ターザンが教えてくれた

風にかすれる、遠い国の歌

ひとりでできるもん

2011-01-20 12:51:42 | 日々


ユニクロの期間限定セールで買った
防寒のナイロンパンツはいいねー。

冬の夜、寒風の吹きぬける隅田川の堤防を
チャリンコですっ飛ばしても
まったく寒くないもんね。

ここのところちょっとばかり傾倒しているのは
演歌の大御所、小林の幸っちゃんなので、
チャリンコを漕ぎながら思わず飛び出す鼻歌は
やっぱり「おもいで酒」でしょうよ。

ほんとはね、あの紅白の大トリで歌った
「雪椿」って曲が一番好きなんだけど、
あれは、素人が鼻歌で歌える歌ではないし、
それに、あの歌を聴いてると思わず
泣いてしまいそうになるから、
こんな、さあ、これからジムでもって
頑張らなくては!ってときに聴いてはだめだよね。

泣きはらした真っ赤な目でもって
バーベルを持ち上げてるなんて
そんな姿は誰だって驚くし
自分としても恥ずかしいからね。




       ・・・・・・・・・




地下のロッカールームで身支度を済ませて
いつものようにジムへ顔を出すと、
ビルダー先生が180kgのスクワットをやってた。

この先生はいつでも
完全にしゃがみ込むフル・スクワット
(これがいちばんきつい)なので、
両肩にバーをかついで膝の下いっぱいまで沈む姿は
そばで見ているこちらまで気迫が伝わってきて迫力満点。

自分もちょっと混ぜてもらって
その180kgを、
そーだなぁスミスマシンのひと目盛り分だから
だいたい7~8cmくらいかな(笑)
それはもう懇親の力で持ってみた。
もちろん、
先生に後ろからがっちり補助してもらってね。

いやー、地球の重力ってすごい。

180kgという魔物が自分の体をつぶそうと
真上から背骨に襲いかかってくる感じ。

正直言って、かなり怖い。
立っているだけで精一杯。

これを毎回軽々とまではいかないけれど
人によっては200kgとか300kgなんてやつを
持ち上げてるんだから
ほんと、すごいなぁと思う。




       ・・・・・・・・

 

このジムには、
いつも間にか仲良しになった
女性イントラさんがいてね。

ん~、多分25歳くらいかなあ
かわいいふりして人に媚びるわけでもなく
さっぱりとした性格で、

いつでもひとりでひょうひょうとした振る舞いに、
いつの間にか、マッチョな男たちに
違和感なく溶け込んでいて、
ウェイトを持ち上げる雄叫びが響くジムの中で
とてもいいムードメーカーになってるんだけど。


これがね
この女の子イントラがさ
妙に絡んでくるんだよね。

ほら、ジムのスタッフって
拘束時間が長い上に
基本、ジム内の監視って仕事が多いので
人当たりのいい利用客は
かっこうの暇つぶしに最適なのだ。

この自分がはたして人当たりがいいのかは
わからないんだけれども、
なんか、気軽に話しかけやすいんだとかで
ことあるごとに声を掛けてくれんだけど。

実はこのイントラさんは
去年このジムへ来たばかりの頃には、
もちろんストレッチや
基本的なフィットネスの知識は
持っていたんだろうけれども、

こと、筋肥大を目的とした
ハードコアなトレーニングということには
おそらく初体験だったんだと思う。

他に男性スタッフがいなくて
ベンチプレスの補助を頼まれたときなんかは、
ほんと彼女はどうしていいのかわからなくて
ちょっとかわいそうだったもんね。

それが、
慣れいうことは素晴らしいね、

今では、そばについてカウントまでとってくれる
頼もしいジムスタッフだもん。

でね、この自分もたまに軽い補助を
お願いすることがあるんだけれども。

これがさ、いつでも無駄話しをしている
仲ということもあって、
半分冗談のような口調で
カウントをとり励ましてくれんだよね。

「ほーらb-minorちゃん、
 がんばってねー!
 おりこうさんだねー」

とか言っちゃってんの(笑)

こうやって字面だけ見てると
失礼なやつだなぁ、なんて思うんだけども、
実際の口調は何ともやさしく朗らかなので
ぼくはちっとも憤慨することなく
至って従順に言うことをきいてるんだ。

というか、
最近はこれが欠かせなくなって来ている(笑)

