みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0022「アフター5のシンデレラ」

2017-04-14 19:51:06 | ブログ短編

 ちょっと昔(むかし)のお話しです。財閥(ざいばつ)の一流企業に、なぜか中途採用(ちゅうとさいよう)で一人の女の子が入社しました。彼女は黒眼鏡(くろめがね)をかけて髪(かみ)はぼさぼさ、化粧(けしょう)もしてないようなみすぼらしい娘でした。それに、仕事ものろまで、失敗(しっぱい)ばかりしていて、いつも怒鳴(どな)られていました。
 そんな風(ふう)なので先輩(せんぱい)の女子社員からは雑用(ざつよう)にこき使(つか)われ、男子社員からも見向きもされず、声をかけられることもありませんでした。そんな彼女ですが、愚痴(ぐち)をこぼすこともなく、こまねずみのように働いていました。
 ある日、前が見えないほど書類(しょるい)を抱(かか)えて歩いていた彼女は、一人の男子社員とぶつかって転(ころ)んでしまいます。彼女はおどおどして「すいません」と頭を下げますが、男子社員はニコニコ笑って、「大丈夫(だいじょうぶ)ですか?」と優(やさ)しく手を取ってくれました。
 その男は真面目(まじめ)だけが取り柄(え)で、いつも楽しそうに仕事をしていました。男は彼女を見た途端(とたん)、好きになってしまいます。一生懸命(いっしょうけんめい)に働いている彼女を、何かと手伝(てつだ)うようになったのです。男はどんな陰口(かげぐち)を言われても、まったく気にしませんでした。
 いつしか二人は付き合うようになりました。そして、彼女は男を家に招(まね)くことにしたのです。彼女に連れられて、男はそわそわしながら家に向かいます。そして、
「ここなんですよ」と彼女が指さした先には、立派(りっぱ)な豪邸(ごうてい)が建っていました。
 実は彼女は、財閥のお嬢さんだったのです。男は、足がすくんでしまいました。
<つぶやき>この二人は、これからどうなるのでしょうか? 幸せになってほしいなぁ。
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