク。旭と高橋が嵐の中を車で走り、海の中を進んでいるかのようで、有名なシーンだ。ただし、全体的に高橋のはつらつさと旭のまじめさ=暗さがうまく対比されているが、思ったほど面白くなかったのはなぜだろうか。上の「悪名」なんかと比べると新鮮さが乏しい。

「やじきた道中 てれすこ」2007年、松竹

中村勘080820_2_2三郎、小泉今日子、柄本明、平山秀幸監督

 時は太平。大阪で「て れすこ」と呼ばれ1024_768_b る生き物が捕獲され、話題を集めていた。江戸の品川の遊郭「島崎」では、売れっ子花魁のお喜乃(小泉)が、新粉細工職人の弥次さん(中村)に、本物そっくりの指を作らせて、客に「切り指」と偽って、金をせしめていた。そんな中お喜乃は、沼津にいる病気の父に会うため、遊郭を抜け出し、一緒に逃げて欲しいと弥次さんに頼む。

 「東海道中膝栗毛」の弥次、喜多物 語に、落語の「てれすこ」「狸賽」「野晒し」などを取り入れた喜劇。花魁・お喜乃の手玉に取られた弥次さんが、喜多さんと三人で沼津まで下る珍道中だ。監督の平山秀行は、「しゃべれどもしゃべれども」でも、落語を素材に。中村、柄本、1024_768_c小泉と達者な演技をしているが、ただ面白いかどうか。手練れ感がありすぎて、緊張感が拡散して1024_768_aしまい、結構退屈だった。難しいね。


すがすがしい剣持三四郎

2008年08月20日 22時53分28秒 | 映画

080824_017 「江戸の悪太郎」20日、浅草名画座080824_022

1959年、東映。大友柳太朗、山形勲、浪花千栄子、マキノ雅弘

 剣持三四郎(大友)という浪人は茂兵衛長屋に寺小屋を開いて暮らしていた。武家の未亡人お栄の息子弥一が団子を売っていたが、商売道具を壊してしまい、その際、一人の少年を連れて来た。長屋には三四郎の親友三山、三山の妹おすみ、女金貸お勘(浪花)などの貧乏人が住んでいた。ちょうどそのころ、信州伊那の長者手代木家では当主五左衛門の跡とり娘浪乃(大川恵子)が親の定めた婿を嫌い江戸に家出した。先代の隠居は江戸の鍵屋太兵080824_021_3衛を訪れたが見つ080824_020からなかった。一方、長屋を上には直参旗本秋山典膳(山形)の屋敷があり、お抱えの占い師道満上人が人気になったことから、長屋をつぶして祈祷所の建立を企てた。

 比佐芳武と村松道平が脚本。1939年にマキノ正博時代に撮っている。このときは嵐寛寿郎や轟夕起子らが出演。前回は日活京都で、今回のリメイクは東映京都で。大友の三四郎は今風に言えば少々シャイだが、真っ直ぐですがすがしい。貧乏長屋の互いに寄り添う人々の描き方もうまい。

「侠客 列伝」1968年、東映

高倉健、鶴田浩二、 若080824_018山富三郎、藤純子、藤山寛美、長門裕之、大木実、マキノ雅弘監080824_026

 明治40年、賭博行為禁止条項を含む新刑法が帝国議会を通過した。困惑した関西 、関東の親分衆は愛国を旗印に日本大同会を結成しようと動き出した。結成式の世話人に小田原 酒勾一家の円 谷半次郎(菅原謙二 )が指名された。しかし、結成式の開帳の際、半次郎は、清水(河津清三郎)一派に難くせをつけられ、自ら刃物を抜き、殺される。その上、酒勾一家は一年間の謹慎を、日本大同会の総会で言い渡 される。半次郎の舎弟の大倉伊之助(高倉)は敵をとろうとする が止められる。そしてやがて謹慎期間が解けようとしていたころ、人切り直木浅次郎(鶴田)が姿を見せ、清水の娘婿の山形一家に草鞋をぬいだ。直木はかつて愛した加代(藤純子)が芸者になっていると聞き、やって来たのだ。

 去年の8月にもここで見た。まっすぐな菅原健二が怒るのは、河津清三郎の巧みな罠な080824_023のだが、まるで浅野匠守と吉良上野介の確執のようでもある。お歴々がいる花会に刃物を出したら負けなわけだ。 080824_025