だいたい、
筋トレにおいて
自力でウェイトが持ち上がらなくなってくる
最終レップあたりでの、
周りからの声掛けってすごく効果があるんだよ。

人間って、筋肉をどれだけ動かして
どれだけの力を出すかって
あたりまえだけれども
すべて脳が支配してるんだよね。

だから、自分を応援してくれる人の言葉とかって
自分の気分を高めてくれるし、
純粋に嬉しいなぁって思うと
これが結構トレーニングの成果に出るわけでさ。

いつものビルダー先生に

「できる!おまえはできるぞ!
 あきらめんな!歯を食いしばれ!!!」

って、でかい声で付きっきりで声かけてもらうのも
ものすごくがんばろうって気になるし、
実際にそのトレーニングの成果に現れるんだけど。

この女の子イントラに

「minorちゃん、がんばってね!
 だいじょうぶでちゅよー、
 ちゃんとできますよー(はーと)」

ってな感じで声をかけてもらうのも
これまた非常に心地よい自分がいるわけで。

実際、こんな自分みたいなオヤジが
こんな赤ん坊扱いされることに
喜びを感じてしまうことが
すでに「変態」の様を呈してるんだけど(笑)

でも、この赤ちゃんプレー
ものすごく効果的。

ほんとうに、最後の力を振り絞って
もうどうやってもウェイトはあがりませーん、
な状況でこの赤ちゃん言葉の声かけがあると
何と、身体の奥から
最後の力がぐぐっと出て来んだよねー。

「ほーら、ちゃんとできましたー
 おりこうさんでちゅねー」

って言う声に、
この身体が懸命に応えようとするみたい。

って、やっぱ変態だな。



聞くところによると
このイントラさんは
副業で保育園の保母さんをしているそうで、

なるほど!!
なっとく!!

子供の扱い方においてはプロなんだよね。

さすがだ。


赤ちゃんことばの声かけ、

この何とも恥ずかしくくすぐったい応援ほど
最後の力を振り絞ることにおいて
効果的なやり方は無いのではないか。

わたくし、
只今はそんなテーマを追求すべく

「赤ちゃんことばの声かけの実践と効果について」

目下、ひたすら研究中なのでありますです。

っつーか、
毎回、補助を頼んでは
赤ちゃん言葉をせがんでいるだけなんですけどね(笑)





正月休みが明けて、最初のジムで、
ビルダー先生から

「今年のおまえの目標は何だ?」って訊かれて

本来だったら、

「夏までに肩と腕を重点的にやり込んで
 大幅なサイズアップを目指します!」

なんて言うところなんだろうけど、
いつでもお気楽に運動会気分で
ジムへ通っている自分としては、

腕だってやりたいし
肩だってやりたい

背中だって大きくなりたいし
胸筋だって肥大させたい

「うーん」

と、しばらく考えて答えたのが

「全部大きくなること」だったので、

正直、ビルダー先生はずっこけてしまって
苦笑いだったんだけれども、

今になってその答えがわかりましたよ、

これだよ、これ。



最近はことあるごとに
そのビルダー先生から、

「おまえも、もう初心者じゃあないんだから
 そろそろ試行錯誤しながら
 自分のトレーニングスタイルを作らなきゃな」

なんて言われているわけで。


ほんとは、こんな「おりこうちゃんですねー」
とか言われて喜んでいる場合ではないんだよね。

ずっとそのことをやって来た先輩の意見って
ものすごく貴重だし
たいへん参考になるものだと思っているし。

実際に、このビルダー先生には、
様々なアドバイスから
ときには付きっきりで補助をしてもらってるわけで。

それから、こんな半分冗談みたいな
赤ちゃんプレーにだって、
もう限界でチカラも出ないというような状況には
どうしても頼りたくなってしまうもの。

でも、さ、
それがあるととても嬉しい、という状況から

それが無いと寂しくて困るというような
そんな自分になることって
正直言ってかっこわるい。

それがないといつもの調子が出ないというような
他人の何かを当てにし出すことって
この自分的にはあまり歓迎すべきことじゃない。

かっこわるいっていうか、
自分の先の未来が曇ってしまう気がするんだよね。



だから、今もう一度ビルダー先生から
おまえの今年の目標は何だ?
と訊かれたならば、

自分が答える目標は決まったな。

「ひとりでできるもん!!」

これに尽きる。



ときにはちょっと助けてよって
そんな弱気になるかもしれないんだけどさ。


やっぱり、
今年一年の自分の目標は

「ひとりでできるもん」

なんだってこのひとりでやってやる(笑)


そんな強がりも含めて
ひとりがんばって行きますですよ。

2011年そんなb-minorですが
なにとぞひとつよろしくお願いいたします。