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ねこやま

徒然備忘録

図書館革命 / 有川浩

2010-11-10 13:21:23 | 有川浩
抜粋

は特にないようなので、なし。






















シリーズ最終巻。4冊目。
堂々のラスト。
少女漫画なら花丸をつけてもいいぐらいしっかりと終わってくれた。
個人的には手塚(弟)と柴崎のつかずはなれずの関係がすき。
そりゃー、そうだ。
あっちもこっちもあっちっちで、かっぷるだらけじゃおもしろくない。
恋愛小説としてとてもうまく出来上がってる。

この人の描く女性はみんな強い。ほぼ。
弱っちくても大抵が芯がとおった骨太な印象を受ける。
今回のあとがき読んで思ったけど、
ほとんどの女性像は自分がモデルになってるんじゃないかな。
勝手で傲慢な推測に過ぎないけれど。
メディア良化委員会側の話がまったくなかったわけだけど、
それについての読者からの指摘を一刀両断。
あえてそれについては書かなかったわけで、
さらにはその理由をここ(あとがき)に書こうとは思わない。
と断言されており、すごく勝気な印象をうけた。
これじゃ、登場人物でいう郁みたいだ。
もっとやわらかい言い方した方が世の中渡るの楽だろうに・・・
なんて勝手に心配した。
その姿勢は何か信念があってそうしてるわけで、
それを一部の読者は知りたいんだけども、
こうガツンといわれるといっそ清々しい・・・カッコイイ女だな~。

まぁ、わたしもその一部の読者に入るんだけど。
気になるけど、本人がそういうなら、まぁ、いっか~。
という程度の興味なのでサラッと流した。

他の巻のあとがきでもけっこうサバサバ書いていて、
気になったのは出版社からの希望と自分の書きたいものの折り合い。
使っちゃいけない言葉についてのお話とか。
使用禁止用語みたいな話がたしか2巻あたりででてきたのだけれど、
規制がいろいろあって、書きたいものが思うようにかけない!
という作家さんならではの苦悩、というか、不満が書いてあった。
今回の最終巻はそれの延長線上の話になるわけで、えーと・・・
ある作家さんの小説がどっかのテロの見本になったんじゃないか
というメディア良化委員会対その作家さんの保護を受け持つ図書隊の抗争
そして、そんな法律を作った国を相手取って未来企画ってとこが
そこらへんの憲法をいじれないかっていうような感じで。

ずいぶんデカイ話で、リアリティがないっちゃーないし、
いずれ日本もそんな風になっちゃうっていう危険性もなきにしもあらず
だから、リアリティはある、、、のかなぁ~?
という微妙な設定でここまで突っ走ってきた図書館シリーズ。

大昔、ヒットラーは本を焼いた。
そんな時代が、日本にもくるかもしれないという警鐘なのかな?
暫定税率が何十年もの間暫定を繰り返して
国民の目をかいくぐってきたように、
知らぬ間にそんな法案が作られて、後からわーわーいっても、
遅いんだぞってことなんだろうな。
そりゃ、本なんて直接自分たちの生活に関わるっていったら、
そうじゃないと思う。
本が明日から消えたらとまどうけど、
衣食住が明日から消えてしまったら路頭に迷うしかないもの。
そういうものが保障された先にあるものがそういう文化であって、
そんな法案がひっそりと憲法に追加されていたって、
困ったことが起こらなければ国民は気づかないのだ。

あーあ、考えてたらなんか暗くなってきた。

怖い事件が多い昨今の日本。

どうやったら良くなるんだろう。

考えが暗くなったのはきっと雪のせいだな。

二月もよろっと中旬だってのに、まだ雪が降る。

雪はもういいよー。


2008.02.13


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