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野坂昭如「骨餓身峠死人葛」

2016年06月10日 | な行の作家

 

野坂昭如ルネサンス⑥
岩波現代文庫
2008年1月 第1刷発行
解説・松本健一
286頁

 

 

1960年代後半から発表され、若者を中心に多くの支持を得た作品群
よみがえる70年代の感性、圧倒的なスピード感

 

「骨餓身峠死人葛」
玄界灘を見下ろす険しい山容をもった丘陵のなかに穿たれた葛坑
その廃坑に隠された死人葛にまつわる人間世界の生成と滅亡 

 

「紀元は二千六百年」
1970年、大阪万博の直前
東京でサラリーマンをしていた男が突然蒸発
やってきたのは大阪・釜ヶ崎
日雇い労働者を食いつぶす大阪万博景気

 

他に収録されているのは
「人情ふいなーれ」「同行二人」「マイ・ミックスチュア」「当世ますらお団」「ああ奇怪大綬章」

 

これらが発表された時代にはまだ子供でした
今、読んでみても、作品に対する思い入れや実感は乏しいのですが、高度経済成長時代に、まだまだ戦争の傷跡を引きずる人々がいたことを知りえたこと、戦争下でも平和時でも人間のやることは変わらない、という著者の思想に触れられたことだけでも収穫はあったと思います

 

 

 


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