新潮社
2010年4月 発行
186頁
北海道、カムチャツカ、長野などへ出掛け、バードウォッチングをしながら、渡り鳥たちの旅路と生と死に思いを馳せ、さらに移民に代表されるように人間にも渡りがある、と考える
自然と鳥と人間を見つめたエッセイです
最後の数行が特に印象的でした
さあ、出発しよう、というときの衝動は、「帰りたい」という本能的な帰巣本能とほとんど同じもののような気がしてならない
生物は帰りたい場所へ渡る
自分に適した場所
自分を迎えてくれる場所
自分が根を下ろせるかもしれない場所
本来は自分が属しているはずの場所
還っていける場所
たとえそこが、今生では行ったはずのない場所であっても
各章の末尾に、その章で出てきた鳥の解説が載せられています
梨木さんによる解説は、学者さんのそれとは違うコメントがあって、全く知らない鳥その姿形を思い浮かべることが出来そうです
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