で、ロードショーでは、どうでしょう? 第639回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ブラック・ハッカー』
サイコパスのハッカーに狙われた女優の危機を救おうと奔走する青年の運命を全編パソコンのモニター上で展開し、約100分をリアルタイムでかけぬける新機軸のサスペンス・スリラー。
スペインの異才ナチョ・ビガロンドが監督・脚本。
物語。
「僕はニック。新作完成おめでとうございます。僕はあなたの大ファンで、今夜のあなたとの会食をとても楽しみにしています」
ニックは、スタッフの指示に合わせて、自己紹介ビデオの撮影を終えた。
ニックは、人気女優ジルのファンサイトを運営しており、彼女の新作映画のキャンペーン企画に応募したところ、幸運にも彼女と会食できる権利を獲得したのだ。
今夜、そのジルの新作の会見が行われており、その後で会食になる。
ホテルの一室で、ニックは会見のパソコン中継を見ながら、待機していると、スタッフから会食が中止になったと連絡が入る。
お詫びだと送られてきたURLをニックがクリックすると、ジルの携帯電話のカメラの映像が映し出された。
おかしい、と感じた時には遅かった。
罠にはまったニックは、コードと名乗るハッカーの悪質な要求の言いなりになるしかなくなっていた。
コードの狙いはジルで、ニックを操り、彼女を破滅に追い込んでいく。
ニックは、がんじがらめの中、必死でジルの救出を図る・・・。
出演。
ニックに、イライジャ・ウッド。
ジルに、サーシャ・グレイ。
コードに、ニール・マスケル。
ほかに、アダム・キンテーロ、イバン・ゴンサレス、レイチェル・アリエフ、ハイメ・オリアスなど。
撮影は、ヨン・D・ドミンゲス。
画面の質を保って、監視カメラなどなのに実に見やすい。
編集は、ベルナ・ビラプラーナとセルヒオ・ロサス。
複数の画面で起こる出来事を同時進行で見せる革新的なマルチ・ウィンドウ方式を表現しきる。
音楽は、ホルヘ・マガス。
映画のコンセプトに合わせたマルチな音楽ジャンルを聴かせてくれる。
スタイルと勢いは驚きのレベルだが、そこに特化しすぎて、ストーリーは少々弱めではある。
けれど、このマルチスクリーンと同時間展開は初めての体験。
この雰囲気だけでもいいのよ、って新しもの好きにはたまらない意欲作。
おまけ。
英語題は『OPEN WINDOWS』。
ウィンドウを開け、と、新しいものを受け入れろ、とのダブルミーニングでしょうね。
字幕がこういった内容なのに、少しわかりづらいのが、残念。
キャッチコピーは、「そのワン・クリックで、あなたの人生は破滅する。」
最近、あらすじや紹介が間違えている(意図的に?)映画が多く、この『ブラック・ハッカー』もその一つ。
例えば、ニック自身が怪しげなURLにまんまとひっかかったかのような書き方をしてあったが、劇中ではかなり巧妙な罠にはまっており、それを怪しげに見えるのは観客だけだったり。
サスペンスは紹介しづらかったりするもの(特に『ブラック・ハッカー』は変な展開をするので)ではあるが。
『インターステラー』もそこそこそういうところがある。
まぁ、クリストファー・ノーランの秘密主義も関係しているのかもしれないが、映画見ればわかるようなことなんだよね。
もしかして、見てないのか?
