菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

いまだ謎は解けないまま。   『名探偵ホームズ』シリーズ(1984~1986)

2010年04月27日 00時00分01秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第216回は、『名探偵ホームズ』シリーズ(1984~1986)



もっとも映像化された回数が多い探偵は、シャーロック・ホームズなのだそうです。
こないだまで、ガイ・リッチー版が公開したパンフレットで仕入れた知識。


で、今回取り上げるのは、アニメ版。
宮崎駿の手による擬人化された犬たちによるオリジナルのシャーロック・ホームズ作品。


TVアニメ・シリーズで、ご存知の方も多いとは思いますが、実は一番最初は映画だったんですね。
今回の【俺は好きなんだよ】はその映画版『名探偵ホームズ』です。
実は、『風の谷のナウシカ』と同時上映で、30分テレビアニメと同じフォーマットのものを2本流したのです。


それが、『名探偵ホームズ1 青い紅玉(ルビー)の巻』と『名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻』。


いつものように書きますと。
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【俺は好きなんだよ】は、『名探偵ホームズ1 青い紅玉(ルビー)の巻』(1984)


スタッフ。
監督:宮崎駿
製作:藤岡豊/ルチアーノ・スカッファ
脚本:片渕須直
作画監督:近藤喜文
撮影:高橋プロダクション/宮内征雄/細野正/平山昭夫/安津畑隆/大田勝美/小林武男
美術監督:山本二三
撮影監督:高橋宏固
編集:瀬山武司
作詞:竹花いち子
音楽:村松邦男
タイトル:宮崎駿
 
 
声の出演。
柴田イ光彦
富田耕生
信沢三恵子
大塚周夫
肝付兼太
二又一成
田中真弓
増岡弘
小宮和枝

 
物語。
19世紀のイギリスはベーカー街。
そこで暮らすひとりの紳士シャーロック・ホームズは、難事件を解決する名探偵だった。
彼は親友のワトソン医師と協力して事件を解決していた。
静寂を破り、ホームズの最大のライバル・モロアッチ教授が、怪鳥型飛行機とともに現れ、街は大パニックに。
その隙をついて、まんまと宝石店から秘宝“青い紅玉"を盗み出したモロアッチだったが、スリの少女ポリィに奪われてしまう・・・。

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『名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻』(1984)
 

スタッフ。
監督:宮崎駿
製作:藤岡豊/ルチアーノ・スカッファ
脚本:片渕須直
作画監督:丹内司
撮影:高橋プロダクション/宮内征雄/細野正/平山昭夫/安津畑隆/大田勝美/小林武男
美術監督:山本二三
撮影監督:高橋宏固
編集:瀬山武司
作詞:竹花いち子
音楽:村松邦男
タイトル:宮崎駿
 
 
声の出演。
柴田イ光彦
富田耕生
信沢三恵子
大塚周夫
肝付兼太
二又一成
玄田哲章
千葉繁
田中真弓
大塚芳忠
龍田直樹


物語。
悪の天才モロアッチ教授が、船隊司令官が極秘に開発してきた潜航艇を盗んだ。
おそらく彼の真の狙いは、探険家ラインサンダー大佐が発見したという、ナポレオンの軍資金だ。
ホームズは、大佐の船が通るドーバー海峡へと急ぐ。


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解説。
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズを原案にした宮崎駿監督の冒険活劇。
ホームズやワトソンなど、すべてのキャラクターを犬に置き換えている。
1984年11月から放映されたTVシリーズに先駆けて、本編と「海底の財宝の巻」の2編が作られ、『風の谷のナウシカ』と同時上映された。

ということらしい。


で、テレビ版でホームズを演じられた広川太一郎さんではありません。
かなりかっこいい感じになっていました。
しかも、モリアーティ教授がなんとモロアッチというややイタリア系?な感じの発音になっていました。

そして、1984年にテレビアニメ・シリーズとして放送になります。
この2本の映画版も修正され、エピソードの一つになりました。


テレビ放映題は、1が『名探偵ホームズ 青い紅玉(ルビー)』で、2が『名探偵ホームズ 海底の財宝』になります。
だから、この映画バージョンは今は見られないはずです。
それとも、ボックス版に特典とかで入ってるのかな?



実は、これジブリの前身のチームが下請けで作ったようです。
で、そのパイロット版を『風の谷のナウシカ』の同時上映にしたのですな。
当時、アニメは二本立てが当たり前でしたから苦肉の策だったのかも。



一応、TVアニメ・シリーズのデータも。

 
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『名探偵ホームズ』(1984~1985)

   
データ。
放映日 1984/11/06~1985/05/20
放映時間 19:00~19:30
放映曜日 火曜日
放映局 テレビ朝日


スタッフ。
監督:宮崎駿/御厨恭輔
演出:早川啓二/奥田誠治/宮崎駿/所すみお/荒木伸吾/富沢信雄/水谷貴哉
製作:藤岡豊/ルチアーノ・スカッファ
原作:コナン・ドイル
シリーズ構成:山崎敬之/島崎真弓
作画監督:近藤喜文/丹内司/山内昇寿郎/田中平八郎/柳野龍男/友永和秀/北原健雄
美術監督:山本二三
音楽:羽田健太郎
 
