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梨木香歩「りかさん」

2010年07月21日 | な行の作家

大人になった蓉子の周辺を描いた「からくりからくさ」を先に読みました
本書は
蓉子が子供の頃
ようこ、おばあさん、おばあさんがようこにプレゼントしてくれた市松人形のりかさんを中心とした物語です

人形が考え、動き、話す、笑う、泣く

人には人形を慈しむ責任があり、愛された人形は良い吸い取り紙のように人の感情の濁りの部分だけを吸い取り、生きている人の強すぎる気持ちを整理してくれる
持ち主から愛情を注がれた人形は自ずと優しい表情になって心を安らがせてくれる

人形と人のファンタジーの中で
人は他の人や物とどう関わっていけばよいのか
生き方を示してくれます



併録は「からくりからくさ」のその後を描いた
「ミケルの庭」
おばあさんやりかさんから教えられた他者への思いやりに溢れた姿勢で周囲に接する蓉子
子供の頃から変わらない『芯』を持った素敵な女性に成長しました


梨木さんの不思議で優しい世界に浸れます


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