本日(1月14日)、岡山市の産廃問題を考える会と岡山医療生協環境平和委員会が共催して、緊急産廃問題学習会をひらきました。
学習会では、河田正一岡山市議が概要次のように報告しました。
(株)西日本アチューマットクリーンが、岡山市北区御津虎倉に約50万立方メートルの管理型産廃最終処分場と中間処理施設(焼却施設、破砕施設、汚泥脱水施設、廃油の油水分離施設)を設置(建設)しようとしている。
2001年に産廃施設の建設計画が表面化し、翌2002年に御津産廃阻止同盟が設立され建設反対運動が展開された。
2009年に岡山市が建設を許可したため、同盟は2010年に建設差止仮処分を岡山地裁に申請。仮処分が棄却され、2011年に業者に対し建設差止(民事)、岡山市に対し建設許可取消(行政)を求めて提訴した。
民事訴訟は同盟側が2審で逆転勝利して最高裁で確定(2015年)。
行政訴訟は同盟側が2審まで敗訴していたが、最高裁が口頭弁論の開始を通告(2015年)し、同盟側の逆転勝訴の可能性が高まった。すると岡山市は業者に裁判経過を報告し、業者は市に建設許可の職権取消受諾の上申書を提出し、市は職権取消を行った。そのため、最高裁は同盟側の訴訟の利益がなくなったとみて上告を棄却(2016年)、業者と市に対する不利な判決が出されないこととなった。
2016年、業者は当初の建設許可申請を「補正」して再申請。市は再申請を受理し、地元の同意、環境アセスなどを省略したまま、産廃建設計画書の告示縦覧を開始した。その後、縦覧文書の不備が指摘され、市は再度、告示縦覧を開始(2016年12月)。それに対する意見書提出期限は2017年1月27日となっている。
問題点1.建設許可の職権取消は、違法、不正があった場合に行われるが、それがないのに任意の職権取消はできない。
問題点2.職権取消の後に再度申請し、許可や不許可になった事例はどこにもない。
問題点3.職権取消により業者は最初からの手続きをすべきであるが、地元の同意などを省略して、告示縦覧を始めている。当初の地元同意者は故人となっている。また、当初の環境アセス時には発見されていなかった希少動物であるオオタカやブッポウソウがその後に発見されている。
問題点4.建設計画の浸出液調整池の容量が当初の3700トンから7000トンに補正されているが、過去に6日間雨が降り続いたことがあり、7000トンでも容量が不足する。
問題点5.産廃処分場の稼働計画は20年となっているが、稼働終了後に調整池にたまった汚染水は蒸発散処理が行われないため、汚染水が垂れ流しになる。
など。
最後に、御津産廃阻止同盟の中原寿会長が、多くの意見書を提出してほしい(提出先は岡山市産業廃棄物対策課。期限は1月27日)と訴え、今後の反対運動の計画を紹介しました。