雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

物価上昇に備える ・ 小さな小さな物語 ( 1768 )

2024-05-18 08:14:07 | 小さな小さな物語 第三十部

5月17日の新聞に『GDP 2期ぶりマイナス』という見出しが出ていました。
今年の1~3月期のGDP(国内総生産。季節調整値)の速報値が、実質で0.5%減で、この状態が1年続いた場合の年率換算は「マイナス2%」になる、という物でした。
自動車業界の不祥事などからの生産減や、物価高からくる個人消費の減少、さらに設備投資も減少したことが主な要因のようですが、わずか3か月間の実績ですから、この数字に過剰反応する必要などないのでしょう。
しかし、統計としての数字の動きとして考えますと、年率2%のマイナス成長というのは相当深刻な数字で、このところの大幅な円安に象徴されるように、わが国の経済力や国力の低下が反映されているような気がしてなりません。

長年、梃子(テコ)でも動かなかった消費者物価が、このところは毎月のように商品の値上げがニュースになっています。
「2%の物価上昇」という、まことに結構な政策を掲げてきた政府は、念願達成に大喜びなのかもしれませんが、確か、これが達成すれば私たちの生活は良くなると言っておられたような気がするのですが、記憶相違でしょうか。
「物価が上がった分は、ベースアップでカバーできる」というご意見も何度も聞いたような気がしますが、物価が先に立ち、収入増はその一部を後追いで実現している状況では、並みの生活者にとっては厳しさが増すばかりなのは、実質賃金の減少が続いていることからも明らかです。
ただ、政府にとっては、長年の努力の結果で、消費税は順調に増えているでしょうから、大成功ということなのでしょうか。 

しかし、泣き言ばかりになっていますが、世界に目を転じますと、2%や3%の物価上昇で泣き言を言っている国は少ないようです。
中には、10%、20%という国もありますし、さらにそれを遙かに超える国もありますが、そうなりますと、もはや貨幣経済は崩壊状態と言えるのではないでしょうか。
そう考えれば感謝すべきなのかもしれませんが、わが国には、日々の生活に精一杯という人も決して少なくないわけですから、年々2%、3%と物価が上昇して行けば、例えば年金を収入の大半を頼っている人にとっては、不安が募ってきます。「年金も少しは上がりますよ」という声もありますが、社会保険料の増加で消えてしまう程度でしょう。

年間に消費者物価が2~3%値上がっていくだけで困るという、私のような層の人はどうすれば良いかと言うことですが、答は極めて簡単です。節約です。
一に節約、二に節約、三も四も五も節約です。
買い物をするとき、私宅では、「松・竹・梅」と品揃えがある場合、ほとんどの場合は「竹」で、時々は背伸びして「松」を選びます。これを、原則を「梅」に落すだけで、かなりの節約が実現するはずです。
食料品は、値上がり分だけ量を減らしましょう。お金の掛かっている趣味は極力減らして、ウォーキング一本を目指しましょう。
これだけを徹底するだけで、2~3%の物価上昇に対応できるはずですし、もしかすると、ダイエット効果もあって健康体になるかもしれません。これも、もしかするとですが、物価上昇政策は、政府の国民の健康を願う慈愛に満ちた政策なのかもしれませんねぇ。
ただ、この提案を、国民の半分の人が実行すれば、個人消費は減退し、GDPはマイナス成長になるでしょうね。そこが問題なんですよ・・・。




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