mola_circus モラを楽しむ

パナマのクナ族が着ているモラ(ブラウス)は、模様がまるで絵画のようです。いっしょにモラを楽しみませんか。

北斎と広重 展 続き

2024-09-09 | 美術館
きのうは北斎の作品を見ましたが、
きょうは広重の作品を見ていきたいと思います。



東海道五拾三次之内 原朝之冨士




蒲原夜之雪




舞坂今切真景


北斎が「冨嶽三十六景」を書き終えた後、

広重は「東海道五拾三次之内」を30代で描き始めています。

北斎は1760年、広重は1797年生まれです。

北斎は90の長寿でしたが、
広重は62歳でなくなっています。

【北斎の没後、
広重は「不二三十六景」「冨士三十六景」を制作、北斎の「脚色した風景」ではなく、
「見た風景そのまま」を描きました。
北斎を意識したことは間違いなく、対抗心もあったことでしょう。】

これは解説から導いた物で、
私の知識ではありません。





私が思うに、
対抗心はあったにせよ、シラミがわいても構わない北斎と、居住まいのきちんとした広重では、元々個性の違いを感じずにはいられません。

それは否応なく絵にも現れる物だと思います。



会場にはこの他にも、
北斎と広重を比べる物がありましたが、

それは絵の本質ではないと感じました。

もちろんそのように比べることに異議があるわけではなく、ただの感想です。



東海道風景図絵 1851

東海道の各宿場の風景を描いた版本



冨士見百図 1859

波の表現も北斎と広重では自ずと異なります。



名所江戸百景 八ッ見のはし 1856





安藤家に残されていた遺品のうち
袂落とし(財布)と煙草入れ


会場で撮影することができましたので、帰ってからじっくり作品の解説を見たりして、
好きな絵を載せることができました。


北斎と広重、
偉大な二人の絵師の、
数多くの作品を見ることができたのは幸せでした。










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北斎と広重 展

2024-09-08 | 美術館
OPAMで開催中(きょうが最終日)の
「北斎と広重」展の紹介です。






今回の展示は、
東京都江戸東京博物館のコレクションより、
風景版画で双璧をなす
葛飾北斎と歌川広重の名作
「冨嶽三十六景」と「東海道五拾三次之内」が数多く出展されています。



東海道金谷ノ不二



山下白雨

いずれも藍を基調の鮮烈な色彩です。
綺麗!


北斎の版画はこれまでも何点かは見たことがありますが、
これほど充実した展示は初めてです。

「冨嶽三十六景」は北斎が70歳を超えてからの作品です。(1831〜1833年)

あまりにも有名で北斎といえばこれですが、

長い作家人生で、
摺物、読本、風景版画、肉筆浮世絵など
制作しています。

これは、


「東都勝景一覧」1800年
彩色摺りの狂歌絵本です。

版画の大きさは今までにも見たことがあり、
大体の想像をしながら会場に入りましたが、

これはちょっと衝撃でした。

小さな冊子にこんな緻密な絵が書かれています。

北斎という人は、70年以上の絵師人生で、
名前を変えながら、また引っ越しも90回以上と、常人には理解が及ばない人のように思えます。

会場に作られた「画室模型」が目を引きますが、




中を見ると、すごい形相の老人が、
絵筆を握っています。

読み辛いとは思いますが、
どうぞタップして読んでみて下さい。

北斎の人となりが凝縮されているような威圧感があります。

こんな環境だと引越しも納得の感有りでしょうか。

この時、北斎83歳






90年の生涯を閉じる時も、
死の間ぎわ、あと10年、せめて5年の命をと願ったそうです。




会場出口近く置かれていた記念撮影スポット

「北斎と広重」展、
「冨嶽三十六景」全てが展示されたそうですが、前後期と展示替えがあって、
残念ながら後期では見られませんでした。





会場は、北斎の画業から始まり、
広重へと、進みます。

年齢も37歳離れていて、2人の間に実際はどんな接点があったのかなかったのか、

広重は北斎から影響を受けて、
「東海道五拾三次之内」を描き始めます。


私のような素人が見ても、
北斎と広重の絵は佇まいが違います。

この二人を繋ぐものは、
広重の方にあるようです。




もうここで私の気力も続かなさそうで、
広重の版画は明日に続きます。🙇







コメント (2)
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佐藤健寿展

2024-08-22 | 美術館
大分市美術館で開催中の

佐藤健寿展へ行ってきました。



パンフレットより

このパンフレットを見ると、
どんなおどろおどろしい世界かと身構えてしまいます。

佐藤氏は「奇界」という言葉で表現しました。
(奇界は登録商標なんだそうです)

