TBSのドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」がとにかく面白い。
あまり内容を話しすぎるのもよくないので、最初の一話だけ、ここでレビューしたい。
主人公は、(おそらく都内の有名私大の)大学院(修士)まで出た女性。ところが、就職活動を失敗し、派遣社員に。
能力は高いのに、正職員になれず、解雇され、また就活の日々。
そんなある日、父親の伝手で家事代行サービスの仕事に行くことに。
行った先は、エリート・サラリーマンの男性。
仕事がめちゃくちゃできるものの、まったく女性には縁がない、真面目一辺倒のような人間。
掃除には細かい要望があり、すでに何人もの家事代行のスタッフを替えて困っていたところだった。
主人公は、そんな細かいエリート・サラリーマンの要望を見事に満たし、そのまま家事代行を続ける。
ところが、主人公の家族が引っ越すことになり、その仕事も続けられないことに。
そこで、主人公が思いつき、口から出まかせで言った「契約婚」をエリート・サラリーマンが真に受けて、そして実行することに!
女性で能力が高く、大学院まで出てしまった人が、社会で活躍できない現状。
そんなのある?と思う人は、世間を知らない人だ。
そんなの沢山いる。私の妻もそうだ。だから、このドラマは異常なほどリアリティがある。
「大学院を出たって言ってから、空気変わったもんなあ・・・」
主人公は第一話でこのセリフを口にする。
私の妻の場合にも、やっぱりこれがあった。
仕事も家事もできてしまう人間。
なのに、奇妙にも不遇。
主人公は社会や会社の不合理さを憂う。そうなのだ、社会は衝撃的なまでに不合理なルールで回っている。
では、お相手のエリート・サラリーマンは?
仕事ができて、お給料が良くて、真面目で。でも、女性に縁遠い。
いる?沢山いるよ、私の周りに沢山いるからね!
星野源の芝居がうますぎる。
人を過剰にじいいいいっと見ちゃう感じ。
あれ、完全に発達障害的な行動ね。っていうか、私ね!
なんでも凝視しちゃって、びっくりされちゃう、あれね!
IQ高いけど、自分の行動パターンを変えたり、人に邪魔されたりすることが不安だったり、嫌だったりするアレね。
目標を設定されたら、そこに向かって合理的に邁進し、結果出しちゃう感じね。
完全に発達だね!私の日常だね!
登場人物が身の周りにいすぎて、逆に吐き気をもよおすほどの、あるあるドラマ。それが「逃げるは恥だが役に立つ」。
だが、これは日本の一部の話。
マイルド・ヤンキーである大多数の市民は、地元で教育され、地元に残り、地元のネットワークのなかで生きている。
それを世界のすべてだと思いながら。
このドラマはそうした人々とは縁遠い、都市の話。
とりわけ、東京の話。
私が知っている北海道の田舎では、いくら仕事ができても結婚していない人は「不完全で怪しい人間」として扱われるから、気を付けてね!
その都市のなかで、合理性を徹底的に追求した結果、出てきた解である「契約結婚」。
これは田舎の「結婚」とは当然意味が違う。
田舎の結婚とは労働力の再生産を中心的な意義とし、田舎のジェンダー分業のなかに夫婦をそれぞれ押し込めることを機能とする。
つまり、「子どもを沢山つくりなさい」、「奥さんは村の女連中と仲良くしなさい」というわけだ。
虫唾が走るね!!
一方、ドラマのテーマである契約結婚では、税金や労働の分担などのメリットを考慮した結果出てくる、合理的な生活形態なのだ!
では、そんな契約や合理性だけで夫婦を続けられるのか?
ドラマじゃなきゃ、不可能だろうね!
人間は誰かと共有したい大切なものが沢山ある。
それが思ったよりも沢山ある。
だから、能力の高い相手を探すことが自己目的化している人たちは、
その人間の本質的な「孤独」に気づいていないから、確実に失敗してしまう。
けれど、パートナーと何かを共有していくのは、ゆっくりしていけばいいだけだから。
人間は変われるから。
人間を手段として扱うな、目的として扱え。カントも言ってるよ。
何が言いたいかって、結婚の合理性だけを強調するのは間違い。だけど、恋愛の延長線上とだけ考えるのも間違い。
結婚っていうのは、すごく複雑。
合理的で利己的で、すごくつまらないものだけど、
その一方で、愛にあふれていて、優しくて、失いたくない相手とするものでもある。
結婚とか、幸福とか、頭で決めてかかってほしくない。
沢山の偶然に左右されながら、それをあるがままに受け止めるしかない。
結婚は奇跡の結果ではないけれど、つまらない制度的な産物だけでもない。
このドラマがどうなっていくのか分からないけど、
でも、結婚や人間の本質をきっと伝えてくれるはず。そうに違いない。
あまり内容を話しすぎるのもよくないので、最初の一話だけ、ここでレビューしたい。
主人公は、(おそらく都内の有名私大の)大学院(修士)まで出た女性。ところが、就職活動を失敗し、派遣社員に。
能力は高いのに、正職員になれず、解雇され、また就活の日々。
そんなある日、父親の伝手で家事代行サービスの仕事に行くことに。
行った先は、エリート・サラリーマンの男性。
仕事がめちゃくちゃできるものの、まったく女性には縁がない、真面目一辺倒のような人間。
掃除には細かい要望があり、すでに何人もの家事代行のスタッフを替えて困っていたところだった。
主人公は、そんな細かいエリート・サラリーマンの要望を見事に満たし、そのまま家事代行を続ける。
ところが、主人公の家族が引っ越すことになり、その仕事も続けられないことに。
そこで、主人公が思いつき、口から出まかせで言った「契約婚」をエリート・サラリーマンが真に受けて、そして実行することに!
