年に一度のことだから
一年に一度だけのことだから
亡き父にありがとうを
離れて暮らす母親にありがとうを
誕生日ってやつは
この自分を祝う日なんかじゃないんだよ
おめでとうって言えるのは
ずっと昔に生きた
自分と同じ名前の人々へ
顔さえも合わせることもなかった
遠い時代に生きた
自分と同じ血を持った人々へ
ありがとう
と
祝福を
生命と生命が混じり合って
次の世へ移り
そして、
あなたたちの一番新しいものであるこの自分が
今、ここにいる
揺れる蝋燭の明かりをともす相手は
この自分なんかじゃないんだよ
前の世を生きた人々へ
いまここに自分がいる証を携えた人々へ
わたしが生きた感謝の数だけの蝋燭を灯そう
自分のちからで生きてるんじゃなく
自分はずっと生かされてきたのだと
そんなことが 少しだけわかるようになったのは
どうやら
自分の時間の折り返しを過ぎたからかもしれません
歳をとるごとに
わからないことが多くて
そして、
新しく知ることが多くて
正直、驚いています
45歳になりました。
自分でもびっくりです。
誰か、
それは嘘だと云ってくれ
（笑）
永遠の嘘をついてくれ
(笑)
愛していると云ってくれ
(笑)
がんばれと云ってくれ