会場内は撮影できなかったのですが、

館内所々に、








こうした撮影スポットがありました。


会場ではタイトルごとに、
例えば「居住 生きた歴史」「廃墟 朽ちた未来」「自然と人類」というように順を追って見てきました。

とっても変わった居住区や、軍艦島の廃墟など、人が住んでいる場所、また廃墟になってしまったものなど、

でもいずれも人が作り、人がかかわってきた世界です。

「奇界」とだけでは表現できない「世界」がそこにはあります。

人の世界だと思えば納得もできます。



北朝鮮 マスゲーム


パンフレットの他に
奇界/世界 撮影地点マップと出品リストも、



折りたたんでしまって🙏


これまで世界120カ国以上を巡り収めた
200点あまりの作品を見ました。

九州初開催ということで、
大分で撮り下ろした作品もあります。

興味深かったのは、
パンフレットにもなっている、

何かが炎上する写真ですが、
これは2017年、宇佐で撮られた「御殿灯籠」が燃やされる姿です。

会場にはとても立派な「御殿灯籠」が飾られていました。

死者を弔う物です。


世界中にそれぞれ葬送の仕方や奇妙なお祭りなどがありますが、
大分もケベス祭りや、姫島のキツネ踊りなど
なんだか負けてないな??、と、
変な感想を持ちました。


🔹🔹


これは、
もちろん会場のものとは違いますが、




彩虹眷村も展示されていたので、


2017年12月27日撮影




どんなものか
僭越ながら私が見て来たものを載せます。


台湾の台中にある村で、
1960年ごろ建てられたものの、
取り壊しの計画が持ち上がり、

住んでいた黄永阜さんがそれならばと、
2008年から
こんなカラフルな絵を描き始めたそうです。






取り壊されることなく、
今では彩虹芸術公園として保存され、
多くの観光客が訪れています。

🔹🔹


会場の写真がないので、
お伝えするのが難しいのですが、

人ってどんなことでもするなー という驚きに満ちていますので、

ぜひ会場でご覧ください。

人気らしく、
暑いにもかかわらず、たくさんの方が来られていました。

コメント (4)
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モラ体験

2024-07-24 | 美術館
以前、パナマにモラ博物館ができたことを書きましたが、


サイトで詳しくみる事ができ、
また翻訳機能を使って内容も知る事ができます。

このようです。



知りたいと思っても言葉の壁がありましたが、

今は本当に便利で、

瞬時に日本語に変換してくれるので、

全体の内容も把握する事ができます。


また、
Instagramのページを開けば、





動画で館内の様子がわかり、

たくさんのモラも見ることができ、

そこで行われているイベントも知れます。


興味のある方はページを開いてみてください。


パナマに行きたい、モラを見たいと思っても、遥か遠い国だった時代を思えば、

なんと軽々と思いが叶うものかと思わずにはいられません。

もちろん実際に目で見ることに敵わないでしょうが、

それでも便利なことよと思ってしまいます。



おやつをいただきながら






感謝して 🥹
ネットサーフィンと参りましょうか。




 






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2024-07-13 | 美術館
OPAMで開催中の、
「没後50年 福田平八郎」展
後期出展の「漣」を見るために行ってきました。

撮影オッケーでしたので、撮ってきました。






光が入るので、斜め遠くから撮りました。

二曲一隻 大きさは157×184.8㎝






群青の線で波紋だけが描かれています。





画面左下に、著名と角印がみられます。

描かれた当時は、きっとハッとするくらい群青が映えていたのでしょうね。


制作は昭和7年(1932)ですので、
90年以上もの歳月が過ぎて、
今尚、人々の心をうつ作品です。

会場出口に、
晩年の写真と、こんな言葉が掲げられていました。

 人間は凡人になるほど

 落ち着くようだ

 俺らは画にこそ多少

 自信はあっても

 どだい凡人であることを

 欣んでいる





会期も残すところわずかですが、


2階、お隣の会場で、
水に着目したOPAM所蔵のコレクション展も
合わせて見られると良いかと思います。








会場入ってすぐ
大迫力の
岩澤重夫の「天響水心」が見られたのが嬉しかったです。

何度見ても大好きな作品です。

椅子に座っていつまでも見ていたいと思わせてくれます。



きのうは猛暑も一段落で、
海辺の風は心地よかったです。









コメント (2)
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