オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

都幾百姿 千代能かいたゝく桶の・・・

2017-07-24 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『千代能かいたゝく桶の底ぬけて ミつたまらねハ月もやとらす』

現代仮名: 『千代能がいただく桶の底ぬけて 水たまらねば月も宿らず』

明治二十二年印刷

 

安達千代野(あだちちよの)は鎌倉時代中期の御家人安達泰盛の娘

生没年未詳

北条顕時の正室 千代能とも。

 

国立国会図書館デジタルコレクション 029

 

千代能は、夫北条顕時が霜月騒動で

連座失脚したため 世を儚み出家します。

 

千代能は桶の水に映っている月を見ていて

どうすれば美しく映し出されるものかと

そう考えていたある夜、突然桶のたががはずれ

桶の水はいっきに流れ落ち

月の影は消えた

そして見上げると そこには本物の月があった。