朝日文庫
2007年12月 第1刷発行
238頁
「ときには皆さんも、こんな見方で人生を見られるといかがでしょうか-」
現代人のためのココロの転換術
日々が豊かに、人生が楽になるヒントの詰まった75編
先日観た映画「少年と自転車」
この本を読み終えたのは、映画を観る数日前で、映画を観ながら河合先生の言葉が何度も思い出されました
・さなぎの内と外
子どもは成長の過程で蛹になる時期がある
今はどんな状態にあるにしろ、そこを通り抜けるとちゃんと大人になれるのだから、その間はこちらもつきあうよ、という覚悟をもって大人は子どもに向き合うべき
・「私」の発見
ある日、何かのことがきっかけで「私」の発見をする子ども
皆と同じように生きてきたと思っていた自分が「ただひとり」とわかることで生まれる孤独感や不安
大人は「あなたは確かに世界にひとりしかいないのだが、ひとりぼっちではない」ということを言葉ではなく、態度で示すことが必要である
子どもは安心することで、すっとひとりで立ってゆく
・年齢を括弧に入れる
もう年だから、と諦めない
しかし、それは年齢を忘れて頑張りすぎるのとは違い、ともかくそれはそれとしてやってみよう、というもの
年齢や性にこだわる人は単調になる
年齢を括弧に入れて、時にははずしてみたり、括弧の囲みを強くしたり弱くしたりすることで人生はだいぶ豊かになる
・「明るく元気に」病
みんなで明るく元気に遊びましょう!という掛け声で自分の意思とは別に集団行動に従わされる子どもたち
老人介護施設も同じではないか
・中高年の自殺
50歳代で自分の地位や仕事に大きな変化があると、それまで仕事一筋だった人は対応することが出来ず鬱になるケースが多い
自分が行き詰ったときに、それを異なる視点で見るだけの余裕がない
仕事人間、会社人間で頑張ってきた人に、仕事とは関係の無い「余計なこと」と思われる読書をすすめてはどうだろうか
・星が見ている
天文学者も詩人も星空を見上げていると、逆に星に見られていると感じている
科学と芸術は思いの外に近しいものがあり、そこには深い宗教性がある
子どもの話以外にも、様々な年齢、性別、職業の方々に送るココロの処方箋です
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