原題 De Marathon
2012年 オランダ
オランダ、ロッテルダム
先代から引き継いだ自動車修理工場の経営者・ギーア(ステファン・デ・ワレ)
従業員は古くからの仲間のニコ(マルセル・ヘンセマ)、レオ(マルティン・ファン・ワールデンベルグ)、キース(フランク・ラマース)の3人と、エジプト系移民のユース(ミムン・オアイーサ)、27歳
仕事が減ったこともあり、オヤジたちは昼間から缶ビール片手にカードゲームに興じてばかりで、真面目に働いているのは若いユースだけという毎日
そんなある日、ニコが“税金督促状”の束を発見
修理工場は税金を滞納しており、経営難に陥っていたのだ
ギーアは家に帰れば反抗期の息子ハリー(マルティン・レイクメイア)に腹の立つことばかり
さらに咳が止まらず血を吐いたことから病院で診てもらったところ進行した食道がんで余命半年と宣告される
化学療法を拒否し、これまでと変わらず日常生活を送ろうとする彼は家族にも従業員にも自分の病気を隠し通す
従業員と家族のため何とか工場だけは残したいと考え、スポンサーを見つけてロッテルダムマラソンに出場するという妙案を思いつくギーア
オヤジ4人が完走すれば、滞納した税金を肩代わりしてもらい、しなければ工場を譲渡するという条件つきで、高級中古車販売を手掛けるユースの叔父さんにスポンサーになってもらう約束をとりつける
元マラソンランナーだったというユースのコーチを受け日々練習に励むのだった
練習といっても、それまで酒、タバコ、甘いもの、好き放題で弛んだ身体では、そう簡単に走れるようになるはずもありません
練習に出かけて行ったと思ったら数分で戻ってきてダウン
雨が降れば休憩
でも、次第に4人に変化が現れます
ニコ、レオ、キースの3人もそれぞれ家庭に悩みを抱えていますが、工場のため、ひいては自分たちの生活のため、家族のため、ユースの厳しいトレーニングに耐え頑張るのです
そしてロッテルダム・マラソン当日、彼らはスタートラインに立ちます
オヤジたちは、工場で見せるいい加減さや楽観的な態度とは裏腹の悩み深き私生活を抱えていますが、走ることによって一歩一歩前に進んでいくのです
へろへろになりながらゴールを目指す4人、彼らを見守るユース、家族たちの姿
人生の楽しさと哀しさと、人間の弱さと強さを描いた感動作です
マラソン大会から半年後の工場のシーンで映画は終わります
たとえ辛いことがあったとしても、それを乗り越えて人は生きていくものです
彼らは、42.195キロを走りぬいたことによってその強さを手に入れたのでしょう
ユースが語る言葉
「一歩ごとに決意するんだ。1メートル、1センチのために戦え。」
名言であります
マラソンを良く知る方には、より楽しめる映画だそうですヨ♪
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