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ノダル・ドゥンバゼ「僕とおばあさんとイリコとイラリオン」

2010年07月23日 | 海外の作家
ノダル・ドゥンバゼ
20世紀後半のグルジアの代表的な作家の一人
1928年首都トリビシ生まれ
1984年没
トリビシ国立大学経済学部卒業
本書が出版されたのはまだグルジアがソヴィエト連邦の一部だった1960年です


著者の少年・青年時代の回想を下敷きにした半ば自伝的小説でグルジアでは誰でも読んだことがある作品とのこと

主人公の少年ズラブ
両親と死に別れ田舎で祖母オルガに育てられています
学校へは行くものの授業の邪魔になるということで帰らされたり
伯父のイリコとイラリオンと一緒に煙草を吸いワインやウォッカを飲んだり
陽気な人々と豊かな自然に囲まれてのびのび暮らすズラブ

村の集会に参加してソヴィエト社会主義を痛烈に批判する「冗談」を言うこともある賢い子供です

やがて成長したズラブは大学へ進学するため一人首都トリビシに向かいます
トリビシに向かう列車で一緒になった大人達、下宿先の小母さん、学友、祖母、伯父
誰も彼もユーモアと人情に溢れ感受性豊かな心温まる人間たち

大学を終え村に戻ったズラブを待っていたのは彼女の流儀で自分を愛し慈しんでくれた祖母との別れでした

12歳の少年の飲酒や喫煙
親戚同士でありながら互いの家のものを盗んだり仕返しを繰り返すイリコとイラリオン


現代日本の常識で読むと理解は難しいかもしれません
心の隅に少し余白を持って読まれては如何でしょう

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