まあ仕方がない

2008年08月20日 22時50分18秒 | 

080824_015_2 080824_016 「キッチンジロー 浅草店」20日

 映画の開始まで時間が無く、国際通りの目に付いたシシカバブーの店に入ろうとしたが、隣の定食屋に入ってしまった。チェーン店であるが、当然、人も違うんで味も違う。カレーを食べようとしたが、「スタミナ」という言葉につられ、夏バテ解消にと思い「スタミナ焼き」定食780円を頼む。要は豚肉とタマネギのショウガ醤油焼きなのだが、あまり美味しくなかった。豚汁も大したことがなかった。失敗だったと悟ったのはすぐに分かったのだが、完食して出た。まあ、こういう日もあるだろう。

17日に行ったのが「メ080824_010ンマル」。080824_011 やしき近くのひさご通りの南端にある店で、立ち食いだ。テーブルは外に出ていて、そこに座る人もいる。自動販売機で券を買う。ラーメンは290円から。大盛りは100円増しで、ネギラーメンは390円だったかな。その大盛りにしても500円で足りる。味は魚介系の薄い醤油味で、麺は細いストレート麺。まあ、値段通りの味かな。290円の普通のラーメンであれば全く文句は無いであろう。競馬のある土日は込むだろうね。そういえば、厨房のおじさんたちは暑がっていた。


16年目の待望論

2008年08月18日 00時36分27秒 | 本と雑誌

51j2bm22vqol__sl500_aa240_ 「ちあきなおみ 喝采、蘇る。」石田伸也、徳間書店、1575円

 お盆で暇なため、買ってあった本を開いてみた。今年3月に出た本だ。「アサヒ芸能」に昨年末連載していたものを大幅加筆したという。浅草新劇場では日活の裕次郎ものがよくかかるのだが、郷鍈次がよく出てくる。そんなことでこの本が気になっていたのだが。

 ちあきなおみは1947年9月17日の生まれだ。ちょうど一ヵ月後が誕生日で61歳になる。実は同じ誕生日で、私も48になるのだが。米軍キャンプで歌い、そして全国のキャバレーを回り、前座歌手に。本名三恵子は「白鳩みえ」「メリー児玉」「五城ミエ」「南条美恵子」と名を替える。1968年にコロムビアのオーディションに合格し、作曲家の鈴木淳のレッスンを受ける。69年に「雨に濡れた慕情」でデビューする。郷と78年に入籍、郷は92年に肺がんで亡くなる。以来、街能活動を封印する。ちなみに「ちあき」はTBSプロデューサーの名から取って、「なおみ」は事務所の社長が敬愛するのが坂本竜馬で竜馬の親類に直道という人がいてそこから取ったそうだ。

 さて「喝采」「矢切の渡し」など曲のエピソードなどが豊富だ。本人に取材できないので、周辺に極力当たって、輪郭を作り上げる過程が詳細に書かれている。なぜ、表舞台に出てこないのか。なぜ、カムバックしないのか。結局はよく分からないのだが、郷が亡くなった際に荼毘に付される時に「私も一緒に焼いて」と棺にすがりついたという有名なエピソードについて、郷の兄の宍戸錠が「そんなことは言ってないと思う」と否定。「ただ、そこにも精神科医がいて、その子には言ったよ。『いいか見てろ、火葬場に一緒に入ろうとするから。入るふりするから見てろ』って」と語り、「役者」であることを指摘している。郷が遺言で「もう歌わなくていいんだよ」と言ったとう説も否定している。

 まあ、いずれにしても歌のうまさ、声の質もすばらしいことは間違いない。待望する声はこの先も消えないだろう。


織田三十郎

2008年08月17日 23時44分53秒 | 映画

080813 009  「椿三十郎」17日、浅草新劇場

2007年、東宝。織田裕二、豊 川悦司、中村玉緒、森田011_2 芳光監督

 深夜、朽ちた社殿の中で、井坂伊織(松山ケンイチ)ら9人の侍が密談していた。次席家老黒藤(小林捻侍)と国許用人竹林(風間杜夫)の汚職を城代家老の睦010田(藤田まこと)に告げたが相手にされなず、大目付の菊井(西岡琢磨)は進言を快諾し、仲間を集めろと言われたという。一 同は喜びに沸いた。そこにあくびをしながら流れ者の浪人(織田)が現れる。菊井こそ黒幕だと語る。謀議を聞かれたとして侍たちは慌てるが、菊井の手の者が社殿を囲み始めていた。浪人は 外に出て剣の腕を見せる001_2。室戸半兵衛(豊川悦司)は手勢を引き上げさせ、「仕官の望みがあるなら俺を訪ねて来い」と言葉を掛けた。隠れた床から出てきてほっとする9人は、「死ぬも生きるも9人一緒だ」の悲壮な声を出す。それを後ろで寝ながら聞いていた浪人は「10人だ。おまえたちのやることは危なくてみちゃいられねぇ」と声を上げ、一緒に城下へ乗り込んだ。

