岡山市の水を守る岡北の会

旭川流域で有害物質が浸・流出する危険性のある御津産業廃棄物処分場を建設・操業することに反対し、岡山市の水を守る活動を発信

建設差止訴訟で原告らが意見陳述

2011-05-31 | 記事
支援者集会 5月31日、岡山地裁で、御津虎倉産廃処分場の建設差止裁判がひらかれ、被告側が訴状に対する答弁書を提出し、原告側が意見陳述しました。次回期日は8月30日午前10時です。

 原告を代表して、御津産廃阻止同盟会長の中原寿さんは、災害時の業者の対応マニュアルでは「豪雨時に埋立地をブルーシートで覆う」など非現実的であること、汚染水が流出したら6km下流の紙工(しとり)浄水場に、そして下流の三野浄水場に流れ、40万人の飲み水に影響すること、設置業者は箕島処分場での埋立容量超過などの違反を繰り返していることなどを指摘し、11年間も安全・安心な生活が脅かされながら生活してきた私達の思いを理解していただきたいと法廷で陳述しました(陳述書PDF)。

 原告代理人の河田英正弁護団長は、この産廃処分場の建設は、立地に問題があり、多くの市民の命と生活がかかっており、行政が業者の違法状態の是正を終えないうちに許可しているという問題があり、仮処分では業者の主張だけをそのまま採用しているなどの問題があり、安全性を厳しく慎重に見極めた公正な判断を求める陳述をしました(意見陳述PDF)。

 閉廷後、岡山弁護士会館で支援者の集会が開かれ、裁判の状況を報告しました(写真)。

集いの報告ビラを河本町内に配りました

2011-05-30 | 記事

 5月30日、先日の「御津産廃問題を考える集い」の報告ビラ(表と裏で2頁)を河本町内に配りました。

 配っていると、「私は産廃予定地近くの出なのよ」、「だんだん環境がわるくなるなあ。署名をしておくから」などの声が聞かれました。

 報告ビラにある講師の話は次の通りです。




吉備新線ができて産廃処分場と被害が始まった
 私は足守に住んでおります神田と申します。
 岡山から吉備高原都市へ行くいい道ができてから、その道路から近い谷へ次々に産廃処分場が出来てきて、やがて汚い水が出るようになりました。処分場を見に行くと、硫化水素系の激しい臭いがしました。やがて半年か1年ぐらいすると、付近の谷川に黒い水が流れたり、くさい水が流れ出して、近所の人が大騒ぎして岡山市へ通知しました。
 調べると大変な汚れ具合で、庄田のアクアテクノ処分場付近でBOD(生物的酸素要求量)が基準値の120倍の2400mg/Lもありました。真星のエスエスケーの処分場では、未だに汚い水が浸み出た農業用のため池があり、業者がばっ気しています。その下流の水田の米は、農協が買わない時期もありました。
足守川で骨曲り魚・・近くには廃電線の焼却場
 足守川の中流域に廃電線の野焼き場があったんです。ビニール被覆を燃やして銅線を取って売るための施設です。約20年間燃やし続け、残った灰が3000㎥くらいありました。ビニールを燃やすとダイオキシンが出るということが話題になった時期で、岡山市に何度も頼んでやっと量ってくれたら何と44000ピコグラム。当時の日本で報道された2番目ぐらいのダイオキシン量でした。
 この谷川の近くに、私の小学校の同級生がおりまして、「雨が降るとのお、上から真っ黒な水が流れ出すんじゃ。そうしょったら、そのうちハエが白い腹を出してぷかぷか流れ出すんで」と言っておりました。
 1998年の夏、私の友達が夜ぼりで獲った4匹のハエのうち3匹の背骨がくにゅくにゅっと曲っておりました(写真)。それで、自分でも投網や夜ぼりで獲ってみると、98年が16匹獲って骨曲がりが8匹、99年が24匹獲って8匹、00年が57匹獲って2匹、01年が13匹獲って1匹というようなことで、この頃になって岡山市がやっと灰の撤去を始めたのです。
安定型処分場(=河内)では付着物が悪さをする
 御津河内の処分場(=安定型)に何が捨てられるかというと、がれき類、ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず、ゴムくず、金属くず、廃プラスチック類で、一番下に堰堤を置いて、これが谷に積み上げられます。問題は、その捨てられたコンクリートやプラスチック類について来る付着物、これが悪さをするんです。付着物でひどいものがあって、それが足守川で現実に見た汚い水となるのです。
管理型処分場(=虎倉)ではシートが破れる
 虎倉の管理型処分場というのは、焼却施設、破砕施設、汚泥の脱水施設、廃油の油水分離施設があり、ありとあらゆる、核廃棄物以外のものは何でも処理でき、いわばゴミのエッセンスをつくり、それが50万立方メートルも埋められます。業者は、底に二重にシートを敷くから大丈夫だとか、漏れたら漏れたところが判るような仕掛けをするから大丈夫だとか言いますけど、厚さ1.5mmのポリエチレンシートを二重に敷いても、何十万㎥という廃棄物を捨てると下の地盤にもの凄い圧力がかかる、それで下の地盤次第では、強いところや弱いところがあるから均等に沈下しない、不等沈下を起こしたらもう瞬く間にシートが破れて、その汚いゴミを通して雨水がどんどん地下に浸透するということです。
産廃反対はエゴではなく、命や健康をかけた運動
 中には、地元の人が反対するのに対して、「それはお前らのエゴだろうが、自分らもゴミを出しておるじゃあないか、それが嫌だというそんなエゴは許されんぞ」ということで反対運動がひるむというようなこともあるようだけれど、反対運動は自分らの命や健康をかけた運動であって、これをエゴだと言われたんではたまったもんではないんで、反対する権利は十分あるんです。