女性で能力が高く、大学院まで出てしまった人が、社会で活躍できない現状。
そんなのある?と思う人は、世間を知らない人だ。
そんなの沢山いる。私の妻もそうだ。だから、このドラマは異常なほどリアリティがある。
「大学院を出たって言ってから、空気変わったもんなあ・・・」
主人公は第一話でこのセリフを口にする。
私の妻の場合にも、やっぱりこれがあった。
仕事も家事もできてしまう人間。
なのに、奇妙にも不遇。
主人公は社会や会社の不合理さを憂う。そうなのだ、社会は衝撃的なまでに不合理なルールで回っている。
では、お相手のエリート・サラリーマンは?
仕事ができて、お給料が良くて、真面目で。でも、女性に縁遠い。
いる?沢山いるよ、私の周りに沢山いるからね!
星野源の芝居がうますぎる。
人を過剰にじいいいいっと見ちゃう感じ。
あれ、完全に発達障害的な行動ね。っていうか、私ね!
なんでも凝視しちゃって、びっくりされちゃう、あれね!
IQ高いけど、自分の行動パターンを変えたり、人に邪魔されたりすることが不安だったり、嫌だったりするアレね。
目標を設定されたら、そこに向かって合理的に邁進し、結果出しちゃう感じね。
完全に発達だね!私の日常だね!
登場人物が身の周りにいすぎて、逆に吐き気をもよおすほどの、あるあるドラマ。それが「逃げるは恥だが役に立つ」。
だが、これは日本の一部の話。
マイルド・ヤンキーである大多数の市民は、地元で教育され、地元に残り、地元のネットワークのなかで生きている。
それを世界のすべてだと思いながら。
このドラマはそうした人々とは縁遠い、都市の話。
とりわけ、東京の話。
私が知っている北海道の田舎では、いくら仕事ができても結婚していない人は「不完全で怪しい人間」として扱われるから、気を付けてね!
その都市のなかで、合理性を徹底的に追求した結果、出てきた解である「契約結婚」。
これは田舎の「結婚」とは当然意味が違う。
田舎の結婚とは労働力の再生産を中心的な意義とし、田舎のジェンダー分業のなかに夫婦をそれぞれ押し込めることを機能とする。
つまり、「子どもを沢山つくりなさい」、「奥さんは村の女連中と仲良くしなさい」というわけだ。
虫唾が走るね!!
一方、ドラマのテーマである契約結婚では、税金や労働の分担などのメリットを考慮した結果出てくる、合理的な生活形態なのだ!
では、そんな契約や合理性だけで夫婦を続けられるのか?
ドラマじゃなきゃ、不可能だろうね!
人間は誰かと共有したい大切なものが沢山ある。
それが思ったよりも沢山ある。
だから、能力の高い相手を探すことが自己目的化している人たちは、
その人間の本質的な「孤独」に気づいていないから、確実に失敗してしまう。
けれど、パートナーと何かを共有していくのは、ゆっくりしていけばいいだけだから。
人間は変われるから。
人間を手段として扱うな、目的として扱え。カントも言ってるよ。
何が言いたいかって、結婚の合理性だけを強調するのは間違い。だけど、恋愛の延長線上とだけ考えるのも間違い。
結婚っていうのは、すごく複雑。
合理的で利己的で、すごくつまらないものだけど、
その一方で、愛にあふれていて、優しくて、失いたくない相手とするものでもある。
結婚とか、幸福とか、頭で決めてかかってほしくない。
沢山の偶然に左右されながら、それをあるがままに受け止めるしかない。
結婚は奇跡の結果ではないけれど、つまらない制度的な産物だけでもない。
このドラマがどうなっていくのか分からないけど、
でも、結婚や人間の本質をきっと伝えてくれるはず。そうに違いない。