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沖縄基地問題:翁長知事帰国

2015-06-09 05:30:26 | 沖縄基地問題
沖縄の翁長知事が米国訪問を終えて帰国したのは先週金曜日(5日)のことなので、話題にするのには些か間延び感は拭えないが、ブログで記事にするにあたり、帰国直後の情報が少ないこともあって、続報を待っていたというのが正直なところである。

斯くして朗報を期待していたのだが、結果、報道においてもNet上においても、ついての盛り上がりは見られず、客観的に見てそれほどの成果は上げられなかった様子だ。
期待した側からは残念だと言わざるを得ないが、それでも、訪米したこと自体はそれなりの意味があったのではないかと思う。

もとより、翁長知事の渡米時には思いのほか官邸は静かだったし、懸念するに及ばずと、予め政府は米国側への根回しを怠らなかったはずで、それを承知で出掛けた翁長知事の努力と健闘には改めて敬意を表したい。

最初の渡航先のハワイでイゲ州知事と会談した際、イゲ氏の在沖縄米海兵隊の約2,700人をハワイに移転する在日米軍再編計画を「受け入れたい」との表明を受け、幸先の良いスタートかに思われたが、続くワシントンでは通り一遍の対応において、その結果、総じて「話はわかった。だがこれは国と国が決めることだ。」に落ち着く。
日本では県知事だが、その地位はアメリカでは州知事にも及ばぬ市長レベルである。当然のことながら中堅クラスの担当官にしか会えなかったし、その中において決してサプライズがあったわけでもない。

翁長知事の渡米の最中、菅官房長官は6月4日の記者会見で余裕を見せていた。
>「米国務省によると、(翁長知事との)会談で米政府は、辺野古移設を普天間(飛行場)の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であるとの立場を再確認した」と述べ、日米両政府が認識を共有したとの見方を示した。
>翁長氏が米側に「辺野古の工事がスムーズに進むことはない」と伝えたことについては、菅氏は「今回知事は時間をかけて米国まで行き、米国務省はこういう発表をしている。辺野古移設が唯一の解決策ということを認識したのではないか」と指摘した。また、「普天間飛行場が極めて危険である現状に、現職の知事としてどのように対応していくか私は聞いてみたい」とも述べた。

(引用:「「現職知事としてどう対応?」 菅官房長官、沖縄翁長知事を牽制」 産経 6月4日)

これをして菅は「わざわざご苦労さん」とほくそ笑んでいるようであった。

翁長知事の訪米については現地ワシントンでも連日報道がされていたようで、ただ、日本とアメリカ、その捉え方、報道の仕方に温度差があるのも否めない。
また、期待感を持って好意的に捉えるか、客観的かつ冷静に見るか否かによってその評価は分かれるだろう。

ただ言えることは、翁長知事自らが言うように「これからが新たな第一歩」であるだろうし、今後沖縄の基地問題が変化していく中で、何らかの影響が無いとは限らない。行方に注目したいところだ。



(朝日新聞デジタルより)

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