河本町内会の公会堂で集いをひらきました

2011-05-22 | 記事
 5月22日午後、岡山市北区玉柏の河本公会堂で、足守川の水を守る会の神田利男会長の話を聞き、意見交換しました。

 神田さんは、産廃処分場が危険だと判ったのは15年ほど前です、と前置きし、次のように話しました。
 吉備新線という、岡山から吉備高原都市へ行く良い道ができ、その道路から近い谷へ次々に産廃処分場ができました。できると、やがて汚い水が流れ出し、近づくと激しいにおいがしました。未だに汚い水が流れ出ている農業用のため池もあり、下流の水田の米は農協が買わないという被害も出ています。
 また、廃電線の野焼きで3000立方メートルの灰が残され、雨が降ると真っ黒な水が流れ、近くでは背骨が曲がったハエが釣れていました。
 御津河内に計画されている安定型処分場には、がれき類、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、ゴムくず、金属くず、廃プラスチック類が捨てられます。これらの品目だけならそれほど危険ではないかもしれませんが、それらに付いてくる付着物が問題で、現に足守川では汚い水が流れてきています。
 御津虎倉で許可(裁判中)された管理型処分場には、安定型で捨てられるものの他に、燃えがら、汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、動物性残さ、鉱さい、ばいじんがあり、焼却施設、破砕施設、汚泥の脱水施設、廃油の油水分離施設で処理され、ゴミのエッセンスが埋め立てられます。その底にポリエチレンシートを敷きますが、これが何年持つかわかりません。ゴミのエッセンスが地下に漏れ出すと、大変恐ろしいことになります。
 青酸カリを致死量の1000分の1に薄めた水がここにあるとします。あなたは飲めますか?
 産廃反対の運動は、命と健康をかけた闘いです。
 生産者が、廃棄まで責任を持ち、廃棄物を減らしていくシステムづくりが必要です。

 その後、参加者からの質問に答え、意見交換もしました。

表町1丁目で署名を集めました

2011-05-12 | 記事
 本日(5月12日)午前、岡山市北区表町1丁目のアーケード街にある時計台の周辺で、御津産廃処分場に反対する署名を集め、チラシを配りました。

 雨が降り続く中、岡山市の水を守る岡北の会のメンバー8人が時計台の前に集まり、それぞれ署名やチラシをもって通行人に協力をお願いし、またハンドマイクを使って御津産廃処分場の問題を訴えました。
 雨のせいもあってか、人通りが少なく、集まった署名は41筆でした。また、御津産廃阻止同盟が始めた裁判所に良い判断を求める署名にも協力をお願いしました。

 署名をした人からは、「ご苦労様です」とか、「ハンドマイクの訴えは、もっと簡潔にわかりやすくした方がいいよ」というアドバイスや、「総社でも同じような問題があり、他人事とは思えません」という話もありました。

 また、若い女性が「御津の者です」と言って、宣伝中のメンバーに市販のおにぎり9個(右写真)を差し入れてくれました。ありがとうございました。