昨日、都議団と吉良よし子事務所は、内閣府特命大臣と、厚生労働大臣に対し、国産牛のBSE検査の対象月齢の縮小は撤回するよう要請をおこないました。
国産牛のBSE対策は、2001年に国内初のBSE感染牛を確認した後、全ての牛を検査するとともに、異常プリオンが蓄積する危険部位も全ての牛から取り除いて出荷する体制が確立されました。 国はその後、20カ月以下の牛を検査対象から外しましたが、東京都を含め食肉処理場のある全ての自治体が自主的に全頭検査を実施してきました。それは、20カ月以下の牛を対象から外したことに対する多くの不安の声が上がったからです。
それなのに国は4月1日に、国産牛のBSE検査の対象を従来の20カ月齢超から30カ月齢超に縮小しました。しかし、実際にと畜される肉用牛は29~31月が多く、国は検査の補助金については従来通り、20カ月超の牛を対象にしてきました。
ところが、検査対象を縮小した直後にもかかわらず、2013年4月3日に食品安全委員会プリオン専門調査会は、国産牛のBSE(牛海綿状脳症)検査について、対象年齢を現行の30カ月齢超から今度は48カ月齢超に縮小することで合意してしまったのです。
食品安全委員会は、国民からの5月8日まで意見募集を行ったうえで、検査縮小を認める方針を厚生労働省に答申します。検査対象が48カ月齢超に縮小されれば、肉用牛の9割近くは検査不要になります。国は補助金を事実上打ち切り、自治体に全国いっせいに全頭検査をやめるよう促そうとしています。
しかし、食の安全に対する都民の関心は非常に高く、国産牛のBSE問題に対する不安は払拭されていないのですから、さらなる検査対象の縮小はやめるべきです。リスクコミニケーションは形だけのものにしてはならないのではないでしょうか。