 黒澤組のチーフ助監督であ012った堀川弘通の監督作品として黒澤が書いた山本周五郎原作「日日平安」の」脚本が元になっている。その「日日平安」はお蔵入りしたが、007「用心棒」の続編を求められ、主人公を新たに作り上げて製作した。三船敏郎は荒ぶるリーダー型だが、織田裕二は調整型。同じせりふでもユーモアの質は少々違うが、織田のさわやかさは見ていて楽しい。豊川は演技は良かったが、滑舌というか声の質が細く、聞こえにくい。若侍たちに捕まり、押し入れの中に閉じこめられる佐々木蔵之助が良い味出している。

「嵐の勇者たち」1969年、日活

080813_2石原裕次郎、浜美枝、渡哲也、吉永小百合、舛田利雄監督

 関東共栄連合会の祝賀会。元刑事の島地陶介(石原)が、080813_4仲間の神崎明(二谷英明)、浜野(浜田光夫)、藤木(岡崎二朗)、川辺(川地民夫)と組んで出席した。会場の電源を切って、会長生駒正光(柳永二郎)の婚約者でデザイナーの亜紀子(浜)から、時価一億円のダイヤを散りばめたドレスを強奪したのだ。だが、亜紀子は生駒に潰された組の生き残りの唐沢恭(渡)らが身代金を目当てに誘拐したのだった。亜紀子を乗せた車が生駒のボートハウスに向った。そこには亜   080813_5   紀子の助手の冬子(吉永)、理江(山本陽子)、佳代(梶芽衣子)の三人がいた。一方、陶介は五千万円で亜紀子を奪い返すと生駒に持ちかける。その陶介を生駒の殺し屋真吾(内田良平)が狙っていた。私立探偵の大門(宍戸錠)もひと賭けしようと企んでいた。

 潰された組080813_3の仲間に郷鍈次 、和田浩治、藤竜也が登場し、当時のファッション感覚を生かした内装のボートハウスで、いろいろと思い悩む。悩む姿がこれまた当時の学生運動やニヒリズムの影響を受けたかのような、非常に内省的な描き方になっている。それにしても助手の女性3人の顔ぶれが結構凄い。日活のオールキャスト作品だ。祐次郎が渡と殴り合うシーンはジャケットのボタンを掛けたままなのが、不思議であった。すでに祐次郎ははち切れそうな体なのに。ボートハウスは油壺にあり、そこからヨットで逃げるのだが、ヘリコプターで青木義朗らが追う。こういう金を掛けたアクションシーンは、当時すでに石原プロもできており、事務所の影響080813_6_2が色濃く、その後も色彩は引き継がれているようだ。あのころは結構ヘリコプターをよく使っているなあ。D112094104それにしても題名がよく分からないのだが。


マカオのエンタツ

2008年08月14日 00時21分35秒 | 映画

   「三人の博徒 」13080824_006日、浅草名画座

1967年、東映。鶴田浩二、待田京介、池部良、安部徹、小沢茂弘監督

 昭和初期。横浜港新埠頭建設の工事請負で、親分岩井清蔵が080824_008荒木一家の杉山勘助(待田)に射殺された。岩井の代貸小泉吉之助(安部)と昇(藤岡重慶)の兄 弟は、組の客分大島直次郎(鶴田)に荒木組組長徳三郎を斬らせた。直次郎は網走刑務所に服し、そこに勘助も送られ来て、勘助は直次郎に殺そうとする。だが、勘助は直次郎の人柄にうたれ、兄弟分の契りを交す。荒木一家は解散し、岩井一家の二代目を継いだ小泉は、中国人張伝芳(小松方生)と結んで人身売買や麻薬密輸で暴利を貪っていた。小泉兄弟は張のために直次郎の妻さと(北林早苗)をごめにしてマカオに連れ去ってしまう。それから五年、直次郎は勘助と出獄した…。080824_009

