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映画・人生、ここにあり!

2011年09月13日 | 映画(海外)

 

2008年 イタリア
原題 Si Puo Fare(やればできるさ!)


1978年、イタリアで制定されたバザリア法により次々と精神病院が閉鎖されました
「自由こそ治療だ」という画期的な考え方から、病院に閉じ込められ人間らしい扱いを受けてこなかった患者たちを一般社会で生活させるために地域に戻したのです
そんな時代に起こった実話を基に、舞台を1983年のミラノに設定したのが本作です


精神病院が閉鎖されたが戻る場所のない元患者たちは病院付属の「協同組合180」に集められ、ほとんど無給で簡単な作業をこなすだけの無気力な毎日を送っていた
そこにマネージャーとして異動して来たのがネッロ(クラウディオ・ビジオ)
労働組合員として正義感が強く労働の近代化や市場に対して情熱を傾ける余り、異端児扱いされ『左遷』されたのです
ネッロは仕事で稼ぐことの意味や価値を彼らに伝えることを思いつき会議を開きます
そこで床貼りの仕事が採択され、「協同組合180」は新たな一歩を踏み出すことになります

ネッロは元患者たちの個性をいかし、現場作業者、電話番、経理、理事長など適材適所に上手く配置します
それがドンピシャ大当たり
どんどん品質があがり、顧客が増え、右肩上がりで事業が大きくなっていきます
生き甲斐を見つけた喜びと投薬量を減らされることで、益々元気になっていく元患者たち
給料もあがり、自分達の住まいへ引越し、新しい家具や服を買い、恋も…

このままハッピーエンドになるかと思いきや
最大の悲劇が彼らを襲い、ネッロは責任をとって「協同組合180」から身を引いてしまいます
最後には、元患者たちの「成長」で本当のハッピーエンド

障がいのある人と健常者の間に大きな違いはあるのか?
大いに笑わせ、時に涙を誘う良質の人間賛歌でした

 

ビジオやネッロの恋人サラを演じるアニータ・カブリオーリの演技は勿論ですが
何と言っても元患者たちを演じた面々、なかでも自閉症で一切言葉を発しないのに存在感ばっちりの理事長に拍手を送りたいと思います

そして日本の精神病治療も、いつの日かイタリアのようになったら、と思いました

 

 

 


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