ターザンが教えてくれた

風にかすれる、遠い国の歌

もっと抱いてくれ、包むように抱いてくれ

2011-11-15 16:51:19 | 日々



いやあ、今回はちょっと参った。
何がって、腰、腰痛がひどかったんだよね。

こうやって毎年、冬の初め頃になると
何かしら体調を崩して調子が悪くなるっていうのは
日ごろの不摂生とか
それかやはりこれが年齢なんだろうかね、
って思うんだけど。

今年のテーマは腰痛なわけよ。

もとはといえば
二十歳頃に初めて腰を痛めて
半年くらいは本当に満足に歩けないくらいだったもんね、
動くたびに脚に雷が落ちたような電撃ショックがあって
あれはほんとうに辛い日々たった。。。

あの時はまめに通院して
なんとか治すことができたんだけども、
でもやはりそれからは
この腰痛というのが自分の弱点になってんだと思う。

そんなわけで、それ以来は
自分の体調がおかしくなったりしたときには
ひょっと顔を出すこの腰の痛さ。
ある意味健康のバロメーターのようになっていて
うまく付き合うしかないかなぁって感じなので
そうだな、3年に一度くらいこうやって
腰をさするときがやってくる。

今回も、
始めはほんとなんでもなく
あ、ちょっと腰が疲れたかな?ってなもんだったんだけど、
そこでちょっと無理をしてしまった。
そのおかげで
これが見る間にひどくなってしまって
朝、顔を洗うときだって歯を磨くときだって
下が向けないんだよね、
腰を折ってかがむという姿勢が
非常に辛いのでなにごとも立ったままで。

こんな腰痛には慣れているとはいえ
実際は辛い、とても辛い。
朝起きるときなんて一番辛い。
一晩横に寝て身体が硬くなってるもんで
そこを起き上がるときが一番辛い。

毎朝気合を入れて大声上げながらベッドから起きるわけよ、
さあ、さあ、よし行くぞ!「おおーー!!」って。
傍から見たら、もう何事!?って感じ。

そんなもんだからいつものジムだってお休み。
気持ちは焦る、でも仕方が無いよね、
仕事から戻ると毎日すごく時間があるわけさ、
ほんとどうしようって思ったな。

でね、家にある唯一の医療機器である
オムロンの低周波治療器の出番となるんだけど、
本来これは痛みを取るっていうよりかは
酷くならないようにあくまでも予防なんだよね、

だから、
あまりやっても効果はおぼつかないかもしれないけど
でも、風呂であったまった後にこれをやると
血行が良くなる感じで気持ちいいので
いつもより余計に使用してたんだけど、

この治療器の身体に貼る電極パッドってのが
すぐに駄目になるわけよ。
ぬるま湯でちゃんと洗浄して大事に使うんだけど
それでも、しばらくすると粘着力が無くなって
身体に貼ってもすぐにはがれてしまうんだよね。

この電極パッドって1セットで¥1,500-もすんの。
本体価格は¥5,000-くらいのもんなのにさ。

こいつの値段だけは
知ってる限りで調べてみても
大きな値引きやセールをやってる店は無く
仕方がないのでせめてポイントでも貯めようと
かならず駅前にあるヨドバシカメラで購入するんだ。

で、いつもの健康器具のコーナーへ行って
棚にぶら下がっているこの交換用パッドを
手に取りさあレジへ向かおうか、というところで
ふと眼に入ってきたのが
黒々とした巨体をデンと構えて横たわる
なんとも本格的なマッサージチェア。

いつもだったら
こんな人がばんばん通る店の中で
仰々しく寝そべってマッサージするなんて
ちょっと抵抗のあるところなんだけど、
ほら、只今は腰が痛くて参ってるところ、
これはひとつ体験してみたいな、と
そんなことを思っているところへ

売り場の担当らしきおばちゃんが寄ってきて
どうぞ座ってください!って言うんで
遠慮なく座らせてもらったんだよね、
そのマッサージチェアにさ。

コースがいっぱいあるんで
とりあず全身をまんべんなくほぐすボタンを押してみる。

ぼくね、
人間の知恵や技術って
ほんとうに素晴らしいって思うんだけど、
このマッサージチェアこそが
その知恵を進歩を全身で体感する
これはもうすっごいものだったんだよね。

ほら、マッサージチェアって言ったら
昔の銭湯に置いてあったような
無骨で力の加減を知らない
おおざっぱな機械しか思い浮かばなかったんだけども、
現代の最先端のマシーンは違った
すごいの、ものすごいの、
感動したもん、
あまりに感動してなんか
自分の未来まで少し明るくなったような気がしたもん。

