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川上弘美「光ってみえるもの、あれは」

2014年07月10日 | か行の作家

 

中公文庫
2006年10月 初版発行
362頁

 

 

江戸翠、16歳
祖母と母と3人暮らし
母は結婚しないまま翠を産んだ
父親という人はたまに家にやってきて遠慮なく食事をしていったり泊まっていったりする
ちょっとだけ人と違う-この表現はよろしくありませんが-家庭で育っているものの、友も恋人もおりふつうに生活している現状に大きな不満があるわけではないけれど、早く大人になりたいと願っている

 

都会の暮らし、高校生活では、翠や友人の花田、恋人の平山のモヤモヤした感じが、何となくダルくてよほど途中で読むのを止めてしまおうかと思ったのですが
翠と花田が夏休みに長崎の小島に出かけるあたりから俄然面白くなってきました
ひと夏の体験が少年たちの心に少し変化をもたらします
その変化は少しのようで、実は後の成長に大きな影響を与えるものなのです

 

川上さんには珍しく、主人公も、彼に大きな影響を与えるのも男性ばかり
女性は蚊帳の外です
本作、男性はどのような感想を持たれるのでしょう?
所詮、女性の自分には男性の本質を理解できるはずもありませんが
重要な役割を持つ男性の描き方が少し違うんじゃないかと思うところが多々ありました

 

 

人は大人になっても切ないものをたくさん抱えて生きている、という点には共感しましたけどね

 

翠の高校のキタガー先生が良かったな

 

 


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