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梨木香歩「西の魔女が死んだ」

2012年12月07日 | な行の作家

 

新潮文庫

2001年8月 発行

2012年6月 81刷

解説・早川司寿乃

221頁

 

 

作家の代表作品と言われているもの

荻原浩「明日の記憶」

小川洋子「博士の愛した数式」

そして本書

荻原さんと小川さんもだいぶ遅れて読みましたが、やっと本書にも手が出ました

売れ筋、人気作品にはどうも腰が引けます

 

 

中学に入ったばかりだったまいは喘息の発作をきっかけに学校へ行くことが出来なくなり、母方の祖母の家でしばらく過ごすことになる

祖母は英国人で、昔ながらの自然と共に生きる暮らしを大切にしている

その暮らしぶりは「古臭い」といってよいでしょう

西の魔女とは祖母のこと

少しだけ人より感性や観察力、洞察力が鋭い祖母

まいは自分も魔女修業がしたいと祖母に申し出ますが、まいの思うところと祖母のそれとはズレがあります

まだ12歳のまいには祖母の本当の思いを理解することは出来ませんでした

 

成長期の壁にぶつかったまいが祖母と二人で暮らしたひと月の間に教わったこと

 

祖母の教えは、まいくらいの年齢の人だけでなく大人にも向けたメッセージが盛りだくさんです

 

まいの気持ちも、母の気持ちも、祖母の気持ちも、祖母の隣人たちの気持ちもわかります

ストーリーそのものは平易なのですが、想像していた以上に複雑な人間心理が描かれていて流石梨木さんだな、と思いました

まいが祖母から受けた魔女の手ほどきは、つまりは人間として生きるための手ほどきだったのでしょう

 

 

まいのその後を描いた「渡りの一日」を併録

あれから二年、祖母の教えを心に、まいは少しずつですが成長しています

 

 

解説をされているの早川さんの絵は文庫カバーの装画や絵本「マジョモリ」など、梨木作品では頻繁に目にします

どれも作品に自然に寄り添っているようで好ましく思っています

装画や挿絵も本の完成には欠かせない要素ですね

 

 

 

 


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