で、ロードショーでは、どうでしょう? 第197回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『恋とニュースのつくり方』
『ノッティング・ヒルの恋人』のロジャー・ミッチェルと、『プラダを着た悪魔』の製作チームが作り上げた女性を主人公に描くお仕事コメディ。
で、そのお仕事は、TVのプロデューサー。しかも、朝のワイドショーの担当。
しかも、その全国ネットで、ワイドショーの中では最下位の番組。
それをどう立て直すのかというお話。
だから、恋の話も出てくるけど、それはどちらかというと脇役。
このバランスがいいのよね。
主役は、レイチェル・マクアダムス。
彼女がいいのよ。
主張するたびに、歌い出しそうといわれる繰り返すギャグが花につかないほどの元気なキャラクターを活き活きと演じています。
健康的なお色気も嬉しい。
真ん丸お尻からも、元気があふれているのを感じるのよね。
彼女を悩ませるのが、報道畑ごりごりのジャーナリストにハリソン・フォード、お局MCにダイアン・キートン、上司にジェフ・ゴールドブラムというひねくれコメディのベテランたちが強烈な役をさらっと一癖加えて、演じています。
彼らの難癖が彼女をまた輝かせるのよ。
カリカチュアライズの妙味を楽しませてくれます。
記号的な構図とレンズ選択などの的確さが、さすがなんですが、カリカチュアライズとリアリティのバランスにあまり妙味がなかったところとその品の無さが、アメリカでは受けなかったようですが、逆に日本では、そのコミカルさが、ちょうどいいかも。
『プラダを着た悪魔』は、威厳があったのよね。
メリル・ストリープがコメディに転ばなかったことと、スタンリー・トゥッチが、上手くバランスをとってたのよね。
コメディは、本当にこういうバランスが難しい。
ダイアン・キートンでも下品さを抑えきれなかったみたい。
ハリソン・フォードは、威厳があるタイプじゃないしね。
でもね。今の日本はどうも元気がないですから、これぐらい発破かけてもらった方がいいと思うのです。
ある意味では、雄々しいヒロインと女々しいジャーナリストの21世紀的逆転ジェンダーコメディ。
そこがおいらの好みだったのよね。
今度は、映画の女性プロデューサーとかのお仕事ものとかも作られそうね。