 
声の出演。
広川太一郎(ホームズ)
富田耕生(ワトソン)
大塚周夫(モリアーティ教授)
麻上洋子(ハドソン夫人)
飯塚昭三(レストレード警部)
増岡弘(トッド)
千田光男(スマイリー)

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で、その翌年に公開された『天空の城ラピュタ』と同時上映にも、この『名探偵ホームズ』から2本選ばれたのでした。

しかも、宮崎駿監督の話ではない。これが逆に映画的なスクリーンに映して面白いという話を選んだという感じがします。



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『続・名探偵ホームズ1 ミセス・ハドソン人質事件』(1986)


テレビ放映題は、『名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件』


スタッフ。
監督:御厨恭輔
演出:宮崎駿
絵コンテ:宮崎駿
製作:藤岡豊/ルチアーノ・スカッファ
プロデューサー:高橋美光
原作:コナン・ドイル
脚本:片渕須直
作画監督: 近藤喜文
撮影:杉村重郎/羽山泰功/小堤勝哉/池端隆史/坂田美保
美術:現代製作集団/千葉康之/牧野輝茂/脇猛志/加藤良恵
美術監督:山本二三
撮影監督:若菜章夫
編集:掛須秀一
音楽:羽田健太郎
音響効果:東洋音響
音楽監督:鈴木清司
タイトルデザイン:高具アトリエ
歌:ダ・カーポ

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『続・名探偵ホームズ2 ドーバーの白い崖』(1986)
 

テレビ放映題は、『名探偵ホームズ ドーバー海峡の大空中戦!』


スタッフ。
監督:御厨恭輔
演出:宮崎駿
絵コンテ:宮崎駿
製作:藤岡豊/ルチアーノ・スカッファ
プロデューサー:高橋美光
原作:コナン・ドイル
脚本:片渕須直作画監督: 友永和秀
撮影:杉村重郎/羽山泰功/小堤勝哉/池端隆史/坂田美保
美術:現代製作集団/千葉康之/牧野輝茂/脇猛志/加藤良恵
美術監督:影山仁
撮影監督:若菜章夫
編集:掛須秀一
音楽:羽田健太郎
音響効果:東洋音響
音楽監督:鈴木清司
タイトルデザイン:高具アトリエ
歌:ダ・カーポ

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そして、ジブリはついに、このあと、『となりのトトロ』の同時上映に『ほたるの墓』という、音楽で言えば、ダブルA面みたいな、宮崎駿監督作品と高畑勳監督作品という最強布陣で挑みます。
ところが、なんと、この最強布陣でさえ、当時は大ヒットとまではいってないのです。
コケたのではなく中ヒット程度。

ジブリが大ヒットしたのは、なんと『紅の豚』が最初。
もちろん、評価はすでに揺るがないものでしたが、それまでは、なぜか中ヒットに留まっていたのです。

コレが日本の観客の恐ろしさ。
最高の出来で、好評かを受けていた作家の3作目ですら、大ヒットまでは行ってないのです。

単純に宣伝量の差かもしれません。
しかし、『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』ときて、『となりのトトロ』と続いたのに、大ヒットまではいかなかったという恐ろしさは、邦画業界が抱える闇といえるでしょう。




話は戻って、この広川太一郎さんのちょっと江戸っ子風のホームズが好きなのよ。
最近は宮崎さんが描かなくなった大勢の仲間が協力して立ち向かったり、盛り上がったりするときの胸の張り方がいいのだけど、それがこのホームズにはたくさん出てきます。

定番といえば定番の善の二人組、悪者の3人組という配置が楽しい。




ダ・カーポの歌や美術にまで凝りまくった心地よいアニメ、こういうのこそ日本の誇るアニメだったずなのですが、いまや探すのが困難なほど、絶滅危惧種。
分かってもらえるかしら、オープニング曲『空からこぼれたStory』のイントロが流れるだけで、もうワクワクシはjめてしまうあの感じ。
もちろん、ソフトが時代を超えて発売されている今、お子らにもいくらでも見せてあげられるんだけどね。
エンディングテーマ『テームズ河のDance』の切なさを。
あー、面白かったと言いながら、あーあ終わっちゃった、また来週まで待ちきれないやってな気分も込みで味わってもらいたいなぁ。
とか思うのです。


センチメンタルとはまた少し違う、おセンチな気分と言いたくなるのさ。



生活と冒険が腕を組んだ永遠の30分。

ああ、このテイストを上手く引き伸ばしたアニメあまた見たいなぁ。
それはまた夢。
しかし、自ら、この味を映画で再現したく思うのです。



どうせなら、全26話全部を。
お、この話を映画館でやってたのか、と思いながら、その職人芸をご堪能あれ。



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