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2009-2010 冬の旅 7、苫小牧市科学センター ミールに会える街

2010-01-31 | 博物館・美術館に行く
苫小牧市科学センター・ミール展示館の宇宙ステーション「ミール」
現在、世界で唯一現存する実物予備機である


2009-2010 冬の旅 6、室蘭市青少年科学館 北の街のプラネタリウムからの続きです

苫小牧駅に着く頃にはすっかり日が暮れていた。
駅からホテルまでの道沿い、公園を彩るイルミネーション。
 

夜の街へと繰り出したい気分にもなったが、今夜は長旅の疲れを取るためにホテルの部屋で寛いで、早めに就寝。

第3日目 2009(平成21)年12月29日

ぐっすり眠ったのでスッキリ起床。今日はいい天気。
チェックアウトする際にフロントに手荷物を預かってもらって、歩いて目指すは苫小牧市科学センター
ここには世界で唯一、ロシア(旧ソ連)の宇宙ステーション「ミール」の実物予備機が展示されているミール展示館があるのだ。



実はここに来るのはこれで2回目。
前に来たのは2008年の夏の終わりだったが、早くも秋の気配が色濃く漂う街にはとても風情があり、「また苫小牧にミールに会いに来たい」と思っていたのです。
苫小牧の街の中心部にも程近く、散歩がてらに気軽に歩いて訪れることが出来る科学センター。
さっそくミールと再会。
先ずは展示館の職員さんに挨拶して、写真撮影とネットでの公開可否を伺います。快くOKを出して頂けたので、安心して見学と撮影開始。


展示館の2階通路、定番の撮り位置から見下ろすミール。
右奥のコアモジュール(居住区)の手前側にクバント(天体物理観測モジュール)が結合した状態です。


1階フロアに降りて、至近距離から見るミール。
船体の赤旗ソ連国旗、船外活動用の手摺が印象的。




クバント側から見るサイドビュー。
さすが宇宙ステーション、圧倒的な重量感があります。




コアモジュールのドッキングポート。
このドッキングポートを介して各種のモジュールが接続され、ミールの実機は世界最大級の宇宙建造物となったのです。




ドッキングポートの巨大なインターフェースコネクタ(と思われる接続部)。
これって、実際の軌道上でもカバーも無しで剥き出しだったんでしょうかね?

外観を見て歩いていたら、展示館の職員さんから「船内もご覧になりませんか?」と声を掛けられたので、喜んで見せて頂きました。



コアモジュール内のドッキングポートに続く部位にある操縦席。
夥しい数のアナログなボタン・スイッチ類が並んでいて、如何にも操縦が難しそう。
さらに中に入って初めて気が付いたのだが、操縦席の足元部には地球を確認するための小さな窓もあります。
案内して下さった職員さんによると「本当は、この窓から地球の映像が見えるような展示とかもやりたいんですけどねぇ」とのこと。
また「展示館の天井に黒いスクリーンを張って、ミールが実際に宇宙を飛んでいるように見せたりもしたいと考えてます」おお、それは実現したら楽しそう!
「それならいっそのこと、ドッキングポートに実物大の他モジュールやソユーズを風船で再現してドッキングさせてみたりしたらどうでしょう!?」
「ええ、そういったこともやりたいんですが、展示館内のスペースに限りがあるから難しいんですよ」
制約がある中で、いろいろと展示方法を工夫しておられるんですね。

「ところで、今日は本州から来られたんですか?」と聞かれたので、
「いえ、もうちょっと遠く…九州の熊本からです」と答えると「そんな遠くから!」と驚かれました。
いえいえ、実はここに来るのは2回目なんですよ!
それだけの価値があるんですよ、何しろミールに会えるのは今では地球でもここだけなんですから。それに宇宙にあったミールの実機も2001年3月に大気圏突入し、失われていますから。
でも、実は現在ミールに代わって地球周回軌道を飛んでいる国際宇宙ステーション(ISS)のズヴェズダと呼ばれるロシアのモジュールは、基本的にこのミールのコアモジュールと同じ構造となっています。
偉大なる先駆者としてのミールの業績はISSに引き継がれ、今なお宇宙を飛び続けているのです。


ミール展示館にはミール関連の資料もあります。
これはミールで使われたノート。一緒に付いているのは低重力環境でも使える「宇宙ペン」でしょうか。
はて、「一方ソ連は鉛筆を使った」という有名なジョークもあるのだが、あれはやっぱりフィクションだったのかな?


ミールに搭乗した歴代の宇宙飛行士達の名鑑。
随分初期の頃から、ソ連のみならず当時の「東側陣営」諸国の飛行士達がミールを訪れていたんですねぇ。
僕がダマスカスで資料館を探し歩いたシリアのファーリス(ファリス)飛行士の名前もあります。

ここでいきなり、お宝グッズが登場!

