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東京散歩日記

2007-04-17 | 日記
この週末、金曜日から休みを取って上京してきた。
まあ、上京するなり羽田空港から京急で品川駅に直行し、そのまま「ムーンライトながら」に乗って飯田線の秘境駅に行ったりしてるのでかなり迷走してるのだが。

JR飯田線には3年ぶりの乗車だったが、あの独特の雰囲気はいつ行ってもいいなぁ。
駅間距離が極端に短いので、ちょっと走ってすぐ停まるを100回近く繰り返して天竜川を遡上しアルプスの山々を望みながらの旅で日頃の疲れも癒えた。
それに乗客が素朴な人たちなのもいい。
今時、席を詰めてやっただけで「ありがとうございます!」と爽やかに挨拶する男子高校生なんてなかなか会えないぞ。

飯田線から東京に戻り、新宿の明治安田生命ホールで開かれた「宇宙科学講演と映画の会」に参加してきたのだが、会場は大入り満員で「全部の補助椅子を出したんですが足りません」程。日本にはこんなに「宇宙大好きな人々」がいたんだなぁ。。。早めに会場入りしたおかげで前の方で見れて良かった。
講演の内容はかなり専門的だったので正直ついて行けない点もあったのだが、宇宙科学の最先端で活躍する先生方の話は本当に面白い。お蔵出しの世界初公開「はやぶさ」によるイトカワ近接画像もお披露目されたし、科学衛星三兄弟のプロマネ先生方が「プロマネ権限で解析中のを分捕ってきました」というレア画像も見れたし。日本の宇宙科学の文字通り「最先端」を垣間見ることが出来た。
夏の相模原キャンパス一般公開も楽しみだ。今年もブルートレイン「はやぶさ」に乗って見に行こう。

「宇宙科学講演と映画の会」からの帰り、乗っていた山手線の電車が恵比寿駅で突然急停車。渋谷駅で人身事故とのこと。結局そのまま30分車内に缶詰になったのだが、他の乗客は皆「またか」という顔で平然としている。何か、「人身事故」「自殺」に皆慣れっこになっているような…これが東京の現実なのか、と地方在住者が殺伐としていると、突然
「何で自殺するんでしょうね」
と声をかけられた。
見ると隣に座ってる、茶髪にジャージ姿のいかにも…な若造である。
「自殺するのって、怖いでしょうね。何で死のうと思ったんでしょうね」とさらに続ける。
僕は暫く考えて
「そうだね…きっと、本人にしか解らない事情があったんだよ」
すると彼は
「これって、自然淘汰でしょうかね?東京で生きられない人がどんどん消えていくような」
「どうだろう。自然淘汰とはちょっと違う気がするな。何て言うか…本来なら死ななくてもいい人が死んでるような気がするんだけれどな」
「…良いこと言いますね」
「うん…列車に飛び込むなんて、きっと凄く恐いと思うよ。その恐怖に打ち勝って飛び込むエネルギーを、『死なないで生きる』方のベクトルに向かわせられたら、って思うよ。でも、僕らはあくまで第三者だから、当人の気持ちは解らないんだよね。きっと…第三者の無責任な感想なんて及びもつかない事情があったから、死んでしまったんだろうね。でも…」
自分でもよく分からなくなり考えていると、振り替え輸送開始の案内放送があった。
若造は「話をしてくれてありがとうございました。さようなら!」と飛び降りていった。

遅れた山手線の電車で品川まで行き、名物の立ち食い「お好みそば」をかき込む。それから一晩、若造に話した事を反芻してみたが、結局結論は出なかった。

そして次の日、羽田空港に向かうべく乗っていた京浜東北線の電車は人身事故の影響で急停車したのである。

生きるって、死ぬって、どういうことなんだろう…?




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