ネタバレ。
中盤までの面白さは素晴らしいが、中盤からの妙にご都合主義な展開がかなり辛い。
最強のハッカーのネバダの罠のお粗末さとトリオップスの目的に意味不明さ、そもそもジルの引退と拉致が目的ならネバダを狙うリスクは大きすぎるし。
けど、この大風呂敷感は嫌いじゃない。
観客を楽しませたいという思いの暴走を感じるからね。
イライジャ・ウッドは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』に続いての奇作スリラーへの出演だし、『マニアック』や『シン・シティ』などの攻めた役柄をやってくれていて、めちゃくちゃ好感持ってます。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ブラック・ハッカー』
サイコパスのハッカーに狙われた女優の危機を救おうと奔走する青年の運命を全編パソコンのモニター上で展開し、約100分をリアルタイムでかけぬける新機軸のサスペンス・スリラー。
スペインの異才ナチョ・ビガロンドが監督・脚本。
物語。
「僕はニック。新作完成おめでとうございます。僕はあなたの大ファンで、今夜のあなたとの会食をとても楽しみにしています」
ニックは、スタッフの指示に合わせて、自己紹介ビデオの撮影を終えた。
ニックは、人気女優ジルのファンサイトを運営しており、彼女の新作映画のキャンペーン企画に応募したところ、幸運にも彼女と会食できる権利を獲得したのだ。
今夜、そのジルの新作の会見が行われており、その後で会食になる。
ホテルの一室で、ニックは会見のパソコン中継を見ながら、待機していると、スタッフから会食が中止になったと連絡が入る。
お詫びだと送られてきたURLをニックがクリックすると、ジルの携帯電話のカメラの映像が映し出された。
おかしい、と感じた時には遅かった。
罠にはまったニックは、コードと名乗るハッカーの悪質な要求の言いなりになるしかなくなっていた。
コードの狙いはジルで、ニックを操り、彼女を破滅に追い込んでいく。
ニックは、がんじがらめの中、必死でジルの救出を図る・・・。
出演。
ニックに、イライジャ・ウッド。
ジルに、サーシャ・グレイ。
コードに、ニール・マスケル。
ほかに、アダム・キンテーロ、イバン・ゴンサレス、レイチェル・アリエフ、ハイメ・オリアスなど。
撮影は、ヨン・D・ドミンゲス。
画面の質を保って、監視カメラなどなのに実に見やすい。
編集は、ベルナ・ビラプラーナとセルヒオ・ロサス。
複数の画面で起こる出来事を同時進行で見せる革新的なマルチ・ウィンドウ方式を表現しきる。
音楽は、ホルヘ・マガス。
映画のコンセプトに合わせたマルチな音楽ジャンルを聴かせてくれる。
スタイルと勢いは驚きのレベルだが、そこに特化しすぎて、ストーリーは少々弱めではある。
けれど、このマルチスクリーンと同時間展開は初めての体験。
この雰囲気だけでもいいのよ、って新しもの好きにはたまらない意欲作。
おまけ。
英語題は『OPEN WINDOWS』。
ウィンドウを開け、と、新しいものを受け入れろ、とのダブルミーニングでしょうね。
字幕がこういった内容なのに、少しわかりづらいのが、残念。
キャッチコピーは、「そのワン・クリックで、あなたの人生は破滅する。」
最近、あらすじや紹介が間違えている(意図的に?)映画が多く、この『ブラック・ハッカー』もその一つ。
例えば、ニック自身が怪しげなURLにまんまとひっかかったかのような書き方をしてあったが、劇中ではかなり巧妙な罠にはまっており、それを怪しげに見えるのは観客だけだったり。
サスペンスは紹介しづらかったりするもの(特に『ブラック・ハッカー』は変な展開をするので)ではあるが。
『インターステラー』もそこそこそういうところがある。
まぁ、クリストファー・ノーランの秘密主義も関係しているのかもしれないが、映画見ればわかるようなことなんだよね。
もしかして、見てないのか?
ネタバレ。
中盤までの面白さは素晴らしいが、中盤からの妙にご都合主義な展開がかなり辛い。
最強のハッカーのネバダの罠のお粗末さとトリオップスの目的に意味不明さ、そもそもジルの引退と拉致が目的ならネバダを狙うリスクは大きすぎるし。
けど、この大風呂敷感は嫌いじゃない。
観客を楽しませたいという思いの暴走を感じるからね。
イライジャ・ウッドは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』に続いての奇作スリラーへの出演だし、『マニアック』や『シン・シティ』などの攻めた役柄をやってくれていて、めちゃくちゃ好感持ってます。