あのね、まず座面に座るところから違うわけよ。
座るって言うよりも
こうマッサージチェアに入り込んじゃうって感じ。
それこそ足の裏から首筋、それから指先まで
精密にコントロールされたこのマシーンに
すべて身をゆだねることになるんだけど。

加熱された暖かい揉み玉が
それはもう強く弱くいい塩梅で身体を揉んでくれるし、
なによりマシーンの中には様々な部位に対して
エアバックが仕込まれていて
それがなめらかに制御されながら
膨らんだりしぼんだりして身体をマッサージするんだよ。

これの気もちよさったらないね。

でね、その刺激が単一的なものではなくて
ほんとうに立体的にリズミカルに
様々な動きで体中をほぐしてくれんの。

弱く強くやさしく滑らかに。
眼をつぶってみると
それはもう極楽極楽、この世の春。
おもわず眠り込んでしまいそうになるな。

最後のパートになると
いよいよお待ちかねの
腰のストレッチになるんだけど、
これがまた秀逸な動きに舌を巻いた。

まず肩と脇腹に仕込まれたエアバッグでもって
上半身をぎゅうーって抱きしめて来んの、マシーンが(笑)
こう肩の辺りを最初はソフトに
次第に力を込めてぎゅうううって。

そうやって上半身を
やさしくそして力強く固定しておいて
で、その後で腰に仕込まれたエアバッグと
そして揉み玉が滑らかに連動して
骨盤を上下左右に絶妙な塩梅で
気持ちよくマッサージしてくれんの。

もうね、おまえは何者だ。と、
わかったから、おまえの能力はわかったから
いいよ、どうにでもしてくれて、
すべて言いなりになってやるよ、
おまえにすべて身を任せてやるよ。

ってな気分だよね。ほんとうに。

肩を抱きしめられたときなんて
「あ~~っ!」って声が出そうになったもん。

「もっと抱いてくれ、
 もっと強く抱いてくれ~」って思ったもん。

ほんとうに
こんな感動を覚えるほどに
心地よい刺激を作り出すことのできる
機械ってすごいよね。

たかが機械なんだけど、されど技術なんだよね。

人間の身体というものに対して
いかにすれば心地よくマッサージできるかという
そのことを様々なノウハウとして
積み上げていった結果なんだと思う。

パナソニックっていうブランドって
いままでちょっと偏見があったんだけれども、
これはいい。
このマッサージチェアはいいよ。

肝心の腰の痛いのも
これで15分のコースでマッサージするだけで
ほんと一気に楽になったもんね。
びっくりだよ。

身体だってこころだって
その痛みを癒しゆるやかに和ませるもの。

ぼくが心を奪われて止まない
SONYのアイボやローリーに通じるような、
たしかにそれ自体は機械だけど
でもそれは人を和ませたり楽しませたりする
非常に愛着のわくマシーン。

なんだかさ、このマッサージチェアだって
ぼくにとってはその一員のような気がするんだよね。

なんかさ他人とは思えないわけ。

黒くてデカくて本格的なくせにスタイリッシュ。
これを我が家にお迎えすることが
人生の夢になりました。




どうだ、かっこいいだろう!

こうやって電気店からもらって来た
カタログの写真を眺めているだけで
しびれるもんね、マジに。

これね実売価格は30万なんだよね。
どうなんだろう、
確かに金額としては高価なんだけども
その性能からしたら十分どころか
お買い得なんじゃないのかな。

お小遣いの中でもって
こいつを我が物にするには
いろんなことを
諦めたり我慢したりしなくちゃいけないんだけど、
そうやっても価値のある機械だと思うなあ。

それよりむしろ問題になるのは
その置き場所だよ。

でかいぞ、これは、マジでかい。
あんな大きな店の中にあっても
半端なくでかいもん。

底部だけのスペースがあったって駄目で、
ほぼ水平になるまでリクライニングするんで
後部にも大きなスペースがないといけない。

普通の住宅でこいつを
圧迫感の無いように素敵に設置するには
やはりなかなか大変だよと思うね。

そんなもんだから
目下のところはこいつとの逢瀬は
街中の電器店に限られてるわけさ。

黒くてでかくてやさしくて力強い
ほんとうにかっこいいこいつが
いろんなところでこの自分を待っていてくれる。

季節も冬だし
毎日寒いし、
そんな中でふと寂しくなったりしたら
こいつに抱きしめられに行くのもいいかもしれない。

なんかこんなことをまじめに書いているのも
馬鹿みたいなんだけどさ。

ひとりでは解決できないもの
たとえ寂しさだろうと
それをふっと忘れることって
案外単純なものかもしれないなって、さ。

そんな希望さえ感じさせてくれる
人の技術ってすごいなぁって。

そんなことを思う冬の始まりでありました。



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