誰かがさ、同じ失敗をくり返す
誰かがさ、昔と同じ過ちをくり返す
やっぱりね、知っていたんだと
遠巻きにこの足で立って
遠巻きに自分の声を飲み込んで
僕は何を望んでいたんだろう
誰かが、また今日も僕を困らせる顔で
誰かが、また気まぐれに陰口をつぶやく
ほらね、僕はわかっていたんだと
ほらね、そんな人なんだと
おまえの正体を知っているんだと
そんな風にして僕は、
刺さる言葉の痛みをごまかそうとする
ただ黙って、誰かの幸せは祈らない
ただ黙って、でも変わってゆくことをしっかりと見たい
ほら、やっぱり、君はまたそんな事を言うと思ってたよ
ほら、やっぱり、あなたの言う通りにした結果がこれだよね
なぜ、いつでもこうなんだと、
なぜ、いつだって同じなんだと
ことさらに冷たい声の自分を聞くとき
僕は喜んでるのか。
僕は安心してるのか。
自分の思い通りになればいいという希望の言葉も
自分の予想通りになったら嫌だという絶望の言葉も
どれもまたこの僕の中でしか発生し得ない音
恐ろしいものを思い描いていれば
僕はいつだって驚かない、そう思ってる?
誰かが、また今日も残酷な言葉を
誰かが、また今日もすぐに忘れるはずの毒を
ほらやっぱりね、と僕は呆れて
ほらやっぱりね、と僕はほくそ笑む
お前に受けたこの傷は決して癒えやしないんだと
お前のその心は決して変わりはしなんだと
いや、変わってもらっては困るんだと
そう言いたいこの哀しい気持ちの存在を大事に手にして
寂しいという名前のゆりかごは
いつまでも柔らかいその綿で個人を絡めとる
こんなものは嫌だと
こんな思いはもう二度と嫌なんだと
そうはっきりと、
誰もに聞こえるようにはっきりと言うことが出来るまで
ただひとりで眠る夜は続くのかも知れない
何を持って人は許しを請うのか
何をして人は純粋な笑みをもたらされるのか
ほらやっぱりと、
はらまた同じこと、と
呆れ顔して冷たく突き放す事が
呆れ顔してため息をついてみることが
どれも、いつも、
この自分が望んでいることだとしたら
僕の希望はいつだって
ちゃんといつでも言葉になって
誰かの唇をこれ以上ないほどに貶(おとし)める
哀しい言葉がこの耳に入るのは
この自分がそれを聞きたいからなんだろう
傷付く言葉がこの耳に響くのは
この自分がそれを望んでいるからなんだろう
ほら、やっぱりこの世の中は
この個人個人のわたしたちの思い描くとおり
こころに望むことが
こころの奥にその奥に描くことが
まったく正直に目の前に出来上がる
何ひとつの言い訳さえ許さないほどに
まったくもって正直に夢は叶うものなのだろう
だから、
だからさ、
ほんとうの僕の望みを
ほんとうの僕の夢を
何を叶えるかではなくて
何を思い描くかで、
そこですでにわたしの勝負は決まるのかもしれないから
本当の望みを
勇気を持って本当の僕の夢を