日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

活動回顧録 2017 - 初夏の旅

2018-02-15 22:32:07 | 旅日記
恒例行事化している活動が季節毎にいくつかあります。これまでに振り返った期間に限ってみても、東北の汽車旅から花見の旅に至るまで、年中行事が活動の中心となってきました。これに対して、初夏は恒例行事が比較的少ない期間です。その理由を考えてみるに、残雪、新緑、水鏡など、この時期ならではの風物詩がいくつかある一方で、それらを求めるならばここだと言える場所まではなく、花見などに比べて目的地を絞り難いという点が挙げられます。大型連休以降に土日以外の休みがないのに加え、梅雨が迫って過ごしづらくなってくるという事情もあります。
見方を変えれば、最盛期には選びづらい、なかなか足の向かない場所を訪ねるにはお誂え向きの時期ということもできます。特に去年は梅雨入りが遅れたため、六月の第三週まで活動を続け、かなり趣向の異なる旅を経験することができました。

・薫風の土佐を行く(6/3-5 3日間)
宿泊事情の逼迫により、二週にわたって見送った高知を、三度目の正直でようやく訪ねることができました。前年と同様、復路に「サンライズ瀬戸」を利用することで、実質二晩にわたり高知で呑めるという寸法です。
しかし、いざ蓋を開けると、翌日は梅雨入り間近と思えない快晴となりました。昼から酒など食らっている場合ではないと思い至り、急遽レンタカーを手配して活動し、レンタカーを少し早めに返した後、「葉牡丹」で軽く一杯やってから帰りの列車に乗るという顛末です。正月に何度も訪ねてきた徳島、高知、愛媛の各県と違い、高知を車で走る機会は久々だっただけに、結果としてはこれでよかったのだろうと納得しています。前日に乗車した岡山電軌の古い電車も、帰りの「サンライズ瀬戸」から眺めた駿河湾の朝焼けも印象に残りました。

・薫風の佐渡を行く(6/10-12 3日間)
高知の次に訪ねたのは、同じく見送りが続いていた佐渡島です。一泊二日の強行軍も不可能ではないところ、休みを足して三日にしたのは、慌ただしくなるのを嫌ったためです。まず前橋の薔薇を観賞してから長岡に泊まり、翌日佐渡に渡って一夜を明かし、次の日の便で戻りました。
七年ぶりに再訪してみて思ったのは、佐渡は広いということです。前回は両津から島の南側を時計回りに走って行き、半周ほどしたところで時間切れとなりましたが、今回は同じく両津を起点に逆方向へ周回し、前回走った分と合わせてようやく島内を一周しました。ただ走るだけでも二日はかかるということであり、沖縄本島に次ぐ国内実質二位の広さも宜なるかなと納得した次第です。
単調な海岸線が続く東側の内海府に対し、険しい岩場が続く反対側の外海府の景観には見応えがあり、その海岸のキャンプ場で過ごした一夜も、そこへ至るまでの迷走も印象に残っています。初日の晩の長岡と、佐渡へと向かう船上で、それぞれ仲間に遭遇するという出来事もあり、特に後者は四月に伊那で鉢合わせて以来の再会でした。

・薫風の伊勢を行く(6/17-19 3日間)
2017年問題」には年始から年末まで一貫して悩まされましたが、不幸中の幸いは、天候には例年以上に恵まれたことです。特に、梅雨入りが遅れて六月の第三週まで活動できたのは助かりました。
貴重な機会をどう活かすかと思案の末、列車で伊勢を訪ねました。伊勢というと、近年は四国への行き帰りに通るだけにとどまり、ある程度の時間をかけて滞在した経験が久しくありませんでした。正月の四国行きを見送っていたこともあり、この機会に埋め合わせておこうと思い立ちました。
直接の決め手となったのは、昼から呑める名酒場があると知ったことです。教祖の激賞する有名店を巡り、主なところはおおむね訪ねたつもりでいたはずが、伊勢については全くの盲点でした。四日市と津に寄り道して時間が押し、昼から一杯やるつもりが五時過ぎとなり、結局伊勢では一軒限りに終わったものの、それ以外にも気になる店はいくつかあり、いずれ再訪したいと考えているところです。
伊勢からは近鉄特急で大阪に移動し一泊。翌日は大津を訪ねて京都に泊まりました。大津のみならず、大阪に立ち寄る機会はありそうで滅多にないのが実情です。近年はごく短時間の滞在にとどまることが多かったため、久々に泊まれたのは収穫でした。
一日休みを加えたのは、名古屋に寄って帰るという目的があってのことですが、最終日が予想外の快晴となったため、高知に続き急遽レンタカーを手配しての活動となりました。これにより、一月と三月に続いて、名古屋に寄るための休みを三日も目的外のことに使ってしまい、有給休暇のやり繰りが次第に厳しくなってきました。しかし、実質初見といってもよい琵琶湖の西岸を訪ねることができ、休みを一日使った甲斐はあったと実感しています。直後に梅雨が始まって、活動は八月の連休まで二ヶ月弱の休止期間に入りました。
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