説明も何も無く宇宙食のパックなどと並んで展示されているこのキーホルダーとピンバッヂ、
何と宇宙科学研究本部のM-Vロケット5号機と小惑星探査機「はやぶさ」の公式グッズです。
確か「はやぶさ」の公式グッズは今のところこのバッヂとキーホルダーのみしか作られていない筈。
それにしても、こんな貴重なお宝グッズが何故、ミール展示館に!?謎は尽きない(笑)

ミール展示館を満喫したので、ミール船内を案内して下さった職員の方にお礼と「また熊本からミールに会いに来ます」と挨拶してから、ミール展示館を後にします。
次は科学センター本館の方へ。

ミール展示館との連絡通路の先には、宇宙開発史の年表と歴代の世界のロケットが勢揃いした展示パネル。
これはカッコいい!


そして僕のお気に入りの場所は、連絡通路脇にあるこの図書スペースだったりします。
科学館・博物館には大抵あるこの図書スペース、何気にいい本が揃っていたりしますからねぇ。
ここでも小学生の頃に学校の図書室で読み耽った「学研まんがひみつシリーズ『コロ助の科学質問箱』」を見つけて、暫し立ち読み。
ああ懐かしい!

 
苫小牧市科学センター本館は「昭和45年1月、当地方の科学する心を育成し、郷土文化の向上・発展を図るため、苫小牧市青少年センターとして開設しました」(公式ホームページ「施設の概要」より転載)という、とても歴史のある施設。
展示も年季が入っていますが、見やすく解りやすいように工夫されていて味があります。


昭和45年の開設から平成元年まで使われていたという、旧プラネタリウム投影機。
延べ50万人が、この投影機が映し出した星を見たそうです。


そしてこちらが、現在使用されているプラネタリウム投影機。
苫小牧市科学センターのプラネタリウムは、昨日の室蘭市青少年科学館のものより一回り大きめのドーム。
今夜の苫小牧の星空案内と、室蘭と同じくオリオンとプレアデス星団がテーマの「冬の星空とプレアデスの七人姉妹」の物語が上映されました。

ミールとプラネタリウムを堪能して、すっかり満足。
ホテルで手荷物をピックアップして、駅に向かいます。ミールに会える街、苫小牧を後にしてこれから行く先は…秘境駅!

2009-2010 冬の旅 8、北の秘境駅 室蘭本線小幌駅に続きます


5 コメント

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羨! (MANTA)
2010-01-31 10:27:19
いいなぁ! 一度行ってみたいと思っているのです。ウラヤマシイ。
「ロシアの鉛筆」も展示すればよいのにね!
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ミールを見ーる! (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2010-01-31 23:09:52
MANTAさん、こんばんは。
苫小牧のミール、展示されている科学センターの味のある雰囲気と、北国の風情ある街並みに魅了されて、またまた九州から見に行ってしまいました(笑)
展示館の職員の方も熱心で、多くの方にミールを見て貰いたいと願って居られましたよ!
是非一度、ミールに会いに行って下さい。

それから…ソ連の鉛筆はガガーリン少佐の「鉛筆が踊っている」という記述から着ているのではないか、とtwitterで指摘してもらいました。ミールの頃にはもう鉛筆でなくペンを使っていたのかも?
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Unknown (MANTA)
2010-02-01 00:53:07
実は千歳からも近いので、北海道出張時などに時間を作って、、、と思ってるのですが、なかなか、、、
やっぱり出張のついでなんていわずに「そのために」行かねばなりませんね!

ロシアの鉛筆の話は、好きですよ(笑)
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Oh! (MOLTA)
2010-02-01 02:03:46
これは知りませんでした。
まさか、苫小牧にミールの予備機が展示されているなんて…。

これは、会いに行かねばならないなあ。
北海道。
久しぶりに行きたくなってきました。

プラネタリウムも、おはこになったヤツを引き取って自宅で私設プラネタリウムしたい!

ホームスタープロもいいんだけど。
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ミールを見よう!会いに行こう! (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2010-02-01 03:53:08
MANTAさん、そうですよ折角これだけのものを見られるんですから、片手間では時間が足りませんし、駆け足で見るなんて勿体無いですよ!
是非是非一度、北の街までミールに会いに行って下さい。
きっと感動されますよ、請け合います。

MOLTAさん、こんばんは…あ、おはようございますw
本当に、何故か意外と知られていないんですよね、苫小牧のミール。
是非会いに行かれて下さい。
プラネタリウムも、「HAYABUSA」のような超高精細ハイテク画像ではありませんが、手作り感あふれる何とも味のあるもので楽しいですよー!
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