小沢と村尾昭が共同でシナリオを執筆。マカオの街を人力車で走る鶴田。このシーンだけは本当のロケだったのだろうか。あとはもちろんセットで。その人力車を引くのは情に厚い中国人黄昌霖で、何と遠藤辰雄だ。たまには良い080824_007人役もあるか。少々違和感があるが、初めてみるといい人と勘違いするだろうなあ。マカオの女郎屋の用心棒に池部良が登場する。こっちは見たとおりいい人だが、渡世の義理というやつで鶴田と戦うのだ。

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」2007年、東宝

吉岡秀隆、小雪、堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、山崎貴011_2監督

 昭和34 年春。鈴木オートは、事業に失敗した親戚の娘美加を預かることにした。お嬢様 育ちの美加と一平はそりが合わない様子。淳之介を一度は諦めた川渕(小日向文世)は再び茶川(吉岡)に戻すよう迫り、茶川は人並みの暮らしができるよう芥川賞に挑み、最終選考に残る。

当時の東京の風景をVFXを用いて再現する。個人的には、戦争008で家族を亡くした三浦友和の医者がひとときの夢を見せてくれるように と焼き 鳥を持って狸にバカされようと1005801_03するのが悲しい。観客がおじさんばかりだったが、吉岡と小雪との最後のシーンは鼻を すする音があちこちで、ハッピーエンドに、拍手する人もいた。小日向の嫌な社長ぶりは、嫌さがなかなかいい。

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どじょう鍋

2008年08月14日 00時15分38秒 | 

080824_002 080824_003 「飯田屋」11日、西浅草3-3-2

 暑気払いというわけではないのだが、同業他社の知人と某作家を囲んで一献傾けた。どじょう鍋でビール、日本酒と進んだ。どじょうは丸ごとではなく、開きにして。昔、駒形どじょうだったかに、社内の友人と家族共々食べに行ったが、結構生臭い感じがしたのだが、今回はそんなことは全くなし。どじょうの卵も混ぜ、ゴボウとネギでをたっぷり載せ、甘辛の割り下で食しました。後には卵とじも堪能。話の盛り上がりと相まって、酒が進みました。ちなみに某作家氏は近く古い一軒家に移るそうで、そこで「松下村塾」みたいな塾を開きたいと言ってました。頑張ってほしいものです。ちなみに右の写真は赤の他人です。


日曜午後のけだるい雰囲気

2008年08月11日 00時54分53秒 | 

「旬じゅん 浅草店」10日、西浅草2-13

 080811_040_2 080811_041 国際通りをはさんでROXの斜め前の角にある店。良くこの前を通るのだが、あまり人が入っていなくて、入りにくい感じがするのだが、とても気になる店だ。煮込み定食もあるほか、ビールやチュウハイ、おでんまである。日曜の午後3時前だったが、ほかに客は3人。結構広いのだが、食べ終わっても、ぼーとしていた叔父さんもいた。競馬でもしながら一杯飲んでいるのだろうか。麺やつゆはさほど高い評価ではないらしいが、天ぷらが揚げたてらしい。私はカレーうどん400円を注文。おばちゃん一人しかいなかったので、結構待たされたが、客への言葉は丁寧で、好感が持てる。味はつゆが薄い感じ。カレーは牛肉が良く煮込まれている。最初は薄いなあと感じたが、酒を飲んだ後に、つゆをごくごく飲むのには結構いいかも。なかなか深い。


小林桂樹の東条

2008年08月11日 00時26分15秒 | 映画

  「激動の昭和51mcnqo28rl_sl160_史 軍閥」10日、浅草新劇場

1970年、東宝。小林桂樹、加山雄三、三船敏郎、中谷一郎、堀川弘通監督

 二・二六事件以降、軍部の政治への介入は強まった。近衛内閣では東条英機が陸相に就任。南方進出により、アメリカとの関係は悪化した。海軍の米内光政や山本五十六はあくまで対米戦争に反対したが080806次第に孤立化する。内閣は近衛から東条へ変わった。米国との和平工作は頓挫し、開戦となった。真珠湾、マレー沖、シンガポールと戦勝気分を上がった。だが、ミッドウェーの大敗を機に戦局は逆転。毎日新聞記者新井五郎はガダルカナルの撤退作戦に海軍報道班員として従軍し、前線の真相を知る。大本営は厳重な言論統制を敷いていて、新井は真実を報道することを決意した。真実に飢えていた読者の反応は良かったが、陸軍は反発。新井は徴罰召集されてしまう。サイパンの王砕した兵士の中には、新井と一緒に召集された老兵たちもいた。東条は内閣総辞職を余儀なくされた。新井は海軍の尽力で再び報道班員として、フィリピンに赴いたが特攻機の姿に戦争をくいとめられなかった自責の念を噛みしめていた。

