菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

狼が来た!  『さらば復讐の狼たちよ』

2012年07月21日 00時00分40秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第325回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『さらば復讐の狼たちよ』




チアン・ウェンの中華西部劇。

80年代香港映画的な怪しげな画に膨大なプロットと編集で押し進める。


チアン・ウェン主演、共同脚本、監督のワンマン映画だけに、その統一感は素晴らしい。
見たことああるようで、全く見たことない映画になっているのだ。


ハマる人はドハマリする可能性高し。苦手なところがあり、ハマれなかったものの映画的な興味は尽きない。

実際に、中国では史上最大のヒット作となっている。
込められて隠喩を紐解かんとリピーターが続出したらしい。


挑戦作であることは確か。

恐ろしいほどの素早いカットバック、シーンのスピードを上げる、凄まじい数のプロットを処理する、影武者や偽装、嘘、隠喩直喩の嵐、多い登場人物で、シンプルなストーリーを複雑に語り上げる、容易なカタルシスには逃げ込まない。

この部分だけで言うならば、セリフと視点の膨大さで物語った『ソーシャル・ネットワーク』を膨大な嘘とプロットによって、アジア的な方法論として成し遂げている、とも言えるのだ。

この情報量と、速度感に乗れたら、これは、きっと面白い。






おまけ。
セリフのキレはさすが。
セリフの文字数制限をして、意味と速度を濃縮させたのだと。
五言絶句や七言絶句をでシーンをまとめるなどの方法もとったそう。



邦題がかなり今一つ。
チョウユンファのイメージを生かしすぎ。
チアン・ウェンのイメージと混ぜるなら、『狼が来た!』ってのはどうか。
狼少年的なイメージも加わってアリじゃないかと。
原題は『譲子弾飛』で、『弾は放たれた、まぁ見てな』的な意味になるらしい。
英語題は、『LET THE BULLETS FLY』で、『弾丸を撃ち合おうという感じかしら。











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