【俺は好きなんだよ】第1444回は、『幸せになるためのイタリア語講座』(2000)
原題は、『ITALIENSK FOR BEGYNDERE』。
英語題は、『ITALIAN FOR BEGINNERS』。
『イタリア語初級講座』。
製作国:デンマーク
上映時間:112分
配給:ザジフィルムズ
スタッフ。
監督:ロネ・シェルフィグ
製作:ピーター・オールベック・イェンセン、イブ・タルディーニ
脚本:ロネ・シェルフィグ
撮影:ヨルゲン・ヨハンソン
出演。
アナス・W・ベアテルセン (アンドレアス/牧師)
ピーター・ガンツェラー (ヨーゲン・モーテンセン/ホテルマン)
ラース・コールンド (ハル・フィン/レストラン店長)
アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン (カルメン/美容師)
アネッテ・ストゥーヴェルベック (オリンピア/パン屋店員)
サラ・インドリオ・イェンセン (ジュリア/ウェイトレス)
物語。
冬、デンマーク・コペンハーゲン近郊のとある町。
妻を亡くしたばかりのアンドレアスは、臨時牧師としてこの町を訪れ、教会が用意してくれたホテルに泊まる。
そのホテルのお人好しなフロント係ヨーゲンは、レストランで働く親友のハル・フィンにクビを宣告する役を上司から押しつけられ、困惑する。
ハル・フィンのレストランのウェイトレスのジュリアはヨーゲンへ秘かに想いを寄せている。
パン屋の店員オリンピアは偏屈な父親と毎晩の喧嘩を減らそうとイタリア語講座を受けることに。
美容師カーレンはアルコール依存症の母を抱えていた。
そんな彼らは、市の主催する週に一度のイタリア語初級講座で顔を揃えようとしていた。
それぞれに悩みを抱えた独身男女6人が、イタリア語講座を通じて生きる希望を見出していく姿をほろ苦くも後味爽やかに描く大人のラブ・ストーリーを軸にしたドラマ。
ベルリン国際映画祭銀熊審査員賞受賞をはじめ世界各国で高評価を得た。
監督・脚本は、これまでTV映画や演劇など多彩な作品を手掛け、本作で日本初紹介となった女流監督ロネ・シェルフィグ。
ラース・フォン・トリアー監督が提唱する“ドグマ”作品では初の女性監督作でもある。
以後、英語作品を手掛けるようになり、『17歳の肖像』、『人生はシネマティック!』、『 ワン・デイ 23年のラブストーリー』、『ニューヨーク 親切なロシア料理店』と良作を連打し続けている。
見ようとリストに入れたいて、ようやっと見られた一本。別に見るのが難しい作品ではないのだけど、後回しにしていたもので。
じわっと来るいい作品でした。ドグマらしさとらしくなさが同居してるのもよかった。
ドグマ独特の生っぽさを群像にすることで実際のドラマが起きた瞬間をつかまえて、つなげたような感じになってます。
ドグマ95やマンブルコアなど、日本だと忘れられたようなムーブメントとなっているが、そこから出た作家(前者のロネ・シェルフィグ、トマス・ヴィンターベア、スサンネ・ビア、アナス・トマス・イェンセン。後者のノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ、デヴィッド・ゴードン・グリーン、ジョー・スワンバーグなどなど)が今の映画界で輝いているのよね。女性作家も男性作家も。
(トマス・ヴィンターベアは今年の米アカデミー賞の国際映画賞受賞ですし)
そこには、日本映画界が見なくちゃいけない、映画とどう向き合うかのヒントが隠れていると思うのです。
どちらのムーブメントも愛するものとしては。
アナス・トマス・イェンセン(Anders Thomas Jensen)は、過去の表記はアンダース・トーマス・ジャンセンです。
エンドクレジットもドグマスタイルで貫いている上に粋。