 「日本のいちばん長い日」に続く「激動の昭和史」シリーズ第2作。原作は新名丈夫の「政治」、脚本は笠原良三。

 何度か見たが、新聞の愚かさと可能性が響く。愚かさの方が強いのだがね。そう、何事も眉につばつけてというわけだ。世の中に絶対は無いのだし。同時に、小さな声、懐疑の大切さもよく分かる。岸田森扮する記者は大本営発表に早くから首をひねるのだが、上司をはじめとする全体の雰囲気がそうした声をつぶしていく。それにしても懲罰招集とは恐ろしい。小林桂樹が東条をやると、い080806_4  い人に見えてくるのだが。いくつかこの時080806_3代を描いた本を読むと、天皇への忠誠が第一というメンタリティーを持つ人物だったようだ 。

「喜劇 一発勝負」1967年、松竹

ハナ肇、倍賞千恵子、加東大介、北林谷栄、山田洋次監督

 老舗旅館二宮荘の長男孝吉(ハナ)は女を囲い、父の忠(加東)と大喧嘩して家を出た。水商売の女が旅館に来て、孝吉の子供マリ子を置いていった。それから十数年、孝吉が戻ってきた。母礼子の一周忌の日だった。その夜、孝吉は父の080806_6  友人の石丸医師と酒を飲み酒を飲み過ぎ倒れてしまった。翌日、孝吉の葬儀が営まれたが、棺の中から孝吉が生き返った。やがて孝吉は、会社を設立し、鉱山技師山口(谷啓)、青田(桜井センリ)、080806_5赤山(犬塚弘)と温泉のボーリングに乗り出した。忠は不満だったが、計画も頓挫し掛かったときに良質の温泉が噴き出した。孝吉はたちまち町の成功者になった。

山田洋次と宮崎晃が共同で脚本。撮影は高羽哲夫。豪快なハナ肇としっかり者の妹倍賞、老舗旅館が舞台であれば、なにやら男はつらいよ的だが、温泉を当てて大成080806_7功してしまうのはこの映画ならでは。たまには大成功もいいか。ヘルスセンターを建てるのだが、南洋に行きたいという旅館に古くからいた北林谷栄の願いを叶える。あれは常磐ハワイアンセンターかな。ちょうど前年の1966年にオープンしている。

「拳銃無頼帖 明日なき男」1960年、日活

赤木圭一郎、宍戸錠、笹森礼子、野口博志監督

 抜き射ちの壇竜次(赤木)は、サブという男からコルトの譲が岐阜の病院にいると聞き、岐阜に見舞いにやってきた。実は竜に大事な取引きの邪魔をされ、東京から追われた岐阜の暴力団清流会会長の辻堂(水島道太郎)の罠だった。岐阜駅で殺し屋が狙っていたが、若い男が自家用車にひき殺080806_2される騒ぎのため、竜の姿を見失い、失敗した。竜は警察で取り調べを受けたが、その留置場で病気のはずの譲に出会う。留置場を出た譲は、清流会の事務所に行き、辻堂に竜殺しを頼まれる。そして、辻堂のもとに、麻薬王高の情婦となった妹のスミ(南田洋子)が上京してきて、高が高飛びの費用を作るため麻薬をさばこうとしている話を辻堂に打ち明ける。一方、留置場を後に出てきた竜は、仕事を探しに有村(藤村有弘)のもとを訪れ、有村に用心棒になるよう頼まれる。そこには籠の鳥のように育てられた娘道子(笹森)がいた。

 拳銃無頼帖シリーズの第4作。城戸礼の原作「抜き撃ち三四郎」を、松浦健郎と朝島靖之助が脚色した。このころの岐阜は柳ヶ瀬がもっとも栄えていた時代だ。音楽は山本直純。

 宍戸錠との掛け合いのリズムが心地よい。互いに相手を知らない、留置場での最初の会話は面白い。ちなみに赤木の愛称トニーはトニー・カーチスに似ているからだという。