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川上弘美「神様」

2014年02月07日 | か行の作家

 

中公文庫
2001年10月 初版発行
2013年4月 20刷発行
解説・佐野洋子
194頁

 

 

ある年の夏の初めから翌年の夏までのある一人の若い女性の周囲に起きた不思議な出来事を描いた短編集

 

くまと河原に散歩に出かける「神様」
梨もぎのアルバイトで不思議な3匹の生き物に出会う「夏休み」
芒野原で亡き叔父に会う「花野」
河童の住まいに招待され、とある相談を受ける「河童玉」
頂きものの壺をこすると女の子が出てくる「クリスマス」
隣の部屋の小学生との交流を通して感じる男の子の成長「星の光は昔の光」
行きつけの飲み屋で女店主の不思議な話を聞く「春立つ」
上の階の住人が海岸で拾ってきた人魚との顛末「離さない」
故郷に帰るというくまとの最後のピクニック「草上の昼食」

 

巻頭「神様」の出だし
くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである。
驚きの書き出しですが、不思議世界を至極当たり前のように受容れ、あっという間の一気読み

 

主人公の女性は、何となくボンヤリと毎日を生きているような雰囲気ですが、こんな体験が出来る人生、絶対退屈ではありません!

不思議世界の中に若い女性の悩みや優しさが散りばめられた、温かで切ない物語でした

 

 


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