9月7日、フジテレビの番組「サキヨミ」では折しも自民党の総裁選挙関連記事の放映をしていた。
番組では、5人で争われる自民党の総裁選が賑やかに始まったものの、所詮は”茶番劇”ではないのかという論調で各コメンテーターが発言していた。
総裁選の報道に関してはNHKと違い、民放各社は早くから醒めていた。
自民党の支持率が総裁選の前と後では10ポイントも変化し上がったとデータで示された。
コメンテーターの桐島洋子なる人物が『こんなことで国民は、またもや騙されようとしている。なんと民度の低いことか!』と嘆くこともなく嘲笑的な笑みを見せながら言い放った。
数十年前、桐島洋子は当時としてはハシリのキャリアウーマンであり、国際結婚の後にシングルマザーとなった人物。冷静な口調で国際感覚豊富な見識をTV等で語るさまは如何にも新しい日本の女性像を発信する存在であった。
彼女にとってこの数十年は何であったのであろうか!
国民はこの数十年間、高度経済成長の中でモーレツ社員として働かされた。バブルが弾けた時は、御用労働組合も為す術もなくリストラの嵐に翻弄された。その後の経済低成長時代にあっては派遣労働だ偽装請負労働だ競争主義だと尻を叩かれ、非正規労働者が3分の1を占めるまで雇用環境を破壊された。
そんな中でたまたまテレビを見れば、朝からから晩まで”総裁選”報道の押し売りである。
マスコミの世論操作・攪乱でなくて何であろう。
騙す為政者自民党や共犯のマスコミ資本への批判を蔑ろにして、ひとり騙される国民に『民度が低い』の発言は誠に奇っ怪であり、桐島が只の一歩も国民と一緒に歩いて来なかった数十年であったと言う証左でなくて何であろう。