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リュドミラ・ウリツカヤ「ソーネチカ」

2010年03月04日 | 海外の作家
自由なやりとりは、ドアをきっちり閉めた部屋でなければ出来ないし背筋にはまだ恐怖が感じられるソヴィエト政権下に生きる女性・ソーネチカの一生を描いた作品

ロシア古典文学のような重苦しさは無く、ただ淡々と一人の女性の人生が語られている

幼い頃から本の虫で容貌もパッとしないソーネチカが図書館の書庫で出会ったフランス帰りの反体制的な芸術家ロベルトと出会い結婚
夫の流刑生活についてまわり子供を産み育てスターリン時代を貧しくも幸せに過ごし、やがて大きな愛の試練に見舞われる

たいていの人なら嫉妬に狂い、激怒し、絶望てしまうのにソーネチカは些細なことにも幸せを感じ「なんて幸せなんだろう」と考える
夫の裏切り行為も淡々と乗り越え、はっきりとは書かれていないけれど、おそらく長生きしたであろうソーネチカ
真に強い女性です
自分がとてもちっぽけな人間に思えて恥ずかしくなりました


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